あらすじ
「現代の自由人」こと蛭子能収さん(71歳)は終活とどう向き合っているのか。自身の「総決算」として、これまで真面目に考えてこなかった「老い」「家族」「死」の問題について、今、正面から取り掛かる!
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Posted by ブクログ
蛭子さんの言っていることは共感できる。自分も「死にたくない」って思っているし、死に対する恐怖も強い。友人との距離の取り方もなんだか似ている。死ぬまで働きたい、ということも同意である。でも、違うのは、蛭子さんには信念のようなものがきちんとあるということ、そして夫婦で過ごす時間を幸せと明言できていること。核にあるもの、芯となるものがあるかないかの違いはとても大きい。自分にそれはない。(まだない、と言いたい)
ある程度の意志はもちつつ、基本的には流されるまま生きてきて、人と比較することもよくするし、自分にとってこれが良い、と言えるものがない。そこが一番不幸なところなのかもしれない。小さい幸せを感じられること、それを積み上げていけること、そしてこれがあれば自分は幸せなのだと体で理解できていること。それがあると毎日を楽しく、過剰に死を恐れずに生きていけるのかなと思う。
ちなみに良い本ではあったけど、これを新書で出してしまうっていうのは、うーん、新書って何なんだろうな。岩波新書、中公新書、講談社現代新書しかなくて、学術的な内容がわかりやすく語られていたものを新書と思っている自分にとっては、これも新書かあ、と。エッセイとして文庫本で出せばいいような気がしたけれど、まあ、体裁はどうでもいいか…。