【感想・ネタバレ】ライフサイクル投資術 お金に困らない人生をおくるのレビュー

あらすじ

「とても挑発してくる本だ。時間の分散投資が持つ本当の良さを、
こんなに明快に描いた本も、こんなに実践的に示した本も、これが初めてだ。」
――ロバート・シラー

「いまどきの若い人たちが金融危機から学ぶべき一番大事な投資の教訓はこれだ」
――ティム・ハーフォード(フィナンシャル・タイムズ)

さまざまな金融商品に投資してリスクを下げる「分散投資」の重要性はよく知られている。
本書は、もうひとつ「時間の分散投資」について、そのメリットと手法を解説したものだ。

具体的には、若いときにレバレッジを使えば、
リスクを減らしつつ生涯リターンを50%近く増やすことができる。
つまり、若いときにお金を借りて投資するのは賢明なやり方だ、
ということである。

これは、従来の長期投資の主張とはまったく異なるもので、
メディアに掲載された際には大きな議論を呼んだという。
この「ライフサイクル投資術」について、データを元に解説したのが本書である。

本書からは、以下のようなポイントについて学べる。
-あなた向きのエクスポージャーの大きさとレバレッジの水準
-あなたがもう30代、40代、あるいは50代ならどうすればいいか、
そしてお子さんやお孫さんを後押しするならどうすればいいか
-過去138年でライフサイクル投資戦略がどんな結果になったか
-ライフサイクル投資戦略を使ってはいけない場合とは

ベストセラー『その数学が戦略を決める』のイアン・エアーズ、
ロングセラー『戦略的思考とは何か』のバリー・ネイルバフによる、
人生100年時代にこそ必要なお金の本である。

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Posted by ブクログ

「何に投資するか」という資産配分の分散投資はメジャーになってきました。しかし、「いつ(何年に)株式エクスポージャーを持つか」という時間配分の分散投資については、未だ主流ではありません。それを踏まえて、40歳くらいまでは現在持っている資金以上に株式投資をするべきだ、という趣旨の本です。

著者の主張する「ライフサイクル投資術」とは、①{現在の保有資金+将来もらえる賃金+年金(+相続)の割引現在価値}×個人が投資するべき割合(60%程度)の金額を人生を通じてずっと株式に投資するべき、ただし②レバレッジ比率の上限は2倍、という2つから成るものです。例えば、割引現在価値が3億円であれば、1.8億円は人生でずっと株に投資するべき、という主張です。現有資産が1.8億円を超えるまではレバレッジを掛けることになります。

その結果として、横軸を年齢、縦軸をレバレッジ比率とした時系列グラフは、
局面A:200%のレバレッジ(現有資産のすべてが株)
局面B:100%~200%のレバレッジ(現有資産のすべてが株)
局面C:100%以下の株式エクスポージャー(株以外の資産として著者は物価連動国債を推しています)
という3局面を示します(図表2.1、p62)。それぞれ、A:22~32歳くらい、B:32~37歳くらい、C:37歳以降~、というイメージです(注1)。

人間の資産には、①現在持っている資金、②将来もらえる賃金、③年金の3つが主にあります。投資家は目の前にある①の資産配分にこだわるものの、②③を考慮して資産運用をできていません。そこで、①にレバレッジをかけて運用します。著者は追証退場リスクを抑えるため、2倍のレバレッジに抑えて、特に30代前半までは運用するべきとしています。具体的な運用手段としては、S&P500連動ETFであるSPDRのDeep In The Moneyの3年先のLEAPコールオプションを薦めています。権利行使価格が現在の50%であるITMプレミアムは概ね原資産の50%であり、そのポジションはプレミアムの2倍であると考えられます。そのほかの運用手段としては、信用取引や証券担保ローン、レバ2倍ETF、CFDなども考えられますが、コストの安さやポジション管理の手間なども踏まえるとLEAPsがよいと指摘しています(注2)。

また、シラーPERが高い場合には先行き10年間の株のパフォーマンスは著しく低いため、株のポジションを下げる戦略の提案もしています。この戦略は、確かにパフォーマンスは上昇するものの、その「PERに応じたポジションをチューニングする」という戦略が、特に投資家のメンタルや持続可能性の面から実行可能かは検討するべきとしています(注3)。

