あらすじ
米軍の核兵器をふくむ前進基地として、朝鮮戦争からベトナム戦争にいたる持続した戦争の現場に、日本および日本人から放置されつづけてきた沖縄。そこで人びとが進めてきた苦渋にみちたたたかい。沖縄をくり返し訪れることによって、著者は、本土とは何か、日本人とは何かを見つめ、われわれにとっての戦後民主主義を根本的に問いなおす。
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Posted by ブクログ
戦後の沖縄に繰り返し訪れた記録。ただの記録ではなく、著者の表現力によって文学作品のようになっている。内省と苦悩と焦り、怒り、さまざまな感情が封じ込められている。読むのは苦しいけれど、読んでよかった。
日本人の本質のようなものを追求しているのが興味深いと同時に恐ろしくもあった。今に至るまで何も変わっていない気がしたのだ。
沖縄の人々のなかにも複雑な感情が入り混じっていて、それを知りたいと思うけれど、そう思うこと自体が傲慢ではないかとも思う。
「本土」との隔たりが深刻なものであることはわかった。それは今も続いていて、本書で警告されているように危機が訪れていると思う。沖縄の歴史を知り、ひとりひとりが向き合わなければ再び同じ道をたどる恐れがある。そんなこと、絶対にあってはいけない。
Posted by ブクログ
ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎の評論での代表作の一つ。
沖縄ノートとひろしまノートは、それぞれノートという題をもらっているが、内容の方向性は違うかもしれない。
時代を代表する作品であることと、大江健三郎の個人としての記録であることに違いはない。
始まりは広島ノートと同じ様に個人が遭遇した事象から始めている。
Posted by ブクログ
「日本は沖縄に属する」という文章が衝撃的だった。
沖縄問題を民族レベルにまで掘り下げて、議論している本。
柳田邦男の民俗学を思い出すような内容であった。
Posted by ブクログ
自分にとっては内容が難しく、さらっと読み流した部分が殆どとなってしまった。
その上で書くとしたら。
この本が書かれたのは沖縄返還前であることを理解している。その上で、作者は今後の沖縄をどんな安全保障、制度のもとに置きたかったのかというところが理解できず、読み始めてしばらくは話の落とし所がわからなかった。
また、この内容はかなり左派性を帯びているように感じたが、当時の感覚としてはどうだったのかなども気になった。
徐々に政治的な議論と言うよりも、「沖縄を通して日本人のあり方を問う」内容であると理解し始め、読みづらさもなくなった。ただし、作者の感覚そのものを受容することもなかなか難しいように思ってしまうのは現代的な感覚のためか。