【感想・ネタバレ】山のクジラを獲りたくて―単独忍び猟記のレビュー

あらすじ

「山のクジラ」を獲りたくて始めた銃猟初年~2年目の様子を描いた単独忍び猟記、全27話を収録
狩猟ブログ「やまくじ」の単独忍び猟のエッセイ&基礎知識集が一冊に!

「山のクジラ」を獲りたくて始めた銃猟初年~2年目の様子を描いた単独忍び猟記、全27話を収録。
猟銃を担いで、犬も連れずにたったひとりで山に入り、
動物の足跡や糞などの痕跡を読み取り、気取られないようにゆっくり忍び歩く。
目的の場所に到着して待っていると、枯れ葉を踏み歩く音が聞こえてきた、その正体は――。

本書には、著者の成功談と失敗談を織り交ぜた
緊迫の単独猟の世界に身を置くことができる内容が満載です。
さらに、これから単独忍び猟を始めるハンターに有用な基礎知識集も収録しています。

【主な内容】
■はじめに
■単独忍び猟記
初猟でスコープのなかのシカのことは忘れないと思う/山のクジラを獲りました/雪のなか、1発撃って、2頭獲る、など全27話
■単独忍び猟具
自分に合った装備がある/鉄砲/スコープ/散弾実包/ナイフ・刃物類/猟装/ほか
■わたしの単独猟の始め方
猟場の下見(狩猟は地域性があることを知っておく/猟場の下見を必ずやること/単独忍び猟がしやすい場所とは/ほか)
■単独忍び猟の基礎知識
習うより慣れよ、だけど……/意識して観察すること/歩くスピード/絶好のチャンスは必ず来るということ/足跡を学ぶこと/小さな成功の積み重ね/獲って食べるところまで含めて狩猟だと思っている/現代狩猟の社会的意義について考える/ほか
■あとがき

■著者紹介
武重 謙(たけしげ けん)
1982年、千葉県出身。ライター。システムエンジニアを8年務めた後、退職。
海外を2年放浪後に神奈川県箱根町に宿泊施設を開業し、その傍らで狩猟をはじめる。
2019年に北海道稚内市へ移住し、宿「稚内ゲストハウス モシリパ」をリニューアル開業。
単独で大物を狙う忍び猟を好む。池内祥三文学奨励賞(2012年)を受賞。ブログ「山のクジラを獲りたくて」。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

スゴイ体験を書いているのだけれど、とても誠実で謙虚な文章だった。俺はスゴイんだ、という自意識のようなものがない。きっと山や動物と真摯に向き合い続ける中で、個性ある誰々としてではなく、ただ人間の1人、もしくはひとつの生物としての自覚のようなものが自然に芽生えたんじゃないかと思った。
印象に残ったのは鹿の死体が自然に解体されていくことを「山による消化」と表現していた点。その鹿が他の生物や土壌の栄養となって山に還り、再び山を成り立たせる一部になっていくという、そのイメージがとても印象深かった。

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2020年12月22日

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