あらすじ
論理学は現実と無関係な学問ではない。数学、物理学、生物学、電子工学、言語学などの学問領域と密接な関係をもち、現代諸科学の方法論を基礎づけるものとして重要視されている。アリストテレス以来の形式論理学の発展のみちすじをたどりながら、記号論理学など現代論理学の体系を、現実の問題と関連させてわかりやすく説明する。
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Posted by ブクログ
記号論理学の入門書です。
本書の中心をなす第2章では、命題論理と述語論理の基礎を紹介していますが、第1章と第3章は、著者の専門である哲学に関わる話題があつかわれています。「分析哲学」と呼ばれる哲学の潮流のなかで、フレーゲやラッセルといった論理学の刷新にたずさわった哲学者たちが向きあっていた問題と、その哲学的意義が解説されています。
現代の論理学では、われわれの知識を統一的な原理のもとに組織するという意義をもっていることを、著者は説明します。そして、形而上学的な独断にもどづいて論理学を否定するような考えかたへの批判をおこなっています。