【感想・ネタバレ】石原莞爾 その虚飾のレビュー

あらすじ

ずばぬけた頭脳を持ち、日本陸軍史上最大の知謀と評された石原莞爾。いわく時代を先読みしていた、東条英機を批判したなど、平和主義者のように偶像視され、「石原讃歌」は今なお続く。しかし、この風潮に対して、真っ向からその欺瞞性を批判し、石原の行為は「放火犯の消火作業」と喝破する、野心的力作評論。満洲国の夢を煽った「名参謀」を撃つ! 「英雄伝説」を剥ぐ!

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Posted by ブクログ

 石原莞爾を当時の軍人には珍しい平和主義者として、また卓越なる戦術眼を持ち未来を予想した人として崇拝する人々に、石原莞爾の現実を突きつけ目を覚まさせようとする本です。

 私は石原に関しては良いとも悪いとも、特にまだ考えがありませんでしたが、読み終わってみると、「石原ってどこがいいんだろう」と思わされました。そういう意味では成功しているかと思います。

 ただ、きちんと石原の悪い面(外国人を不当にけなす手紙など)を描いているところもあれば、同世代の人と比べて「○○はこのとき既にこういうことを考え、行っていたのに、石原はこんなことをしている」というような形の批判もありました。
 このような書かれ方をされると、石原を知りたいと思って読む人にとっては、筆者が石原に関して変なことに言いがかりをつけているようにしか聞こえません。そこは少し勿体ないと感じました。

 石原神話を崩すにはいいのかもわかりませんが、石原崇拝者はこんなタイトルの本を読まない・・・かもしれない。

 文章は全体的にすごく読みやすかったです。

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2010年07月09日

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