あらすじ
「人生100年時代」に起こる
さまざまな課題にビジネスで挑戦!
超高齢社会突入に由来する問題が山積みの日本。
医療、介護、年金、コミュニティ、買い物難民、特殊詐欺、
ゴミ屋敷、自動車事故、就労、貧困……多岐にわたる問題には、
「ビジネス視点」による持続可能な対策が必要です。
本書は、電通で長年シニア向けビジネス開発に携わる著者が、
高齢社会の諸問題にビジネスとして取り組むユニークな先行事例を取材。
その事業のどこが新しく、なぜうまくいっているのか、
他の業界・職種に応用するヒントなども分析して紹介します。
●新規事業の種を探すビジネスマン
●課題解決に挑戦したい学生・社会人
●「健康・長寿」「まちづくり」「産業」分野での
SDGs(持続可能な開発目標)導入を考えている人
などにおすすめの1冊です。
【本書に登場する課題解決ビジネスの例】
・デイサービスで活躍「コミュニケーション・ロボット」
・生活の質を上げる「排泄予知デバイス」
・高齢者を加害運転から救う「自動車運転評価AI」
・介護の質を向上させる「パワード・スーツ」
・QRコードで通知「徘徊発見システム」
・日常の困りごとを解決「御用聞きサービス」
・高齢者と若者をつなぐ「世代間ホームシェア」
・生きがい&収入で生き生き暮らす「仕事付き高齢者向け住宅」……など
※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
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Posted by ブクログ
<メモ>
・課題の原因は地域ごとに異なり、解決リソースも地域事情に応じて調達するのが望ましいという考え方も理解できる=例えば厚労省の進める地域包括ケアの基本的な考え方は、地域の問題は地域リソースで解決する
・個別性が高く、スピード感を持って解決にあたるには苦しい。今後高齢社会にかかわる課題は、全国で起こる、もはや局所的な対応では間に合わない
・高齢者数の絶対的な増加は、潜在購買者数の増加にもつながる。潜在購買者増加すれば、量産化に伴う商品価格の低下や市場規模の拡大も期待できる。アジアや欧米諸国での市場開発も見込める
・単身高齢者や高齢夫婦の宅配弁当ニーズは、収入の多寡を問わず共通的に生まれる。他方、要介護者向け旅行はニッチだが、解決を今狙うことはありうる。なぜなら今後数が増えるから
・今までの高齢者向け商品は、本人よりもその子供たちや介護者が選んで提供するような形だったが、これからの高齢者は消費の喜びもわかる、自己選択の判断をもってくる
・価格面で問題がある場合、まず業務用を狙うという選択肢もある
・補助金は一時的バックアップではあるが、支援はある種の「お墨付き」でもある。この広報活動を生かす。少子高齢化の中で地方自治体の財政は厳しくなるから。
・地域での課題解決思考は洗剤対象顧客もエリア内に限定される、事業規模にも限界が生じる。宅配も一家庭で見れば得られる収益は微々たるものだが、それを市町村で展開したり製造拠点を設けさらに広域自治体に拡げることでスケールメリットが生まれる。販売代理店やフランチャイズ制は検討余地あり
・最も早く衰え始めるのは視覚。明るさや暗さへの反応が遅くなる、暗い場所での判読力が落ちる、まぶしさへの感じ方が強くなる、視野が狭くなる、特定の色彩が見づらい等。同じ文字の判読には30代の3倍の明るさが必要。だが、水晶体の内部が混濁することで、光源がむき出しの証明だと眩しくなる。また、上下方向の視野の狭くなり方が顕著。瞼の低下、前傾姿勢等が原因。色は黄色や青色が見えづらい
・聴覚は、感音性難聴(内耳から大脳中枢に至る経路での障害⇔伝音性難聴:外耳から前庭窓までの機能障害)に棋院。聞こえの最小可聴値が上昇することに加え、音の聞こえ方に歪みが出る。高音域で顕著。男性のほうが聞きづらい。
・味覚も塩味と甘味に対するものが落ちる、次いで苦みと酸味。口の渇き、むせ、せき込み、食後に声がしゃがれる等
・感覚細胞の老化により、熱さ、寒さ、痛みなども低下。体温調節機能の低下
・8割以上の高齢者は介護未満かつ健康未満で。軽老商品。百貨店の介護コーナーで販売されるが、ユーザはそこには来ない。コンタクトポイントをどう開発するかが課題
・ミライスピーカーは、業務需要から狙った。鉄道、空港などの交通系施設、金融機関や証券会社、病院窓口等。一般消費者はその後、で、サブスク型で提供中
・ターゲットを高齢者だけではなく、子供などもある。DFree。排泄を知りたい人
・SDAPは教習所がデイサービスを後から追加。この教習所があるから男性が多く集まる。もともとはリハビリの一環として運転の評価の話が合った。教習所は若年層の需要が減る中、高齢者向けリハビリ施設とも位置付けた
・介護サービス内容が、報酬加算の高い項目にシフトするクリームスキミングが起こりやすい。介護予防にかじを切った結果、リハビリ型デイサービスばかりが増えた。近年は介護度改善強化と予防。そのために提供サービスをチェックする「地域ケア会議」であり、介護度が改善した自治体へ報酬インセンティブを加える動き
・20年には要介護者が800万人、40年には988万人とされるなか、従来の施設介護では対応不可。在宅介護が重要になる
・介護施設向けのコミュニケーションロボットは富士ソフトが開発したが、会話のスピードやタイミング、間の取り方などに工夫あり。聞き取りにくかったらどうするかなど、認知症向けの細かな調整がポイント。傷付けづに再度聞く質問にする
・レクリエーションの司会進行、体操教室のインストラクター、話し相手機能など
・まごころサポートで培った信頼をベースに、ハウスクリーニングやエアコンクリーニング、健康教室サポートなどを追加していく
・現在の中心メンバーのニーズと、若い人60代は違う。老人クラブという名称からして、自身が参加すべきサークルとしてとらえられていない。さらに、定年で完全にリタイアできるのは、金銭的にゆとりのある一部層。そういった人は老人クラブには来ない
<所感>
・基礎知識を入れつつ、ビジネスに寄り切って書かれている。また、紹介で取り上げている企業も興味深い。