あらすじ
米国から世界に拡散する、「格差」と「分断の構図」とは何か? 成熟した民主主義国家で進む、分断のメカニズムを理解することで、知識人やメディアの偏向と劣化の理由がわかる。
知らず知らずのうちに、ラベリングされ、思考を規定されてしまう罠から、自分本来の暮らしと人生を、自らの手に取り戻すために!
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Posted by ブクログ
メディアなどから発信される情報はどのような分断を生むのかを想像し、様々なアイデンティティを認識できるように心がける。様々なアイデンティティの分断に優先順位をつけて、常に更新し続けることで、柔軟な有権者として責任を果たす。自分の意思決定に明確な根拠を持てるようにする。
Posted by ブクログ
民主主義が選挙で成り立つ以上、分断(グルーピング)という名のマーケティングで票を得る闘争になるのは否めないとして(政治家だけでなく閲覧数や広告費で儲けるメディアが拡声器となりSNSがエコーチェンバー起こすことなども)、でも知識人層がこの新たな分断を見つけることに熱中しているとする指摘は、違和感が残った(米国知識人の発言を日常的にウォッチしてないけど)。
知識人らが新たな断絶を発見し、政治家が声高にその亀裂を指摘(あるいは焚き付けて)し、メディアがその分断の裂け目を深く広くしていく流れだ。こうしてグルーピングされた人数が選挙の得票数となる。
このように社会的合意を見いだせなくなっていけば民主主義社会は歴史的使命を終えるだろう、というのが筆者の主張。米国の分断のノウハウを「分断メシウマ」と捉える上記層が幾重にも共鳴するため、特に成熟した民主主義国に輸出され、拡大していく恐れがあると警告する。
また、Libraなどのステーブルコインやデジタル人民元のあまりに大きな存在感が、日本に政治的に影響してくるという主張も興味深かった。選挙という従来の手法を通して民主主義国家に侵食してくる恐れがあるという。
Posted by ブクログ
「アイデンティティの分断」と昨今よく耳にする言説を、選挙マーケティングビジネスの観点から解説。あまり目にしない切り口で興味深かった。
なるほど確かに、アイデンティティの「分断」は「発見」され、「問題」にされ、押し付けられる。そして選挙の対立軸が生まれ、私たちは気付かずに動員される。しかし分断自体は悪いものではないと筆者は説く。それは私たちにより多くの選択肢を提示することをも意味するからだ。しかし、私たちが与えられたレッテルを無批判に受け入れると、選挙ビジネスの手の内で踊らされることになる。リベラル層・保守層から分断の物語が提示される中で、自らのアイデンティティをしなやかに選択していくことが大事。・・・と筆者は説く。
仮想通貨の話も面白かったけど、ちょっと唐突に感じたな・・・。途中から自己啓発本みたいになっていったのがやや残念。