あらすじ
――今のままじゃダメなんだ。ガキのままでいいわけがない。真の大人になるために、少しきついことも言うが、大人のカタチを語ってみよう。――仕事、男と女、出逢いと別離、喧嘩、親と故郷、金とギャンブル、神の存在……。さまざまな人生の局面で岐路で、何を考え何をなすべきか。作家自身が「苦節、修羅場、絶望の中で見つけたもの」と表現する「大人のカタチ」が、ときに厳しくときに優しく、読む者の心に響く言葉で、語るように綴られる。週刊プレイボーイで大好評だった連載を大幅に加筆修正、再構成してまとめた、伊集院静の最新エッセイ集。
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Posted by ブクログ
人間が集団で行動するのは、生き続ける能力が極めて脆弱だからである。集団で動けば、当然のごとく何かの役割をさせられるが、することになる。そうしないものは、集団からはじき出され、さっき書いたように死ぬしかない。食物も与えられないし、女も、家族も手に入らない
死別、別離への私の考えは、距離の理由を考えるな。である。何故か?それは別離には、特に死別には答えがないからである。あるのは相手が死んだと言う事実だけである。それだけのことだ
人間はよほどの人である以外は、依るべきところ、依るべきものを持っていないと生きていけないのではないかと私は、この頃思うようになった
人生の早いうちに、自分が何者でもないことを知ることは大切である
金のために、命まで預けるような人間にはなるな
欲望には限界がない。金儲けの人生には、終わりなど来ないのである
金をを持てば、人は傲慢になる
神など存在しない。と言う結論に至ってしまった。存在を否定すれば、論旨は極めて明瞭になる。