【感想・ネタバレ】図書室のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2部構成の話になっている
1部目は「図書室」というタイトル
大阪の別々の学校出身の小学生2人が、世界から人がいなくなって自分達2人しか生きていないことにして、スーパーで缶詰を買い淀川の河川敷にある小屋でお話しする話
特にこれといった内容は無いけど、2部で著者が何もないことを、特別じゃないことを、書き出したいって言うことをお話しされていて、
何もないことだけど実はそれぞれの人生の背景に何かがあったり
文字の羅列の出来事からは想像もできないことが人の歴史にあったりするから
一部を一発目に読んでうーんと思ったけど、2部の「給水塔」を読むと1部をもっと違う読み方で読めると思った


2部「給水塔」めっちゃ面白い
っていうのも著者岸さんの学生時代から今に至るまでの話だから。
なんで著者の話が面白いかっていうと、
私も著者と同じく「大阪」に
「東京的なものが嫌いで、もっとアジア的なもの、もっと風変わりなもの、もっと混沌とした、危険な、自分勝手なもの」(p.117)を求めてるからだと思った

大阪をすっごい美化?してるけど
でも、1部の話って大阪の話やん?
面白くないってさっき自分言ったじゃん?
完全に見落としてた、今気づいた
ーーーー
それと、岸さんがPodcastに出てたときの番組で、司会の女性が「世界っていうけど、それってその場所のローカルなんだよね、ローカルはグローバルだし、グローバルはローカル」っていうの聞いて、ちょっと感動した
他者(人にかかわらず)に変な期待抱くのやめるようになったかもしれない
ーーーー

作中で紹介していた「小松左京」の「少女を憎む」気になった、sf 作家みたい 日本沈没も書いてるんや



他にも色々と解決策が思いつきました。
あとやっぱりエッセイ好きだな

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「何かを激愛する、ということを久しくしていない。何かを激愛したい。それで振りまわされたり、困らせたり、たまに泣かされたりしたい」

50歳、独り暮らしの独身女性の美穂。
定職もあり貯金もあり、何不自由なく日々を平穏に暮らしている。
けれど、ふと思い出すのは11歳の頃の出来事。
近所の公民館の小さな図書室で、毎週土曜日の午後になると一人で本を読んでいたっけ。
そこで出逢った同い年の少年と共に過ごした淡い記憶は、今となっては追憶に空想が混じった曖昧なものもあるかもしれない。
けれど大人になった今もはっきり思い出すのは、二人が共に体感した"地球の終わり"。
家族も友達も猫も全てを置き去りにして、二人きり、世界の果てで真剣に語り、不安になり泣いたあの夜の出来事は、心の奥で今なお生きている。
あの一瞬の激情があるから今がある。

今振り返ると、ほんまあほみたいやけど、あの時二人で相談して決めた娘の名前は、40年経った今でも忘れない。
美穂の終始淡々とした語り口が、余計に切なく心に刺さった。

後半は自伝エッセイ『給水塔』。
大阪の街っておもろいな。

「どんなひとにも人生があり、どんなひとにも内面がある」
「どの街にも、その街の人生がある」

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2020年02月09日

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