あらすじ
英国怪談の第一人者であり、古典に精通する著者が、英国・アイルランドの奇妙な物語を厳選して紹介。
人の死を予言する屍蝋燭や音声妖怪、黒い犬の話、海の妖精。
衒学的な怖さとユーモアに満ちた奇想天外な随筆集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
怪異譚と銘打ってあるけど、南條先生のエッセイが半分を占めている。
とはいえ、紹介する作品についての知識や時代背景、作者などにも言及していて、また背景を知らないと南のこっちゃ!という作品もあるので、勉強にもなった。
キリスト教世界に身をおかない日本人にはわかりにくいところもやはりあるので…。
詩やバラッドだと怪異と一見結び付かんですし。
古い古いケルトやらの雰囲気を匂わせた幻想的なものや、死のにおいが色濃い陰鬱なもの、霊的なものを証明するために集めた実話怪談など、いろいろな怪異譚も楽しめて、南條先生のエッセイ・解説付きというお得な一冊?
個人的なお気に入りは「地獄の門」と「老水夫行」。
Posted by ブクログ
17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚を、紹介する随筆集。
雑誌「幽」に連載された作品を改稿している。
全18話。文字と挿絵は紫色で統一。
自らを“吾輩”と称し、7世紀~20世紀初頭の好事家の如くの
口調で語る、英国怪異譚中心の随筆です。
「幽」の読者を対象にした随筆と作品紹介なだけに、
マニアックで専門用語をちりばめていますが、
純粋に怪奇譚として楽しむのには、興味深い内容でもあります。
幽霊、魔所、異人への偏見と恐怖、宗教、地獄、古き神々、
ファム・ファタル、妖精、さわりの木、屍蝋燭等を語り、
加えて、そこはかとなく翻訳家の矜持を示しているのも、良い。
特に、バラッドとロバート・バーンズのタム・オ・シャンタが
楽しめました。「モンティパイソン」でロバート・バーンズの
パロディを観て興味を持った過去が懐かしいなぁ。
知らない&名前だけは知ってる作家や詩人の紹介は、
更なる英国怪異譚の世界を広げてくれました。
あとがきの「幽」の思い出も楽しかったです。
Posted by ブクログ
最初は本文の間にある編者の解説がうっとうしかったが、慣れてきたらそう悪くないと感じるようになった。集められた作品は基本的に好みのものが多くて気持ちが休まる。