あらすじ
◆平成の時代に良いとされていたMBAに象徴される欧米型の「合理性」や「経営フレームワーク」を追求する企業はすでに古い。海外の企業では、テクノロジーの進化や環境の変化でますます進む「VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧)」に対応するため、7つの能力を持っている人材の採用や、これらの能力を伸ばすための施策を行いはじめた。日本でも、先進的な企業は変化を始めつつある。
◆「VUCAの時代」とされる現在、キャリア形成の方法、組織のあり方も変わる必要があるといわれている。本書では、コーン・フェリーの世界規模の調査研究を通じ、分析されたデータにより、これからの世界で求められ、成長し続ける人材が持っている能力を7つに落とし込み、解説する。
【7つの能力】
・能力1:ラーニング・アジリティー
経験から素早く学び、初めての環境下でその学びを応用して成功する力
・能力2:経験の幅広さ
不確実な環境においてリーダーとして成功するために、積んでおくべき経験の幅広さ(経験した業界、職種、国、事業、経営テーマなどの幅)
・能力3:客観的認識力
自分が置かれている状況、また自分自身を客観的に認識する力
・能力4:抽象化の思考力
複数の事象の中から、それらに共通する傾向やパターンを抽出する思考力。この思考力が高い人の方が、より独創性が高いアイデアを着想することができる。
・能力5:リーダーになる意欲
人の上に立って、組織を率先するリーダーになろうとする意欲と熱意。昇進意欲の高さ、中長期的なキャリア設計に対する熱意として表れる。
・能力6:リーダーとしての性格特性
曖昧で不確実な環境下で、リーダーとして成功するために備えているべき性格的な特性。例えば、曖昧な状況への耐性、小事にはこだわらず大局を見る傾向、難局における楽観性といったパーソナリティー
・能力7:自滅リスクを回避する力
リーダーとしてのキャリア形成を阻害するリスクを、自らを律することで回避する力。
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Posted by ブクログ
Volatility 不安定さ
Uncertainty 不確実さ
Complexity 複雑さ
Ambiguity 曖昧さ
この頭文字からVUCAの時代と言われている。これからの時代のビジネスマンのキャリアについて考察した本。
様々なケース、事例を紹介しつつ、環境が複雑性を増し、将来予想が困難な時代でも活躍する人材像を浮き彫りにしていく。
キャリア形成についても、就職した会社任せではなく、会社の制度理解を深め自ら積極的に自分の活躍の場を求めて働きかける必要もある。一社のみでのキャリア構築はリスクがある時代になった。とにかく修羅場を経験して、その経験からの学びを語れるストーリーを構築して、今までとは違うものさしで判断・意思決定していくことが大切なのだと。これから働く学生は本書で大いに刺激を受けてほしい。バブル入社世代へのアドバイスは少ない本書からも学ぶ点は大いにある。VUCA時代のビジネスへの弱みがわかるので、その弱みを強化していくこともその一つ。本書に登場する人物はとても優秀な人材が多い。目標とするべきモデルとして参考にしたい。でも、こんな活躍できる人ばかりではない。ここに登場するリーダーを支える人材も必要で、そんな人達にも自分はフォーカスしていきたいと思った。
Posted by ブクログ
VUCAの時代において、一社永遠就職だけを見ないこと。
転職、海外勤務、(結果的に)一社勤務の選択肢を視野に入れる
・好奇心を持って俊敏に学ぶ
・修羅場をたくさん経験する
・客観的に自分を把握する
・パターン認識をする
・内発的な動機でリーダーを務める
・リーダーに適した性格(楽観的、大きくみる)
・自滅パターンを認識して防ぐ
社内営業のような無駄な努力を辞め、自分のやりたいことを実現するキャリアへの努力をする。
3割くらいは挑戦に回す
感想としては、そうかもしれないけど、仕事にそこまでの熱意は………って感じ。
やりたいことを探しに、違う価値観にぶつかりにいく、ってことは実践したい。