あらすじ
「また怒らせてしまった」「信用を失った」「苦手意識が抜けない」――人間関係には数多くの地雷がある。恐ろしいのは、現代社会の地雷は増殖し、動き回る性質も持つことだ。それを避けるための相手との距離の取り方、意見や反論の仕方とは。最悪の事態を避けるための「良い謝罪」とは。警察、弁護士との正しい接し方は。巨大企業から芸能人まで実際の事件の分析も交えながら、危機管理のコンサルタントが突破術を指南する。
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Posted by ブクログ
私自身は、あえて地雷を踏んで、雨降って地固まる、を、実践する派なのですが、当然、超上下関係など、踏まない、いや踏めない地雷も数多く存在します。そんな危機突破術を学ぶことのできる本で、社会人になる前の学生さんにもお勧めです。
P31 上司には、YES! BUTで臨む。
P34 モードの違いによる衝突を回避
P48 「効率性の加減」というギャップ
現在は昔と比べて様々な手続きやインフラの
利便性が高くなり、スピードが早く、
ペーパーレスになっていて、
ある意味、効率性が美徳のように見られる
時代になりつつある。
しかし、この「効率性」も行き過ぎると
早いだけの「即席」になってしまい、
ここに年配者は不満を抱く。
P50 若い世代が、他者とのコミュニケーションが
苦手であることが、「報恩の加減」にまるわる
ギャップの原因でもあるような気がしてならない。
相手の心に響く感謝の言葉を、うまく伝えられない。
こちらの嬉しい気持ちを伝える、上手な技法も知らない。
恩に報いるのが下手なのです。
「報恩の加減」は「効率性の加減」に次ぐ
世代間の大きなギャップ。
P58 好意と厚意は、地雷の原料の火薬
好意については、
自分に対して他者が抱くイメージ、
あるいは相手にとって自分の存在価値が
どのようなものかを強く認識して
それを汚さないことを肝に銘じる必要がある。
例としては、期待を裏切る行為であり、
「期待を認識して、それに背かないこと」を
意識する必要性がある。
厚意については、
「原点を忘れない」の一語に尽きる。
・お金を借りたなら、貸してもらうまでの
みじめな気持ちを常に思い起こして
ギャンブルなどを封印する
・就職の世話をしてもらったなら、
無色の自分と現在とを比べて、
どちらが幸せか常に比較する
P61 人間関係構築に必要な五つの能力
1. 開始能力
自分の周りに良き人間関係を築くためには、
「この人はキーマンだ」と思った相手と
親しくなる必要がある。
相手の第一印象を良くすることが、
開始能力を高める。
2. デザイン能力
相手を引っかけるフックを探す
3. 維持能力
人間関係の維持に気を付けるべきことは、
「ギブ・アンド・テイク」
「シチュエーション」→「位置・立場・境遇」
人間関係は日々刻々と変化する。
位置の高低の様に、低い方が低姿勢で臨む。
人間関係が劣化する原因は、
「自分の劣化」「相手の劣化」「必要性の劣化」
4. 修復能力
ガス抜きや止血、傷口の消毒
5. 収束能力
おさまりをつけて終わらせる。
お付き合いした年数と同じ時間をかけてお別れする
P80 要注意人物を見分ける五つの眼鏡
1. 言うことに一貫性がない
2. 違和感のある言動が多い
3. 他者の尊厳を重んじない
4. 権利のサイクルを回す
5. 向上心を失っている
P91 SNSで炎上しないためのチェック
・サ:差別に関わる発言や映像
・ギ:業務を妨げる発言や映像
・ヒ:誹謗中傷する発言(根拠なく)
・シ:私生活の自由を侵害する発言や映像
・メ:名誉を毀損する発言や映像
・キ:機密を漏洩する発言や映像
p108 困った人
こちらの言うことを聞いている途中で、
頭に浮かんだ疑問に意識を奪われて、
話を聞くのがおろそかになり、
言われていることを十分に理解できなくなってしまう人。
あるいは、こちらが話している途中で、
疑問に思ったことを聞いてしまう人
困った人へのアドバイス
