あらすじ
ゴッホとゴーギャン。美術史のなかで燦然と輝く二つの巨星。ともに印象派絵画とジャポニスムから大きな影響を受け、西洋美術を超克した。なぜ、彼らの作品は後世の美術家を魅了しつづけるのか? 二人の数奇な人生をたどり、美術史的な観点から二十世紀の近代絵画へ架橋した芸術運動として「後期印象派」を総覧。狂気と理性がもたらした創作の秘密を解き明かす画期的な一冊。図版資料多数収載。
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Posted by ブクログ
前半は副題の「近代絵画の軌跡」のほうが内容を表していたように感じる。印象派が当時の保守的なアカデミーの芸術観に対して何がすごくて、浮世絵とかのジャポニスムもどう影響を与えたのかという初歩的なことからピサロらをはじめとした個別の画家をテンポよく紹介して印象派入門としても使える。
中盤以降はゴッホとゴーギャンの関係を軸に2人の伝記パートで、作品解説は少ないが短いコメントも的確で満足できる。最初期のバロック的なゴッホの作品や象徴主義とゴーギャンの関係なんかは知らなかったので勉強になった。いわゆる日本人のイメージする近代絵画史のトロの部分を味わえる本。
Posted by ブクログ
2019年11月に日本で公開される英仏米合作映画『ゴッホ 永遠の門』を視聴する前提知識として読むことにした。
印象派の登場で大きく動いた西洋美術が20世紀に歩を進めるまでの道程を、特に後期印象派、ゴッホとゴーギャンを中心に紹介してゆく本。西洋美術史は大学時に一コマ受講していたが、大分忘れていたので助かった。
また、この本は美術史における技術的な面を解説する一方で、ゴッホとゴーギャンの人生そのものにも焦点を当てている。彼らが当時のフランス社会・フランス美術界にどう影響され、またどう影響を及ぼしたのかを、彼らの人生を基に紐解いてゆく記述はとても面白かった。
尾崎放哉然り太宰治然り、波乱万丈な芸術家気質の生き様は、歩みたくはないと同時に強く惹かれるものがある。幸不幸という価値判断を寄せ付けない、自分の命を燃やして眩しく輝く恒星のような生き方は、やっぱり読んでいて気持ちが良い。
Posted by ブクログ
印象派からポスト印象派、ゴッホとゴーギャンの時代へどのように表現方法が変わっていったのかが歴史に沿って書かれておりわかりやすかった。
美術展とかの前に読み返したい本。