あらすじ
心と数字を整えろ――。ストーリーで学ぶシンプル&パワフルな新規事業の実践論。
閉塞感、リスク、組織の壁、自身の迷いや恐れを乗り越えて「望む未来」を創り出すプロセスを臨場感あふれるストーリーを軸に解説。グローバル企業から中小企業、自治体まで、幅広いクライアントに伴走する事業開発プロフェッショナル、待望の著書。
★実体験に基づいて構成したビジネスストーリーを通じて、新規事業開発のステップ・課題・乗り越え方がよくわかる
★「温度感マップ」「ビジネスモデル図」「ステークホルダーマップ」「未来年表」等、実践的なツールを多数公開
★平和酒造、クリプトン・フューチャー・メディアの「初音ミク」、Farfetch(アパレルEC)の取り組み事例も紹介
序章 いま求められる事業開発とは
第1章 事業開発の全体像/ STORY(1) 巨大なミッション――100億円の新規事業を創れ
第2章 将来ビジョンを描く/ STORY(2) シグナル、目的、ビジョン――どのように未来を描くか
第3章 ビジネスを設計する/ STORY(3) コンセプトと構造――どのように具体化するか
第4章 心と数字を整える/ STORY(4) すべての起点は人の心――どのように組織を動かすか
第5章 事業を孵化させる/ STORY(5) トライアルから本展開へ――どのように現実を創造するか
▼著者からのメッセージ
・本書は事業開発のやり方を解説する本ですが、いわゆる理論書や教科書のようなものではありません。いま多くのビジネスパーソンに求められているのは、机上の理論ではなく、実用に耐えうるシンプルかつパワフルな思考の枠組みと、実践をイメージできる「お手本」ではないでしょうか。そのため本書は、私たちが実際に使っているいくつかのワークシートと、お手本となる事例のストーリーを軸に構成しています。(「はじめに」より)
・事業開発は楽しい仕事です。私が関わってきたクライアントの方々もみな、プロジェクトが進むにつれて、そのおもしろさを理解し、楽しみながら、新たな事業に挑戦されていきます。表情もイキイキとしてくる人が多いように感じます。新規事業に取り組む中で、会社で本当にやりたいことが見つかったとか、仕事のやりがいを取り戻したとか、今の仕事を選んだ理由を思い出したと語る人も大勢います。事業開発とは、自身の仕事の意味を問い直すことでもあるのだと思います。(「はじめに」より)
・新規事業開発は「温度ある経済の環」を作ることに他なりません。そのためには、関係者の感情を司る「心」と、目に見える成果を示す「数字」の両方に目を向けて、組織を動かすことが必要です。読者の皆さんにその担い手となっていただくのが本書の目的です。(序章より)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ビジネス構想図やコンセプトシートのノウハウは参考になるのはもちろん
この本は自分の想いを見つめ直すことと
その上で今の延長ではなく、未来を起点に今を捉えて
事業を創っていくことをとても重要視していた。
どうしても短期的な儲けの視点で物事を考えがちだが
長期視点ではビジョンや大義名分が絶対に必要。
そのために同質性から抜け出し、あらゆる人と出会い
あらゆるペインを受け取ることが今の自分には必要だと感じた。
Posted by ブクログ
新しいことをやろうとすると多くの壁に直面する。アイデアの壁、組織の壁、、、、。企業活動を拡大していくには、新規事業は不可欠だ。にもかかわらず、新しいことに拒否反応を示し、否定する人は必ず存在する。こうした人たちによる壁をどのように乗り越えるかが本書のテーマだ。
本書の特徴は、数字と心の両面を大事にしている点にある。
SWOT分析やPEST分析で論理的に市場を模索するのも良いだろうが、本書のスタンスとは異なる。「本当にやりたいか?」「何のために誰のためにやるのか?」と熱意と課題意識を求める。ビジョンを打ち上げ、人を巻き込んでいく術まで紹介している。
■事業とは、「人が人のために、満たされていないものを満たそうとする試み」です。
■事業開発は組織のあり方を変えること
既存の組織、既存の制度、既存の慣習に人々を縛り付けている鎖がある。そこから抜け出すには、現在の組織のあり方を見つめ直し、新たな組織行動やカルチャーを獲得していかなければならない。
■事業開発を可能にする3つのワークシート
・ビジネスの狙いを整理するコンセプトシート
・事業の主要プレーヤーの要望を整理する温度感マップ
・収益構造とその見通しをまとめるビジネスモデル図
■事業開発3つのフェーズ
・将来ビジョンを描く段階
・実現シナリオを描く段階
・事業を孵化させる段階