あらすじ
20万部突破!『眠れないほどおもしろい百人一首』の著者が「万葉ロマン」の世界をわかりやすく、鮮やかに紹介!大伴家持、柿本人麻呂、額田王、山上憶良……ページをひらいた瞬間、「万葉の気分」にひたれる本!旅情、情愛、無常……「人の世のすべて」がここに!◇『万葉集』の巻頭を飾るのはナンパの歌!?◇中臣鎌足の“ドヤ顔”が思い浮かぶ歌◇骨肉相食む「壬申の乱」と万葉ロマン◇ミステリアス美女・額田王の大傑作 「いざ出陣、エイエイオー!」の歌◇「あをによし 奈良の都は……」望郷の歌に一同落涙!◇社会派歌人・山上憶良の貧窮問答歌◇「なんでオレが左遷」――「宮仕え」はつらいよ◇「大好きな人が踏んだ石なら、私には宝石!」◇「海や死にする 山や死にする」――無常を噛みしめる歌◇「東の 野にかぎろひの 立つ見えて」に込められた深すぎる意味
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Posted by ブクログ
王様文庫の「眠れないほど面白い」シリーズ。
『眠れないほど面白い百人一首』と同じ著者です。編纂者たる藤原定家に扮した前作同様、今回も大友家持になりきり、和歌や詠み人について、その背景にあるエピソードを交えて解説しています。
紹介されている和歌の数は控えめで、解説も概説にとどまりまる一方で、大友家持がざっくばらんに語りかけてくる方式であるため、文章は非常に平易で読みやすいです。
また、万葉集の和歌はある意味では小難しい技法が使われていないため、比較的文意をとりやすいと思います。むしろ、率直でダイナミックに詠まれているものが多く、今を生きる私たちが共感できるような想いも含まれているはず。
私が個人的に惹かれた歌は、額王女の以下の歌。
「風をだに恋ふるはともし風をだに
来むとし待たば何か嘆かむ」
あの人が来てくれたのかと思ったら風だった…というのにはもの悲しさがありますが、そうやって想うことができること自体幸せだことなんですよ、(なぜなら、どれだけ待っても想い人が来ないことが確定していることだってあるのだから)と詠んでいます。
また、本書は高校生にもおすすめです。
万葉集の成立年や特色、和歌の修辞など基本的な知識は掲載されています。
加えて、前述のとおり時代背景を踏まえた解説がなされているため、例えば白村江の戦いに際して額田王は出陣の歌を詠んだのか、などと日本史との関連性も踏まえながら、横断的な知識を得ることができます。
強いられながらの勉強は苦痛になることも多いと思いますが、コーヒー片手にTVに向かう、そんな気楽な気持ちで手に取ってみるのはいかがでしょうか。
Posted by ブクログ
テンポが良くて読みやすかった。
平和そうな万葉集の舞台の背景にある血なまぐさい争いなどについてもきちんと解説されているので歴史とリンクして分かりやすいです。
Posted by ブクログ
眠れないほど…ということはないけど面白かった。大伴家持視点で語るってどうなの!?とは思ったけど最後はあまり気にならなくなってた。歌人中心の解説というのも悪くないかも。
Posted by ブクログ
万葉集。
もちろん、それは知っていましたが、ここまでその万葉集に収録されている歌を読んだことはありませんでした。語り口(書き方)がカジュアルであるからか、どんどん読み進め、また、意味も良く理解できました。
いやぁ、勉強になりました。