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Posted by ブクログ
非常に面白かったし、こんなに豊かなものを人は書けるのだなということに感動して、充実した読書時間になった。
ペンを持っていることは、ペンなしでそのことを感じることができないというように、「もの」なしで「こと」は成立し得ないということを前提として、精神病者の時間がどのように成り立っているのかを論じている。それは健常者とは別のもののよううに私たちは考えるのだが(もちろん実際そうとも言えるのだが)、精神病者/健常者として最初から区別できるような絶対的な特徴はない。誰にでも時間の変容が起こりうるし、身近にある問題である。その意味で、この本は誰に対しても開かれているものであるし、また時間や自分自身について考える良い機会を与えてくれている。
Posted by ブクログ
もの と こと の関係において、時間を考えることができる。
もの は、時間を考えなければ、そのまま同じ状態である。
こと が起きると、時間とともに変化していく。
自己についても、こと と 時間の関係で描写できるだろう。
ps.
野口 悠紀雄著 「続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法 」 の参考文献に本書が掲載されている。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
時間という現象と、私が私自身であるということとは、厳密に一致する。
自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉え、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生を跡づけ、さらに精神病理学的思索を通じて、ふつうは健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見てとる。
前夜祭的時間、あとの祭的時間、そして永遠の今に生きる祝祭的時間――「生の源泉としての大いなる死」がここに現前する。
[ 目次 ]
第一部 こととしての時間(1 ものへの問いからことへの問いへ 2 あいだとしての時間)
第二部 時間と精神病理(1 分裂病者の時間 2 鬱病者の時間 3 祝祭の精神病理)
第三部 時間と自己-結びにかえて
あとがき
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
難しくて半分もわかっていないが。
時と感情の関係とでもいうのか。
それを言語化した本。自分はあまりそういうの読んだことがなかったので新鮮。30年以上も前に書かれたもの。
あとがきに。
私たちが普段確かな現実だと思い込んでいるこの人生を一つの夢として夢見ているような、もうひとつ高次の現実が私たちのすぐ傍らに存在しているらしいということだけは、心理に対して謙虚であるためにも、ぜひとも知っておかなくてはならないように思う。
時間は、物理的にデジタルにはかれるものではない。
多分、同じ事象に対しても、時間の流れや感じ方が違うんだろうな。ふと、何事も怖くないような気持にもなる。