・疑問が浮かんだら書き留めておき、
まずは相手の話を「最後まで聞き切る」
という姿勢を持ちましょう
・最初に「相手の話の焦点(真意)を掴む」
ことを意識しましょう
・相手の話に「賛同する言葉」を述べた後で
質問をしてみましょう
P117 戦法は人を見て変える
「こちら側の過失の程度と相手によって
”折れる””戦う””防ぐ””かわす”の、いずれかを選ぶ」
「相手の要求レベルを分類して、対応の方法を選ぶ」
P123 プラスだと思うことのマイナス面を見逃すな
危機管理の正しい姿は、
「悲観的に備えて、楽観的に過ごす」
多くの人が見逃がしなのは、
「良いこと」「前向きなこと」の
陰にひそんでいるリスク。
本人はプラスだと思っている行為で、
実際に概ねその通りだが、
実は反作用があって、マイナスもある。
・相手の嫌いな人を誉める
・派閥に関連した人間関係の明示
P129 危機を洗い出して想定外を無くす
・危機を「天災」と「人災」に分ける
・「加害者になる危機」と「被害者になる危機」に分ける
という2×2のデザインで考え、更に
・人に関する危機
・物に関する危機
・金に関する危機
・情報に関する危機
に分類して何が起こり得るか想像し、
できる限りの予防策を講じる。
Posted by ブクログ
著者は危機管理会社を経営している。魚が何か不祥事をしたときどのように謝るかでその後の対応が大きく変わってくる。どのようなセリフを言えばいいのかきちんとアドバイスしてくれる人は必要だなと思った。
Posted by ブクログ
危機管理コンサルタントの著者が説く、「地雷」を踏んだ場合の対処術。
コンサルタントが絡むような危機管理となると、企業などしか関係ないのかというイメージになる。
だが、本書は日常的な人間関係でのトラブルも含めた事
例を解説していく。
例えばセクハラ、パワハラと感じさせないよう、人間関係をデザインするにはどうしたらいいか。
借金や離婚を巡って、親しかったはずの人が泥沼の争いに陥るのはなぜか。
その人がいないところでほめるとよい、などという話も別の本で読んだことがあるが、「好意」や「厚意」が反転するリスクもある行為だというのは、なるほどなあ、と思った。
あるいは、反社会的勢力に関わってしまった場合どうするかという問題も扱われている。
今、ターゲットが企業から個人へシフトする傾向にあるというので、その意味でも個人が知っておくとよい内容だとも思った。
弁護士や警察との付き合い方についての指南もある。
何かを相談するには、証拠を持っていくといいとのこと。
地域の防犯協会を通して警察とは関係を持っておくといいという話もあった。
ところで、本書の中で様々な事例が取り上げられているのだが、世間がかくも「面子」を重視しているのか、と感じた部分があった。
例えば省庁からの検査を受ける企業が、来た役人が無駄足になったと思わせないように、わざと軽微なミスを残しておくなどという話。
世の中って、そうやってできているのか…
Posted by ブクログ
地雷を踏んでるなぁとこの間を振り返っていたら、この本があった。さっそく読んだ。この本は、リスクヘッジの実績と経験の上に書かれているので、たくさんの気づきがあり、とても参考になった。確かに、SNSのない時代は、地雷は固定されたところにあったが、今は地雷は至る所にあり、地雷が変化しているという指摘は確かだ。被害者と思っていたら、知らない間に加害者になっているということが、世論によって巻き起こってしまう。怖い世の中なのだ。
著者の指摘は、人間関係のデザインがいるということを主張している。会社の上司と部下、友人関係、先輩と後輩、家庭の中でのポジション、人間関係の濃淡のなかで、どのような人間関係デザインを想定するのか。そして、行為によって、その関係が変化する。多様な修正と価値観が生まれることで、衝突する場面が増大している。簡単にラインやSNSで連絡することによって、人間関係が希薄となり、勘違いや誤解が生まれやすくなってきている。
