あらすじ
家具職人をめざし、修行を積んでいた倉木相馬。良い家具を作るには人間について理解していなくてはならないと考える師匠に、家具職人以外の仕事を経験するよう言われ、女友達の営む茶房で働くことに。もともと料理が得意だった相馬は、茶房での仕事に喜びを見出し始めて…。優しすぎる男と壊れかかった女たち。心と身体に愛の滋養、じんと沁みる金沢ごはん物語…!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「エプロン男子」と著者が同じで、壊れそうな女性に対して料理を作るところは似ているものの、この小説は主人公の心の成長と、主人公の廻りにいる金沢の人達との関わりが書かれていています。舞台が金沢と言うところが東京と違い、何か優しい雰囲気を醸し出しているような気がします。
Posted by ブクログ
「普通の幸せ」って、結構難しいものなのだな。と読んでいて思った。家具職人を目指す相馬と、周りの女性たち。相馬の優しさや料理で癒される女性たちを見ると、ちょっとほっとする。傷つくばかりじゃないのだと分かるから。
でもあまり感情を表に出さない相馬も、心配になる。傷つきながらも、周りの人を心配できる優しい人たちに囲まれているから、支え合えるといいな。と思った。
Posted by ブクログ
タイトルの「君」とは結局誰のことだと思いつつ読んで、最後に理解。
やはり彼女だったか。
そうだろうとは思ったのですが、個人的に彼女のことが最後まで理解しづらくて読むのに少々苦労しました。
かといって主人公を慕うあの子と安易に引っ付いてほしかったという訳でもないのですが。
自分で壊れていると言う割に甘えが見えて(要は壊れ切れていない。本当に壊れていたら、自分からそんな発言はしないと思う)そんな彼女に親身にできる主人公が凄いと純粋に尊敬しました。
自分だと真っ先に切って捨ててる……
彼女と同じく研究職を仕事としているから余計に受け入れつらかったというか。
主人公が家具職人として足りないものを得るために料理を通じて人と向き合い、自分と向き合う訳ですが、その先に出た答えも彼女が直接関わっている感じではなかったので。
どちらかというと家族との絆の方が強かったような。
見えたからこそ、彼女とのことをどうするか答えが見えたというか。
難しい……恋というか、今回の話は愛の方かもしれませんが、難しいものです。