あらすじ
芸能と裏社会…やっぱりテレビじゃ言えない。
芸能界の光と闇を誰より知るレジェンド・ビートたけしが、「闇営業とヤクザ」「テレビ業界の真実」についてタブーなき持論を展開する。
テレビでたけしが吠えたあの一言、
「オイラたち芸人は、猿まわしの猿なんだ」の真意とは?
今回も公共の電波には乗せられない放送コード完全無視の内容。
ベストセラー『テレビじゃ言えない』を上回る危険度だ!
第1章 芸人と闇
第2章 テレビの闇、ネットの闇
第3章 ニッポンの闇、政治の闇
第4章 話題の芸能&スポーツ一刀両断
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
880円
154p
著者:ビートたけし 本名・北野武。1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA‐BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。
「いつから芸能人は、世間からモラルを求められる存在になってしまったんだろうか。そもそも、芸人にしたって、俳優や歌手にしたって、そんな立派な人間の集まりじゃない。どちらかと言えばその逆だ。本来はカタギの社会で生きていけないヤクザ者、半端者の集まりが「芸能界」のはずだった。 もう半世紀前の話になる。大学に入ったはいいものの、オイラにとっちゃそこは決して居心地のいい場所じゃなかった。大学で勉強なんてろくにしちゃいないし、そもそもゼンゼン行っていない。まずは「設計図を書いてスパナを作りましょう」なんて言うんだけど、そんなもんやってられるかって思ってた。覚えたのはイカサマ麻雀のやり方ぐらいでさ。 で、そのうち大学の手前の新宿で、途中下車してフラフラし始める。ジャズ喫茶のボーイ、タクシー運転手やらいろんな仕事をやった後、何かに吸い寄せられるように浅草へやってきた。エレベーターボーイの募集を見たのがきっかけでフランス座に潜り込んで、いつからか踊り子や浅草芸人たちと毎日を過ごすことになった。たまたま深見千三郎って達者な師匠に出会ったおかげで、オイラは芸の道の入り口に立つことができたんだよな。 だけどそれまでは、学校にも社会にもなじめなくて、どこかやけっぱちなところがあった。そんなオイラには、浅草の芸人たちの作る独特の雰囲気がなぜか心地よかったんだ。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「その頃の浅草芸人にはみんな世捨て人のような感じというか、どこか人生を諦めている匂いがあった。本当はみんなテレビに出て、一発当ててやりたいんだよ。だけど、出られなくてもどこか「まァいいや」という感じがしてさ。で、みんな芸にはプライドを持っているけど、実生活は褒められたもんじゃない。フランス座の楽屋には、空になったヒロポンのアンプルが至るところに転がっていた。みんなベテランの芸人たちが使ったものだ。 そういう人たちの末路は悲惨だった。よくネタにしているけど、段ボールをかぶって隠れて、指で開けた穴から外を見回して、「俺は刑事に監視されている!」ってガクガク震えてる人もいた。典型的な覚せい剤の幻覚症状だけど、その人は本気も本気なんだよな。 そんなヤバい姿を見ているから、オイラは勧められても絶対クスリには手を出さなかった。だけど、当時はそういう雰囲気こそが「芸人」のど真ん中だったんだ。 テレビなんか出ずに、演芸場やストリップ劇場でたまに舞台に出て、仕事がない日は安い煮込み屋でクダ巻いてさ。酒やクスリでボロボロになって死んでも、それが芸人ってもんだから本望だって人たちばかりだったし、中にはそんなヤツを哀れに思ってかわいがってくれる常連客もいた。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「なのに、若いヤツラは、芸人の型破りなエピソードに憧れて、悪いところだけ真似しちゃう。そういや、オイラも若い頃は飲みまくっていたけど、それより本を読んだりネタを考えている時間のほうが長かったかもしれないぜ。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「そもそも「手の届くアイドル」って概念からして矛盾しているよ。アイドルは「偶像」で、「手の届かない存在」だから価値があるのに、ファンのところまで降りてきちゃマズいだろってね。そもそも芸人以上に「容姿」や「声」という先天的な素質が大きいアイドルって職業は、「自分からなろうと思わなくても世間がほっとかない」という、ごく一部の恵まれた存在にだけ許されたもんなんでさ。 