あらすじ
4マリ前日譚!救命士と消防士と友情の物語
救命士になったばかりの花巻みことは、
同期の消防士・九重のことを気にかけていた。
勇敢な男ではあるが、
時には命を救うために無茶もする。
そんな折、みことは、
九重の「死」の運命を知ってしまう。
消防現場で命を落とす。それが九重の最期の姿だった。
消防士はヒーロー。命がけで人を救う。
でも、消防士の命の重さは?
命を救う者たちの生き様を問いかける
感涙必至の友情ドラマ!
感情タグBEST3
前日譚でかつアンコールでもあり
私は読者によるアンコールに作者が応えた作品と捉えた方が良いようにも感じました。
実際はTVドラマ化に併せて新作を描いたのかも知れませんが。
新人の救急救命士時代のみことさんの話で、同僚消防士・九重さんの、ヒーローたらんとする生き様は悪くはないんですが、既に死後硬直も始まっている遺体が絡むエピソードみらいに、意気込みが空回りしそうなエピソードも。真っ直ぐな情熱がしっかりしているだけに、自分の命も大事にしろと言い聞かせているのが良いです。
実際は火事で救助してもその後、事故死したり、助からなかったり。
九重さんの私生活部分も少し垣間見えて、そこが結末の異動に繋がっていました。
同僚の女性隊員、19歳で出産経験があるようには見えなかったりと、細かいエピソードがここでも上手く組み合わさっています。
死に関する無力感はこの作品にも通底しているのですが、本編以上に、読者の想像力にこの作品の結末を委ねていたようにも感じました。
基本は前日譚といいつつも、みことさんたちの家族その後も少し出てきていましたし、これも良作です。