5章に分かれていて、1章、人間関係という地雷。2章、人間関係構築に必要な5つの能力。3章、エリートはいかにして危機を回避しているか。4章、警察と弁護士は使いよう。第5章、謝罪という名の救急病院。うまい、構成だ。
第1章では、人間関係で,①モード(雰囲気)の違いというギャップ、②パーソナリティによるギャップ、③「岸」(立場)による見え方のギャップ、④世代間のギャップを上げている。
「言っていることは間違っていない」「このやり方でずっとやってきた」「知らなかった」「眠らずに一生懸命やっている」「私は悪いことをしていない」「ブレーキが壊れていたのだ」と当事者の意識がズレていることで、炎上してしまう。
結局、ギブアンドテイクの関係が崩れた時に、どうデザインを変えるのかだ。お金を貸して、と言われて貸した時には、人間関係デザインは変化している。返せと言った時に「俺が苦しいのをわかっていて、なんで催促するんだ」と言われることで、逆恨みされる。そいう時は、貸した方が悪いと思って攻撃してしまう事例が多いようだ。
第2章では、人間関係に必要な5つの能力。①開始能力。キーマンをきちんと見つける。有効な手土産はお金ではなく、情報。②デザイン能力。③維持能力。④修復能力。バランス感覚。相手のダメージを理解し、相手の痛みをよく理解して、修復する。災い転じて福となす。⑤収束能力。きちんとした手打ちをする。ある意味では、一番重要なことで、燻り続けて、突然爆破されることもある。香川照之の場合は、示談が済んだと思い込んでいたが、それが爆発した時に、当初はノーコメントで逃げちゃったことで燎原の火のように炎上した。とても好きな役者さんだったので残念であるが、これを芸の肥やしにして、再び再復活してほしいと願う。
人間関係の劣化は、自分自身の劣化。相手の劣化。必要性の劣化があり、劣化に伴ってデザインを変えていく必要がある。
要注意人物は①言うことに一貫性がない。②違和感のある言動が多い。③他者の尊厳を重んじない。④相手に何かしてあげてときに、きちんとお礼を言ってこない。⑤向上心を失っている。ありゃ。オレだ。困ったもんだ。
第3章は、トラブル社会では、根回しが必要なのよ。そして、知らず知らずに相手を巻き込むのだ。
有利な立ち位置は、①太陽を背にする。(正義、大義名分)②風上に立つ。ふーむ。小泉首相のうまさはこの二つを駆使してことだったんだ。
重要なのは、追い詰めるばかりでなく、相手に逃げ道を作ってやることだ。
第4章、警察と弁護士は使いよう。たくさんの弁護士に関わってきてことで、弁護士は万能じゃないなぁと思った。専門があるのだ。会社法をあまり知らない人に会社の件を頼んでも負けるのは明らかだ。
第5章、謝罪。うーん。これが一番難しいなぁ。サンドイッチマンの漫才にも謝罪を面白おかしく言っていたが、謝り方で、かなり違う。土下座すれば、謝罪になるかといえば、ならない。私なんか、座るだけで土下座している。名前だけで、本人はちっとも謝っていないのだ。
謝罪とは、解毒であり、そのために問診、検査、診断、治療、予後の経過観察。①感知する。危機を招いたと感じたら、真実を正確に調べる。②解析する。③解毒。心に響く謝罪、再発防止策、厳しい処分などによって、許しを得て問題を収束させる。④再生。信頼を取り戻して、業績を回復させる。
逃走本能と闘争本能があるが、逃げてはならない。他人に頼っても、解決にならない。
そして、①遅い謝罪。②時間足らずの謝罪。③曖昧にぼかした謝罪。④言い訳や反論混じりの謝罪。⑤嘘と隠蔽混じりの謝罪。⑥贖罪の伴わない謝罪。
「遺憾、誤解、お騒がせし、知らなかった、邁進するの頭の文字をつなげると イゴオシマイとなる」
ふーむ。地雷多き時代、どう地雷を踏んでも、生き残っていくのかがこれからの時代なのだ。突き進むしかない。パックンや爆笑問題の太田も、意外と地雷踏んじゃっている。この本を読むべきだ。
Posted by ブクログ
