【感想・ネタバレ】超限戦 21世紀の「新しい戦争」のレビュー

あらすじ

戦争の方式は既に大きく変わっている――。中国現役軍人による全く新しい戦争論。中国だけでなく、米国、日本で話題を呼びつつも、古書価格3万円を超えて入手困難となっていた戦略研究書の復刊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

20年以上も前の1998年に、米国の湾岸戦争の戦い方に刺激を受けて、2人の中国人民解放軍の将校が著した本。軍事のイノベーター、現在の中国の軍事戦略が基本的な考え方から述べられており、中国はここに書かれた事を20年以上に亘って遂行していると思わざるを得ない。正直驚愕。

まず感心するのは米国の戦争の仕方を徹底的に分析し評価している。この他国から学ぶ姿勢は中国のお家芸。これはよく考えないといけない。

以下抜粋ですが、
『超限戦にとって、戦場と非戦場の区別は存在しない。平時も有事も区別しない、軍事も民事も区別しない。陸、海、空、宇宙などの自然空間も戦場であるし、軍事、政治、経済、文化、心理といった社会的空間も全てが戦争領域たりうる。戦争は軍事的なものであってもいいし、準軍事的あるいは非軍事的なものであってもいい。暴力を使ってもいいし、非暴力なものでも構わない。職業軍人の間の対抗かもしれないし、一般人を主体とする新しい戦略の対抗となるかもしれない。超限戦のこれらの特徴は、伝統的な戦争との分水嶺であり、また新しいタイプの戦争のために仕切ったスタートラインである。』
とあるんですが、これ、最近起こってること、例えば一帯一路、中国製造2025、知的財産権の問題、JAXAが人民解放軍の指示でハッキングされた問題、留学生を使った工作をしているなど、全てこの数行で説明される気がする。

やってる事が良いか悪いかは別として、要するに中国は極めて長期的な戦略を持ちそれをしっかり遂行している。素晴らしいPDCA遂行力を持った国だと改めてと言える事を痛感させられる。この本は面白い。

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2025年08月27日

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