【感想・ネタバレ】民俗学のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年05月20日

 民俗学の発祥と歴史、今さら聞けない「ハレ」と「ケ」の違い、柳田國男や折口信夫の思想と功績をはじめ、民俗学の基本的知識から現代での動きと展望が紹介されている。
 もともと放送大学のテキストとして編まれたものというのもあってか、章ごとに何を具体的に学べるかがはっきりしている。また全15章構成と章の数は...続きを読む多く感じるが、1章につき45分程で読めると思う。とても読みやすい。
 折に触れて読み返したいと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月14日


そして山間部のどこかに現世とは異質の空間である幽界=隠り世があると想像していた。
1 民俗学の成立と発達 より

 ちょうど大正七年ごろに、各地の村の民間伝承のあり方に一つの傾向が出ていた。つまり旧い事はそのままいい伝えるという村人の姿勢が次第に失われつつあったことである。

祭りにともなう神輿も...続きを読むやはり「前から」なくなっている。
2 日本民俗学の先達たち より

土の生産を離れた都市民が、かならずしも農民と同様の世界観をもつとはいえないのである。
4 ハレとケそしてケガレ より

たしかに柳田のように、カミ→妖怪とみてしまうと、妖怪は当初存在していなかったことになる。一方、超自然的存在に邪悪なものを認め、カミとともに人間に畏怖心を与えていると考えることは、西欧的な神と悪魔の対立に通じている。
13 妖怪と幽霊 より


民俗学というシンプルなタイトル。入門書的な広く浅くな章立て、けれども楽しく読むことができました。ゴジラが出てきましたが、てっきりあれは災害や原発のメタだと思っていました。識者によって様々な解釈があるのでしょうか。
今聞いたら笑ってしまうような生活様式や思想、暮らしとその時々の楽しみなど、興味深く異論反論も交えて語られています。科学や技術が発展し、山や谷が削られ、海を埋め立てられた現代の暮らしの中でも、ああ昔と比べて変わってないな、と不思議と感じることもあります。土着というか、染み付いてとれない習性のようなもの。自分が民俗学という学問に惹かれる所以。

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