あらすじ
時は江戸時代。額にできた瘤のために旦那様に捨てられた陰間・紫苑を引き取ったのは薬師・能之だった。体で能之に取り入り、生きる意味と術を新たに得ようとする紫苑。そんな紫苑が見せる無邪気で素直な様に、薬師の知識に興味を持つ様に、たくましさと健気さを垣間見て感心する能之。そして感心は「愛おしさ」へと…。だが、紫苑の心になおも棲んでいるのは、かつて紫苑を絶望から救った旦那様ただ一人。やがて瘤は肥大し、鬼の角のように…。衝撃の江戸恋絵巻!作者渾身のデビュー作。描き下ろしつき!( ※この作品は電子雑誌「kyapi! vol.8~13」及び単話版1~6の内容が含まれております。重複購入にご注意ください。)
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圧巻
すごい。たった一巻なのに、すごい深みのある描写とたしかな知識で、良作だと納得せざるを得ない作品。是非に買うべき。この作者さんは闘病生活だと聞きました。たくさん読んで応援したいです。
興味深い江戸文化史
絵が抜群に上手い!これがデビュー作とは!あとがきにあるように、文化史考証に基づいて描き込まれた人物はもちろん、小物や背景に至るまで丁寧で見応えがある。もちろんよく練られたストーリーで、少しミステリーテイストになっているのも面白かった。
朴訥とした薬師と元陰間の美しく強かな紫音。未練や思慕の苦しみで伸びる角を持つ紫音が切ない。ついでに角はエロかった。このまま鬼へと変化するのかと思わせるストーリーの運びが良い。終わりの少々不穏な雰囲気が印象に残った。
文句なしの星5だが、タイトルをもう少し捻って欲しかったかも。