あらすじ
北海道ローカル番組から全国区へと瞬く間に拡大した、超人気番組「水曜どうでしょう」。
「言葉で説明できないけど面白い」「なぜかついつい観てしまう」
「観はじめると止まらない」「ほとんど同じ画面なのに飽きない」
面白いのにわからない、わからないのに面白い。超人気番組「水曜どうでしょう」の「物語」の不思議な魅力と構造のひみつを、番組ディレクターの藤村忠寿氏と嬉野雅道氏への取材インタビュー(カウンセリング!?)をもとに臨床心理学研究者が解き明かす本邦初の「どうでしょう」研究書です。
本書では主に「水曜どうでしょう」がどうして面白いのか、なぜその面白さは説明しづらいのかの2つの問いを立て、そのいい加減で行き当たりばったり(に見える)進行、いわゆる「ぐだぐだ」感の魅力を解き明かします。読んだ後番組を観るのがより楽しくなる本です!
内田樹 (武道家・凱風館館長)
「水曜どうでしょう」は見始めると止まらず、何度繰り返し見ても飽きることがない謎のTV番組である。
どうして面白いのか、誰かに説明して欲しいと久しく思っていたら、佐々木さんが説明してくれた。
「そうか、そうか」と頷いているうちに読み終え、たちまちDVDをごそごそ取り出して、見始めてしまった。
藤村忠寿 (「水曜どうでしょう」ディレクター)
臨床心理学の先生に、自分が作っている番組の構造を教えられるとは!
「いやぁーなるほど!」と納得の内容ですな。
嬉野雅道 (「水曜どうでしょう」ディレクター)
この分厚い本を根性で読み通すと、最後になんだかじーんとしてしまったのはなぜだろう。
「水曜どうでしょう」、変な番組ですね。
◇『水曜どうでしょう』とは…?
1996年スタート、北海道テレビ放送(HTB)製作。
出演の鈴井貴之・大泉洋とディレクターの藤村忠寿・嬉野雅道の4人が、旅をベースにしたさまざまな企画に挑む人気バラエティ番組。番組を再構成・再編集したDVDはすべてオリコン1位を獲得。
レギュラー放送は終了しているが数年に一度、「新作」と呼ばれるシリーズが放送されると、北海道ローカルから日本全国や海外での放送へと広がる。2011年よりオンデマンド配信を開始。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
とりあえず、手元に届いた時点で、帯に内田樹先生のお名前があることに「わー!」っと一気に嬉しくなりました。好きなものとすきなものとが実は繋がっている、と知ったときの、この嬉しさって何なんでしょう。
内容は、現役の臨床心理士であり教授の、ご自分と「どうでしょう」の出会いから、その魅力を探っていくというもの。描画法を基本に臨床をやっていらっしゃる方だからか、本文にも構造の図解が要所要所で挿入されているのもわかりやすい。そして、本文の4割が藤やん・うれしーのインタビューというのも、分析云々の前にファンには読んでて楽しく、また「勝手に分析して…」というモヤッと感もなく、すんなり読めるポイントだと思います。
筆者も何度か述べているように、これ一冊で「どうでしょう」の全てが分析されたわけではなく、またそこに「どうでしょう」とも通じる「面白さとは何か」のヒントもあったりと、あ、この本自体が、本書で語られるある構造を有しているのだなと感じます。
いやー面白かった!!一気読み!!
以降、個人の気づきメモ…
ドーナツには“穴が”“ある”(糸井重里?)、枠→ラーメンズ、合気
Posted by ブクログ
興味深い分析だった。水曜どうでしょうの面白さを臨床心理士の著者が紐解く。
背景から丁寧に要点を重ねて、結論までが論理的で分かりやすかった。結論で「分かりやすさ」より「分かりにくさ」を奨めるところが逆説的だが、要するに面白さが分かりにくいためにどうでしょうは面白いのであり、さらに分かりにくいことさえもうまく分かりにくくしていて、一見簡単に見える、と。
うーん、分かりにくい。でも分かりにくいからこそ興味を引き続けることができる、ってことでもある、と。
そして分かりやすく解説しちゃったけど、どうでしょうの面白さは変わらない。こんなことはどうでしょうの一面でしかないのだから。
結論だけ聞いても腑に落ちないが、読めばきっと納得できる。斜に構えて読んだせいか、期待以上のだった。
Posted by ブクログ
臨床心理士、いわゆるカウンセラーの佐々木玲仁氏が、カルトTV番組(^^;)である
「水曜どうでしょう」のおもしろさを、心理学的に分析したレポートといった風情。
いわく、「どうでしょうの魅力は口ではなかなか説明できない」とのこと。
この説明を完遂するため、藤村・嬉野両氏にロングインタビューを敢行、心理学方面
からアプローチを掛けた、という意欲作。
・・・僕も間違い無くどうでしょうマニア、いわゆるどうバカではあるのだけど、
あの番組が何故おおしろいのか?については、自分なりの解答を持っている。
これは僕の経歴から来るモノで、いわゆるテレビ番組のセオリーをちゃんと知ってい
るが故。つまり、テレビのセオリーを悉く破りながらも成立し、しかも高視聴率を叩
き出す、という、ある意味での奇跡が画面からビシバシ感じられるから、ということ。
しかし、世のどうバカ連中の全てがテレビを囓っているワケでは無い。
そういう人たちを惹き付ける魅力って、確かに不思議ではあった。
なぜなんだろうな?と。
ばかばかしさの極地に居る筈のどうでしょうを、徹底的に真面目に、そして徹底的に
解りやすく分析してるのがこの作品の凄いところ。こういう風に論理体系立てで説明
されると、読んでいるうちになんとなく「そうそうそう!」とか思ってしまう(^^;)。
単純なのかなぁ、やっぱり(^^;)。
この本を読んだ後にどうでしょうのDVDを観ると、確かに一歩深いところまで踏み込
んで鑑賞してる自分に気が付く。もう何度も繰り返し観ているどうでしょう、また違
った楽しみ方をしてますな、ええ。
・・・しかし、やっぱりコレはマニア向け書籍だと思うな(^^;)。
にもかかわらず、こういう本が出ちゃってそしてそれがバカ売れしちゃうバラエティ
番組って、やっぱり凄いとしか言いようが無い。・・・アナーキーだなぁ、どうでしょう♪