あらすじ
2019年台風19号、18年西日本豪雨、17年九州北部豪雨、16年台風10号--。大きな被害をもたらす水害が毎年のように発生しています。気候変動の影響の顕在化などによって、従来なら異常と思われていた現象が、もはや異常とは言えない時代に突入しました。
近年、特に目立つのが河川の上流域での集中豪雨に伴う洪水・土砂・流木が一体となって人家などを破壊する「複合型水災害」です。本書では発生源となる森林や河川上流域に焦点を当て、発生の現象と原因、そして緑のダムと呼ばれる森林やダム、砂防堰堤などの実態と課題について解説します。森林とダムによる流域全体の“総合的処方箋”を提示した水災害対策の新しい教本です。
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Posted by ブクログ
『ダム不要論』や『緑のダムによる治水効果』と聞くことも多いが、理論的にダムの必要性、森林とダムの共生の大切さが説明されている本。『森林による貯水効果は小さく、渇水期においては、森林の蒸発散により、さらに渇水リスクが高まる』というのは、学びだった。木の根の杭効果について、深層崩壊には意味をなさないというのは、説明も読んでその通りだと思った。国の政策も治水に主眼をおいた『流域治水』から、利水・環境含めた『流域総合水管理』へシフトしようとしている。とても分かりやすく、今読むべき本だと思った。