男のアイドルグループのスキャンダルもあった。 2018年末の紅白歌合戦に出場した「純烈」のメンバーのひとりが、売れない頃につきあっていた女を殴ったりカネを巻き上げたりしていたってトラブルが報じられてさ。で、結局そのまま芸能界引退にまで追い込まれてしまった。この「純烈」ってのは、営業で健康センターやスーパー銭湯を回ってオバチャンたちに大人気になったんで、「スーパー銭湯の星」なんて呼ばれていたわけだけどさ。 言い方は悪いけど、オバチャンたちと笑顔で握手してカネをもらっているわけで、アイドルやスターというより実態は「ホスト」に近い。素人が「お前は芸能人だ」と祭り上げられて、そういうヤツラがさらにファンをカモにする。 これが猫も杓子もアイドルになれる時代ってものの正体だよ。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「 そもそもお笑いなんてのは、デタラメの大ウソで笑わせてカネを取る商売で、その点じゃ詐欺師と大して変わらない。そこにあんまり目くじら立てたって仕方がないんだよ。 よく「芸人は親の死に目に遭えない」って言うよな。客が待っているから、たとえ親が死んでもステージに立たなきゃいけないって意味に取られるけど、間違っている。芸人は親が死んでも平気で漫才ができて、笑っていられるような資質を持つヤツなんだ。「親が死んでも自分は大丈夫」というのが芸人だよ。 同じ芸事では、役者もそうだ。ウソで泣いて、ウソで笑っている。自分の感情なんてまるで捨てて、いつも舞台に入り込めてしまう。そういう意味で「人でなし」だ。 お笑いに唯一求められているのは、「客を笑わせること」だ。そのためには何をするべきか、すべきではないかを考えることだ。それが「芸人の作法」につながってくる。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「そう考えると、 N国みたいなわかりやすい主張に票が集まるのはわかるよ。 だけど「ワンイシュー」ってのはちょっと怖いところもあるぜ。その〝マニフェスト〟には共感できたとしても、他は「何でもおまかせ」ってことになっちまう。「改憲」やら「年金」やら、もっと大事なテーマで N国がどっちに出るのかよくわからない。「打倒 NHK」って自分たちの目的のために、他の件じゃすべて長いモノにまかれてしまうんじゃないかってさ。民主主義ってのは、つまるところは多数決社会なんで、そういうことをよく考えて投票しないとヤバいんじゃないか。 オイラは民主主義なんて「 1%の賢いヤツが 99%のバカのために犠牲になる社会」だと思ってる。みんなで投票して決めた結果が、必ずしも素晴らしいとは限らないんだよ。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「兄貴は本の虫で、毎日毎日遅くまで小さな灯りで小難しい本を読んでたもんだよ。だけど、オイラの家は親も兄弟も狭い部屋で一緒に寝てたんで、オヤジが「電気がもったいねェから消せ」ってうるさくてさ。しょうがないから、こっそり外に出て、街灯の下で夜中まで本を読んでたというね。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
「どうせイイ大学に入りたいヤツラはみんな塾に行って私立の学校を目指してる。そっちは自分たちのカネでもう勝手にやればいい。そういう「学歴エリート」の流れに乗らないヤツは、職人になって一刻も早く手に職をつけたほうがいい。そのほうが社会の厳しさもわかるし、よっぽど立派になれるよ。それでも義務教育は必要だって言うんなら、公立校は全部「職業訓練校」にしちまったほうがいいと思うね。 最近は猫も杓子も大学に行くようになったけど、それで大学が厳しい現実から目を背けて、ちょっとボーッとしてようっていう休憩所みたいな存在になっちまってるからね。それよりも、大工だったり、寿司職人だったり 10代からしっかり修業して働いてるヤツのほうがはるかに偉いと思うよ。 パナソニックとかソニーみたいな大企業が職業訓練校を作るのもいいな。そこで優秀な成績を修めれば自動的にその企業に入れるし、生徒がもっとレベルの高い教育を望めば企業のカネで受けさせてやるというね。企業もいい人材を確保できるから、いいんじゃないか。若い時から優秀な人材を見つけて教えれば、「リチウムイオン電池」の発明でノーベル化学賞をもらった旭化成の吉野彰さんみたいな超一流の研究者を社内で育てられるかもしれないしさ。」
—『芸人と影(小学館新書)』ビートたけし著
Posted by ブクログ
