記号論理学の入門書です。
本書の中心をなす第2章では、命題論理と述語論理の基礎を紹介していますが、第1章と第3章は、著者の専門である哲学に関わる話題があつかわれています。「分析哲学」と呼ばれる哲学の潮流のなかで、フレーゲやラッセルといった論理学の刷新にたずさわった哲学者たちが向きあっていた問題と、その哲学的意義が解説されています。
現代の論理学では、われわれの知識を統一的な原理のもとに組織するという意義をもっていることを、著者は説明します。そして、形而上学的な独断にもどづいて論理学を否定するような考えかたへの批判をおこなっています。