あらすじ
2019年秋公開のオリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD』に登場する勘解由小路(かでのこうじ)三鈴のifの世界を描いたスピンオフ小説。「勘解由小路三鈴、世界で初めての失恋をします。」平凡で物静かな中学生活を送っていた三鈴のもとに、ある日、未来からやってきた自分、ミスズが現れる。彼女は、これから三鈴が出会うとても大切な二人を助けるために過去に来たと話し、ある任務への協力を依頼する。ミスズと出会ったことで、大人しい自分から、どんどん感情を表に出す魅力的な少女へと成長していく三鈴。やがて高校へ進学した彼女はそこで運命の二人、直実と瑠璃に出会う。ようやく出会った二人の幸せのために三鈴ができること、それは――。
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Posted by ブクログ
超感動の物語。
映画『HELLO WORLD』のifの世界。
勘解由小路三鈴の物語。
世界で一番"誠実な失恋"の意味、
そしてサブタイトルにもなっている、
"世界で最初の失恋"の意味。
全てが分かった瞬間、感動が湧きあがりました。
堅書直実、ナオミ、一行瑠璃、ルリ、勘解由小路三鈴、ミスズ…、
この主な6人が、この1冊の物語の中で、どのように混じり合っていくか…?
ネタバレを少しすると、"誠実な失恋"は、直実と瑠璃が最終的に結ばれる、これを未来の自分自身、ミスズと一緒に手助けをする、その中で、三鈴は直実に恋をする(ミスズも違う役割の中で同じようにナオミ、直実に恋をする)、それが絶対に叶わないものだと分かっているとしても…、それを心の内に押し込めて、応援する、手助けをする…、時々感情がぐちゃぐちゃになる…。結果的に直美と瑠璃は結ばれる。それが正しい世界のある姿。正しい目的の姿。しっかりと、確実に三鈴は失恋をした。誠実に…。
"世界で最初の失恋"
-新しい世界として元に戻ってきた三鈴は、同じように無事に戻ってきた直実と瑠璃の幸せそうな姿を
見る。直実は瑠璃を元の世界に戻すことが出来た。物凄い強い思いで。本物の恋人。そして、三鈴の本物の失恋。新しい世界がまだ始まったばかりの出来事だった。
-全ての物語は、アルタラの記録の中の世界での出来事。目的は、脳死状態の直実を救うこと。そのために、アルタラの内部にアクセスし、量子精神(数値化された心)=中身を手に入れようとした。2047年のルリ、ミスズをはじめとする人たちが…。成功した。
Posted by ブクログ
映画ではモブレベルの出番しかなかった、「かでのん」こと勘解由小路三鈴ちゃんが、もし裏で活躍していたとしたら……?というストーリー。
とっても、とっても健気に頑張るかでのんの姿に勇気をもらえました。
Posted by ブクログ
読み終えて感じたことは続きが読みたいということ。
個人的には原作よりも面白かったと思った。
タイトルである世界で最初の失恋という意味が分かった時の感動は凄かった。
読みながら何度も泣きそうになるほどいい作品だった。
読んでいる中で原作と異なる場面(もしかしたら描かれてないだけ)があり原作を読み返してみようと思った。
もしかするとそういう意味でHELLO WORLD ''if" なのだろうかと思った。
原作を読んだ人には是非読んでもらいたい作品です。
謎の一部が解けた。
HELLO WORLDの本編映画を3回見たけど、正直ラスト周辺は理解が追いつかなかった。だけどこの小説を読んだことでエンディングに出てくるカットの中の三鈴の行動にも納得がいった(かも?)途中フェードアウトしてしまう彼女は物語的に大した意味が無いはずだが、それでもエンディングカットにある彼女の意味深な行動(例えば主人公達を物陰から覗き見てたりとか)にはちょっと納得いってなかった。彼女は本当にモブ的なキャラなのか?この小説での彼女の設定が映画の中で有効であったから気になってたカットが作られていたのか、別の意味合いがあったかは不明だが、それでも気になっていたことの一部に答えをくれた小説だった。まだ謎な部分があるHELLO WORLDだけど、こういう外伝的な作品をもっと出して僕の気になってる謎に答えを補完していって欲しいと思う。
例えば、何故なぜ瑠璃と直実の昏睡が入れ替わっていたのか?とか。今後、謎の解明する外伝本に期待したい!!
