【感想・ネタバレ】ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

長谷川式スケール開発者による、認知症になった人の世界の見え方がやさしく語られている。

認知症という病の渦中にいる著者からの文章は、実体験に基づくものであり、介護者の心構えに繋がりそう。
学生ボランティアで、介護施設で認知症の方とお話したとき、大変失礼ながらぎょっとしてしまった経験を思い出し、「この本を読んでからお会いできていたら、何か違ったかもしれない」と思わされた。

知識的なことを言えば
授業でクライエント側として長谷川式スケールを受けた時は「めっちゃ短!」と思ったが、高齢者が受ける前提で開発されているため、体力が低下している状態での実施が考慮されているとのこと。
如何に自分目線でしか考えられてなかったかを思い知らされる。
現行の介護保険制度と成年後見制度においては、まるで存在するのが当たり前かのように語ってしまっているが、開始されてからまだ日の浅い制度であることに驚き。

以下メモ
・認知症の本質は「暮らしの障害」
・認知症は「固定されたものではない」
★「待つ」というのはその人に自分の「時間を差し上げる」ということ
★『もの忘れが始まって十年になる。病気になってほんとうに悔しい』『いろんなメロディーがごっちゃになって気が狂い相だ』
・クルマの運転はぜったいやめたほうがいい
★本人抜きに物事を決めないで、置き去りにしないで

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私の祖母も認知症である。その判定時にちょうどこの本に書いてあったアセスメントを受けた記憶がある。それがこの著者が作り出した長谷川式スケールだったことをこの本を読んで初めて知った。

この本の中で一貫して述べられていたことは、何ら難しいことではなかった。認知症の人を別の生き物扱いする人がいるが、認知症であっても当人に尊厳があることを認識し、1人の人間として接して欲しいということだった。「やさしくおだやかに 待つそして聴くこと その人らしさを大切に」長谷川先生の言葉である。

よくよく考えてみれば人と接する上で当たり前のことである。認知症になったからといって急に人格が変わったり、その人がその人でなくなってしまうわけではない。症状にはグラデーションがあり、本人でさえもその変化に戸惑い、不安を感じる。今どこなのかいつなのかどういう状態にあるのか、それがわからない本人が一番不安なのである。

といっても本人と親しい間柄にあった人間からすれば、自分のことを忘れられたりするのはなかなか堪えることなのだろう。認知症をもつ人の家族におけるエピソードで、その人の孫たちが「おじいちゃんはわからないかもしれないけど、私たちはおじいちゃんのことをよく知っている人だから安心して」と声をかけたというものがあったが、果たして自分はそうやって優しく声をかけられるのか。ゆっくりと時間をかけて考えていきたいと思わされた。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の体験の確かさ、がはっきりしなくなる。
なにをしたかがあやふやになり、何日かがわからなくなる。
100歳を過ぎれば、ほとんどの人が認知症になる。
最初に時間の見当がつかなくなり、場所がわからなくなり、人の顔がわからなくなる。

講評したことで、あちこち取材を受けたことが進行を遅らせた。嗜銀顆粒性認知症だった。
認知症の定義は、いままでの暮らしができなくなること。
一生ならないのは、先に死ぬだけ。いかになる時期を遅らせるか。
認知症は固定されたものではない。
笑うことは大切。

パーソンセンタードケア=その人中心のケア=小さな子が転んだとき、4歳くらいのお姉ちゃんが一緒に寝転がって笑いかけた。同じ目線に立つこと。
デイサービスは至れり尽くせり、生活の匂いがない。

認知症テストは短時間で。高齢者は30分には耐えられない。
100から順番に7を引く。93から7を引く、ではなく、そこから、また7を引く、と質問する。覚えていられるかが大事。
車の運転は、辞める。タクシーを使う。

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2023年12月06日

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