面白かった。『俺たちひょうきん族』がこの世で一番面白い番組だと信じて疑わなかった幼少期。ここ近年TVでたけしを観ると「まるくなったなぁ..」と感じることもあったのだが、やっぱり切れ味と適格な言葉は健在。メイントピックは芸人の闇営業について。その他薬物・脱税など、2019年の事件についての見解を述べる。別収録として、内田裕也さん・樹木希林さん・市原悦子さんのエピソード、天皇陛下への祝辞全文の紹介。祝辞内容は初めて知ったのだが、ボケと敬意を織り交ぜた見事な祝辞だ。
Posted by ブクログ
ビートたけしによる世評。
『週刊ポスト』のコラム「21世紀毒談」をまとめたもので2019年出版。
たけしの毒舌の中にも核心を突いた発言はいつも通りで楽しく読めた。
Posted by ブクログ
2019年の時事ネタを中心に、たけしが考えていることをジャンル問わず語っている。
どんな内容もしっかり語れる知識量と経験値の高さは、『さすが』以外の言葉がない。
たけし独特の語り口調で書かれていて、読みやすかった。
Posted by ブクログ
芸能界が昔は社会で生きていけないヤクザ者や半端者の集まりだったのが、今ではモラルを求められ立派な人の集まりのようになってしまったことを危惧している著者。
「闇営業」や反社とのつきあい、「テレビ」や客である「ニッポン人」全般が抱える「現代の影」を暴露しつつも、語り口が「お笑い男」風なので愉しく読み進められる。
最近のテレビを見ていると、昔のような面白さがなく、芸能人の自殺なども増えてきて「闇」が深いのだろうと思っていた。「社会に寛容さがなくなってギスギスしている」のはまったくもってその通りだと思う。
できれば政治や宗教との関係にも踏み込んでほしかったけれど、知らないことも多かったので読んでよかった。
Posted by ブクログ
やっぱりたけしさんの物言いはスカっとする。
毒舌大歓迎!えろい発言がもう少し少な目だと自分的にはもう少し読みやすいかな。まぁ、そこは諦めて、それを差し引いても、やっぱり読後感はスカっとする、の一言に尽きる。
Posted by ブクログ
2019年の年末に帰国した時に、新刊で平積みだった新書。
1年ちょっと積読していて読んでみた。
って、新書はすぐ読まないとだめですね。週刊ポスト連載のネタも含めて、2019年の時事ネタを中心に書いているので、今更って話が多い。芸能ネタなんて。そういえば、そんな話あったなと思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
まず第一印象はビートたけしって色々なことを知っていて、興味を持っていて、チャレンジしているんだなということ。
笑いのことはもちろん、ニュースのことやスポーツのことまで本を書けるなんてその知識量に驚いた。映画監督をしたり、小説も書いている。たくさんのことを経験して、やりたいと思う好奇心、その経験を話すことは人を惹きつけることにもなるのではないか。
そして、厳しい意見も堂々と書ける無鉄砲な感じが好き。この破天荒さというか普通じゃないところがとても面白い。
Posted by ブクログ
ビートたけしさんが芸能人について語った1冊。
彼がフライデーを襲撃した後の会見をネットで見たけど、今それをしたら二度と復帰できないと思う。
コンプライアンスみたいなものが、それほど無かった時代の考え方で、自由だけど、どこか責任も大きい。
そんな時代に見えた。
Posted by ブクログ
2019年、話題となったお笑い芸人の闇営業、反社会的勢力、税金を語る。
まあ確かに、昔はそうだったよな。お笑い芸人ってそんなもんだよなと思う。ただ、今のたけしって、もう一つ体制的で政治に関する毒が足りないんだよな。
それと、後半に掲載された昔のKKベストセラーズ的な部分に興ざめ。
Posted by ブクログ
笑っちゃうような特別席、さすがたけしさんの発想(笑
御年72歳の毒舌、しかし立場はしっかりわきまえている(⁈
闇営業のホント、税金問題と2019の社会現象をぶった斬る
痛快!
Posted by ブクログ
ビートたけしが週刊ポストで連載しているコラムの総集編。芸人の闇営業問題をはじめとした2019年の様々な時事ネタをたけし流の毒舌とユーモアで斬りまくる。芸能人とヤクザとクスリが同居する時代を生きてきた、たけしならではの価値観やエピソードが興味深い。そもそも芸人なんて社会不適合者の集まりだったはず、そんな芸人にモラルなんて求めるなよ!と嘆くたけし。一方で、芸人がメディアを席巻するようになり社会的地位は大きく向上した。その立役者の一人がたけし本人であることも事実。本人はこのジレンマをどう捉えているのか気になる。