Posted by ブクログ
伊瀬ネキセさんが2019年に発表したライトノベル。アニメ映画「HELLO WORLD」のスピンオフ作品です。本編の途中で出番が無くなる勘解由小路三鈴を主人公にしたifの話ですが、本編に寄り添いながら謎を補完してます。そして、三鈴が可愛いです。健気で可愛い三鈴を堪能できます。読んでいる最中は頑張っている三鈴を心から応援してしまいます。読後感もとても爽やかです。本編を観たり、読んだ人は必読です。本作はファンタジー、青春、百合と色々な角度から楽しめると思います。本作を映像化してください。お願いします。
Posted by ブクログ
映画を観てボロボロに泣いたので即座にこの小説も購入。仕事の合間をぬってやっと読み終わりました。
映画を観たとき「SFでしか描けない感情」が表現されていることに惜しみなく拍手しつつ同時にやってくれたなという悔しさでハンカチ噛み千切る一歩前までいきました。そのくらい大好きな作品。
スピンオフとなるこの小説でも、SFだからこそ表現できた美しい失恋が見事に書かれていました。それに加えて内容への理解も深まったのでありがたいです。映画を観た後に読むことで、より一層HELLO WORLDという作品の魅力をマシマシにしてくれる一作。
帯にもある通り切ないストーリーではありますが、読むと決めたからには中途半端はいけません。やってやりましょう。
Posted by ブクログ
ここに、物語は完成した!読み終えてそう快哉を叫んでしまった。
小説版も映画も面白かったけど、釈然としなかったストーリー&名前の派手さの割に活躍が見えなかった勘解由小路三鈴。その全てが腑に落ちた。
もちろん本作は、スピンオフであり「if」である。こんなことは無かったのかもしれない。それでも、こんな裏物語があったならそれは哀しいけれどもとても素敵だ。
かでのんのした「世界で最初の失恋」、これほど上手くHELLO WORLDの世界をまとめる言葉は他にない。作品に触れた人みんなに読んで欲しい一冊。
Posted by ブクログ
この本を読んでなんか
映画や原作でもやっとしていた部分が
晴れてスッキリしたね。
映画ではなんか馴れ馴れしい感じで
キラキラしたキャラだったが
これっといって絡んでこず
後半ではほとんど出てこなかったので
ちょっと気になっていたが
この本を読んで
まさかこんな事になっていたとは
「やってやりましょう」
と頑張る姿に
良い子や~なんて良い子なんだ
って思ったね。
HELLO WORLD
映画を観た人に読んで欲しい
本でした。
Posted by ブクログ
HELLO WORLDのスピンオフ作品で、もしかしたらこうだったかもしれないというifストーリー。
原作で謎だった部分と、主人公たちを助けるために奮闘する三鈴たちの行動が巧く馴染んでいて、ifというよりかはsideストーリーで良いと思う。
未来の自分、正確には現行世界から過去を変えるために記録世界「アルタラ」のデータ世界にダイブした20年後の自分に導かれながら(つまりこの世界は記録されたデータ)、ほぼ原作に沿って物語は進んでいく。その裏で、直実と瑠璃の幸せを願っていたはずが叶わぬ恋心を抱いてしまった三鈴、自分の醜い感情と葛藤しながらも、2人の幸せを選ぶ。そして、物語がハッピーエンドを迎えた時、今と未来それぞれの三鈴の前には、幸せそうな2人の姿。
失恋の切ない場面や、原作でモヤモヤした部分が繋がった感じがして、個人的には原作より面白かった。
Posted by ブクログ
映画の『HELLO WORLD』見てから、本屋さんで見つけて思わず買っちゃいました!
美鈴が裏であんな努力してたんだなーと思ってよみました
美鈴の方にも未来のミスズが来ていて・・
ナオミが未来からくる手伝いも大変だけど、それとは別の悲しみがほかにもあって・・・
スピンオフだから分かることがたくさんありました!
Posted by ブクログ
同じ時間軸を違う視点で、というコンセプトは良いのだけれど、小説と映画の差異があるのか、本来視点ではそんな話じゃなかったよね、というシーンがいくつもあるのが気になった。
一つの物語としては面白い、けどたぶんスピンオフじゃなかったら読まない類いのもので、視点が変わると細部も変わり得るという考え方や、そもそものこの世界の設定から観測内容が変わるというような解釈もできそうだけれど、それでも自分にとっては細部も揃っているべきで、その意味でも星少な目。
200113
Posted by ブクログ
映画やノベライズだけでは確定しきれなかったSF要素やストーリーへの推察にはっきりと答えを与えてくれた上、勘解由小路美鈴にフォーカスを与えることで直美や瑠璃の心象をよりはっきりと描き出すことで、うまく原作を補完してくれている。2度の失恋を通した美鈴の心情の移り変わりの描写もとても好きだったので、本作だけで見てもとても好きな作品だと感じていた。
それだけに、本作があくまでも原作とは違う世界線での話とされてしまったのは非常に残念だった。特に終盤ではクライマックスの重要な出来事が大幅改変されてしまっていて、元のストーリーが好きだった自分としてはなかなか受け入れ難いものがあった。あくまでもスピンオフということなのだろうけど、『記録世界は何度でもリセット可能』という設定がある以上もう少し原作に寄せて欲しかったなあと思ってしまう。