【感想・ネタバレ】犯人選挙のレビュー

あらすじ

SNSで話題沸騰!密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクト。前代未聞! 犯人を自分で決めるミステリー!!『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか? 住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を選んで下さい。先行読者投票の結果も収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 深水黎一郎さんの新刊は、多重解決ものだという。深水作品で多重解決ものといえば、『ミステリー・アリーナ』が即座に思い浮かぶ。

 『ミステリー・アリーナ』は、多重解決もののジレンマに真正面から挑んだ作品だったが、本作も同じくらい、もしかするとそれ以上の傑作だ。本作は、7つの選択肢から犯人を投票で決めるという企画のために書かれ、「問題篇」がネット上で無償公開されていた。

 自分はその企画の存在は承知していたものの、面倒くさがりなので参入はしなかった。単行本化を機に手に取ったが、読んでびっくり、そして投票した読者の多くが、ちゃんと推理していたことにまたびっくり。このジャンル、まだまだ捨てたものではない。

 深水さん曰く、推理の権利を放棄し、すぐ「解答篇」に進んでしまう読者が多いのを残念に思っていたという。自分は正に残念なタイプの読者なので、耳が痛い。8人の若者が共同生活を送っていた「大泰荘」で、殺人事件が発生。特に奇をてらった設定ではない。

 問題篇を読み終えると、残念な読者の自分はさっさと解決篇に進んでしまう。そしてようやく本作の緻密さに気づかされた。7つの選択肢すべての可能性があり得るように書かれているのだ。解がただ1つの通常の本格ミステリより、難易度は格段に高いのではないか。

 読者による投票(推理)結果も掲載されている。当然、人気(?)には偏りがあるものの、どの選択肢にも根拠があり疑問点もある。少々のずるさはご愛敬。過去作品へのオマージュもあり、全篇に読者へのサービス精神と、このジャンルへの愛が溢れている。

 自分もそれなりに本格ミステリを読んでいるつもりだが、考えもせず、そんなのわかるかよと毒づく、常日頃である。言い訳ではないけれども、解答篇に突っ込むのもこのジャンルの楽しみ方の1つと思っている。ただ、少しは自分の頭でも考えたいものである。

 せっかくお金を出して読むのだ、楽しみは多い方がよい。ありがとうございました、深水さん。

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2019年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

企画として面白そうだったのでぜひリアルタイムで投票に参加してみたかった。

けれど、正解となる結末がないのは読後感として物足りなさも感じる。

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2023年06月24日

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