最近日本大学の危機管理学部の教授をテレビで頻繁にみかける。同大学は日本で数少ない危機管理に特化した学問体系を持ち、長らく専門家を輩出してきた大学だ。これが報道でも取り上げられる様になってきた事は、それだけ危機管理の重要性が浸透してきた事もそうだが、危機的な状況が社会で多く発生していることを表している。自然災害にサイバー攻撃、バイトテロに代表される従業員が招く会社の危機的状況。公共交通機関なら命に関わる重大事故、そして会社の経営者や高役職者などが絡んだ会計不正。数え上げたら危機は幾らでも存在する。なぜこれだけ日々のニュースで取り上げられるようになったのか。過去の日本に危機がなかった訳でも無いし、災害やテロなどは以前から発生してきたことだ。それについては情報流通手段の進化が一つ影響要因となっているだろう。これまでは身近な場で見た知った状況を伝達する手段は限られていたが、今はSNSで呟けばあっという間に全国レベルの話題になる。更に誰でも発信できる事は、有る事無い事、情報の精度を下げながら特定の難しい発信源が幾らでも発生する。同時に無責任と言われかねない投稿などが多発し、それを更に誹謗中傷するなど、最も簡単に人々の対立が発生しやすい状況となっている。誰かの呟きは時に社会に大きな畝りを引き起こし、その結果、大企業といえど簡単に存亡の危機に陥る。災害時の政府の対応然り、事件に巻き込まれたり何らかの騒ぎを起こしてしまった芸能人然り。その後の対応次第で中長期の活動に大きな影響を及ぼす、及ぼし易い時代になっている。だからこそ、何かに「巻き込まれたり、起こってしまったとき」のリスク(危機)への備えが大変重要となっている。
本書はその様な危機管理を専門とする企業の社長が、自らの経験と知識で、どの様に乗り越えていくかの手法を述べていく内容となっている。勿論、それを読んだからと言って簡単にできるものではない。だから、先ずは知識として身につけて、いざという時にはこうした会社の存在を頼りをスムーズに進めるためのテクニックとして読んでおきたい。
何より先ずは自分の周りに対応が必要になる可能性のあるリスクが幾つ、どの程度あるかを認識しなければならない。会社へ行く途中で事故に遭う可能性があるなら、それをリスクとして捉えるから損害保険に入る、といった感じに。ただしリスクの把握のレベル感を間違えると、何でもかんでも備えが必要になり、正直大変で生き辛さを感じてしまう。だから先ずは大きなリスクに備えるところから始めたい。会社に居れば大小様々なリスクがある。数字の桁を間違えればそれこそ経営に危機を与える原因となってしまう可能性だってある(私はよくエクセルの計算式で範囲を間違える。だから縦計、横計チェック式を至る所に忍ばせるなど)。
東日本震災以降、各社が率先して事業継続計画(BCP)を作成した。私も事業会社のIT部門の一員として、事業リスクの識別や、システムの最低限必要な状態でも稼働し続けられるような構成の検討に携わってきた。実際にプランニンし、環境構築も経験させてもらった。それより前には大規模な会計不正事件がアメリカで発生した際の日本版SOX法(当時の呼び名)でリスクコントロールマトリックス(RCM)の作成、フォレンジック環境整備もやってきた。最近は頻発するトラブル一つ一つの原因究明や再発防止プロセスをチェックする役回りも任せてもらっている。偶々、そうした経験の積み重ねが、リスクとその重要度•影響を常に識別しようとする考え方が先行するようになってきた。それは瞬発力や実行力の低下に繋がりかねないものの、一方でそれを無視して進む事の危険性は以前にも増して重大な結果を招きかねない。変化の起伏が激しい時代にありながら、いち早く俊敏に変化に対応しつつも、瞬間的にリスク影響を判断していく能力も強く求められる。バランス感覚がなければ判断を見誤るし、最悪の事態には専門外部企業の力も借りながら、目に見えぬリスク(危機)を管理していく必要がある。その重要性を再認識させてくれる一冊。
世の中は地雷源だらけなのだから。そして以前なら踏んでも大した爆発に至らなかった地雷は明らかに威力を増しているし、下手すると自分だけでなく組織毎吹き飛ぶような威力を発揮する。この事を常に意識していたい。