【感想・ネタバレ】紙の子のレビュー

あらすじ

※本作はちりめん忖度の個人誌作品の電子書籍版となります。【35ページ】

「俺には"子供"がいる」

自分が拾った年下の漫画家・遠野宵一(とおのよいち)に密かな想いを抱く、編集者・東海林暁(しょうじあきら)。
デビュー前、貯蓄が底を尽きた遠野と一緒に暮らし始めてから三年が経っていた。
しかし、デビュー作が軌道に乗るのと並行して、遠野の結婚話も進行し……。

年下漫画家×年上編集者の、切なくも尊い恋物語。

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その妄想の数々が切ない

合コンでお持ち帰り寸前の女性に「子供いるんだよね、3歳の」とかぶちまけてドン引きさせたりして、いきなり不穏な始まりで、なんかあるぞこの男は。

まだ芽の出ない漫画家の遠野を見出した編集者の東海林。彼の持ち込んだ漫画に惹かれたのか、その容姿に惹かれたのかは、謎。
まだ真っさらだった遠野を、励まし、導き、生活を世話して、東海林の心の奥底にあるのは、支配欲なのか、執着なのか?病んでる気配にハラハラ。東海林の妄想と現実の境が危うい。

対する遠野という人物の心はなかなか見えてこない。漫画家としては期待に応えているけど、東海林のことをどう思っているのか?
遠野には恋人がいて、結婚もするようだ。
二人三脚で漫画を創り上げてきた二人の均衡は崩れるのか否か?

恋心を打ち明けることのできない東海林の妄想が、情感溢れるタッチで描かれていて、ハッとするシーンもありなかなか切ないストーリーだけど、現実の出来事は淡々としていて、物語的にはちょっと物足りないかな。

#切ない

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2021年08月21日

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