なお、株式市場が上下した場合のリバランスの方向が、人生の局面に応じて違うという指摘も重要です。局面Aにおいては、レバレッジが上限に張り付いておりますので、破綻リスクを下げるため、株式市場に順張りのリバランスを行う(株価の低下に合わせてレバレッジを下げる)ことが必要です。一方、局面B・Cにおいては、エクスポージャー金額を回復させるため、株式市場に逆張りのリバランスを行うことが必要です。

# 感想と注釈
注1:日本においては、個人向け国債の、変動10年が該当する印象です。もちろん米国の物国を買ってもいいともいます。
注2:日本においては、コールオプションの損益は上場株式の損益と通算できませんので、本当にオプションでいいのかは各人の状況に応じて調整するべきかと思います。また、日本の指数を原資産とするLEAPSは現時点では存在しないので、どうしてもS&P500となります。また、LEAPSの板の薄さは気を付けるべきかと思います。
注3:シラーPERが高まった1999年(1月時点で40.6)の後の10年の米株のパフォーマンスは確かに0%程度です。しかし、これはITバブルとリーマンショックの影響も拾っている数字であり、さすがに1999年のバリュエーションが2008年の市場に影響を与えるというのも直観的ではありませんので、そこまでこの図が大事とは思えません。事前に決めた株式ポジションを墨守して通常は株式市場を忘れておくのがよいかと思いました。
その他の感想:総じて、原典に忠実な和訳となっており、砕けた口調が続き、やや読みにくいですが、内容は非常に面白いです。絶版のようですが、再販してほしいです。
誤植:第4章p140第2パラグラフの「下げ」と「上げ」は逆のようです。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

時間の分散投資・若いうちからレバレッジをかけてといった方法をデータを用いて教えてくれる。
そこでの注意点も書いてあり、実践的です。
老後資産のためにこの本を参考に今から準備しようと思いました。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

「将来的に株価は年率で5〜10%ほど成長するので、若い時はレバレッジをかけて買うのが良い」という手法をデータを交えて解説している本。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

若い人ほど読む価値のある情報。


借金してマンション買うのと同様、
株もお金を借り入れて若いうちに買え
ただし、今ある借金は返してからだ。★


今回はライフサイクル投資術の話ばかりだったが、
本質的には分散投資、レバレッジで何も投資だけの話ではない気がしてきた。

「将来お金が入ってくる見込み可能性が高いなら、」
という前提ではあるが、レバレッジを効かせるためにリスクを取るのも悪くない選択。むしろ、投資においてはデータからもそちらのほうがいいとのこと。

時間の分散投資でリスクを均すという投資術。

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2020年01月12日

Posted by ブクログ

2倍までのレバレッジ投資のパフォーマンスが良いと説明されています。
従来の110-(年齢)=株式の比率、残りは債権の比率という投資方法よりも、
若い時に、2倍のレバレッジをかけて投資をして、次第にレバレッジ の比率を下げて行った方が、パフォーマンスがよく、リスクが少ないというのが主な主張になります。

本の大部分はこの内容の裏付けとなるような、資料の説明であったり、
途中で挟まれるエピソードなど、2019年出版で今時の情報としては読みづらく、
情報が希釈されて無駄が多いような感じになってしまっているようにも思えました。

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2020年09月03日

Posted by ブクログ

確かに金融資産が少ない時期にレバレッジする、というのは時間の最適化として有効なように思う。去年、このようなレバレッジを掛けた投資信託ができて紹介されてたような(確か訳者の所属する証券会社?)。
ただこのフランクな語り口調の訳はホント読みにくかった。要点をポイントでさらうことにも適していない。タレブ本なでで有名な望月衛氏。あのタレブ本も読みにくかったが、どうも翻訳が自分には合わない。

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2020年01月30日

Posted by ブクログ

2019年118冊目。満足度★★★☆☆ 一般的に年齢が若い時は運用できるお金が少ないが、その時はレバレッジを2倍まで利かせて運用し、歳を取ったらレバレッジ投資をやめることを提唱。提案そのものは必ずしも否定しないが、翻訳の元となった本の出版が2010年とデータ・内容が古いこと、仕方ないけどアメリカの制度に基づいた記述になっているので星3つの評価とする。

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2019年12月23日

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