あらすじ
「病棟は、楽しいよ」(吾妻)
度を越した飲酒でアルコール依存症になってしまい、担ぎ込まれた通称『アル中病棟』。
入院してわかったお酒の怖さ。
そこで出会ったひとくせもふたくせもある患者や医者たち。
かわいくて厳しいナースたち。
そしてウソのようで本当の、驚くべきエピソードの数々。
そこから著者はいかにして、アルコール依存症から抜けだしたのか?
30万部ベストセラー『失踪日記』から執筆8年、満を持しての続編。
ここでしか見られない限定特典を収録した、電子書籍版。
「緻密な描写。ギャグマンガ家ならではの客観的な視線。『失踪日記』以上にすごい作品です」
──とり・みき(マンガ家)
●単行本カバー裏 リアル「セルフケア自己評価表」(入院前・現在)を収録●
【電子書籍限定特典】
・カバーイラスト案1
・カバーイラスト案2
・カバーイラスト原画
【目次】
イントロダクション
アル棟1 女王様のティーパーティ
【いんたーみっしょん】クマさんと焼きそば
アル棟2 教育プログラム
【いんたーみっしょん】散髪
アル棟3 主治医
アル棟4 自治会
【いんたーみっしょん】レク
【いんたーみっしょん】佐山さんの朝食
アル棟5 スリー・ミーティング
【いんたーみっしょん】のんびり黒田さん
アル棟6 続スリー・ミーティング
【いんたーみっしょん】トイレの黒田さん
アル棟7 面会日
【いんたーみっしょん】やさしい松崎さん
アル棟8 去る人・帰る人
【いんたーみっしょん】メモ帳
アル棟9 歯科検診
【いんたーみっしょん】バリウムの日
アル棟10 王将戦
【いんたーみっしょん】玉子焼き
アル棟11 素面の我が家
アル棟12 引越し
【いんたーみっしょん】見しらぬ鳥
【いんたーみっしょん】蕎麦屋
アル棟13 ちょっとキレる
【いんたーみっしょん】エロスとタナトス
アル棟14 さらば浅野
アル棟15 クイズ大会
【いんたーみっしょん】自治会引き継ぎ
アル棟16 夜のミーティング
【いんたーみっしょん】御木本さんのカード
【いんたーみっしょん】ミニラ事件
アル棟17 再び教育プログラム
アル棟18 外泊日
【いんたーみっしょん】薬か酒か
【いんたーみっしょん】秋津君ふたたび
アル棟19 誰のための断酒
アル棟20 AAミーティング
【いんたーみっしょん】AAなんて…
アル棟21 拘禁ストレス
アル棟22 Cミーティング
アル棟23 深大寺レク
アル棟24 治療ミーティング
アル棟25 心の空洞
【いんたーみっしょん】排便儀式
アル棟26 外泊
アル棟27 退院
対談 とり・みき×吾妻ひでお
生れ出づる乾き
「セルフケア自己評価表」
失踪日記2 アル中病棟 電子書籍限定特典
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
つながる、て気持ち悪い表現やなっていうのが、なんか妙に分かる。
アル中になってもたら好きな酒も飲まれへんようになる、て、なんて厳しい闘いなんだろう。
身につまされます💦
私は断酒歴26年なんですが、このマンガを読んで、一度呑もうと思ったアル中は、何人にも止められぬ。というセリフ、良く理解できます。¨一杯だけ。一杯で終わるはずがないのですから! アルコール症の奥深さを物語っています。酒癖の悪い人には、呑む資格ありませんね。肝に命じました。
Posted by ブクログ
アルコール中毒について講義で学び、入院治療ってどんな感じなんだろ…と思ったときに大学の図書室でこの本を発見。
医療提供者目線ではなく当事者目線で書かれているためとても面白かった。漫画なためにサクサク読めるしなにより絵柄が好み。
アル中の世界がよくわかる
コロナ禍でアルコールをやめた人増えた人、元々ストレスから摂取量が多い人
自分はそんなに酷くない等という評価はだいたい間違っているもの
お酒に飲まれる事が多くなってき始めたら読んでおいた方が良い本
気軽に読めるところも魅力
Posted by ブクログ
「失踪日記」の続編になり、アルコール依存症病棟での生活を描かれたものです。
少し懐かしいですね。アルコール依存症になると本当に眠れなくなるし、飲酒欲求なんかの手の振るえもあんな感じでした。睡眠薬も全然効いてくれないです。
半笑いで読みましたが、本当にあんな感じの生活をしていましたっけ。
アル中はこの世の喜劇、その後の悲劇。
Posted by ブクログ
アル中になった漫画家が、自身の入院体験を書いた漫画。
アル中症状とかにまず驚いた。お酒で幻覚・幻聴があるとは。どれだけ恐ろしい病なのかが知って驚愕。怖すぎる。
入院して断酒しても、一年後には8割の人が再度飲んでしまうらしい。中々抜け出せない深い闇のようです。
入院患者たちのキャラクターも面白いし、知られざる実態にふれられてとても興味深かった。これは魂の本です。
同じように作者実際に獄中で過ごした体験を書いた漫画、『刑務所の中』(花輪和一)もすごく面白いのでオススメです。崔洋一監督が映画化していて、そちらも必見です。
Posted by ブクログ
失踪日記2 アル中病棟。吾妻ひでお先生の著書。飲みすぎ、お酒依存でアルコール依存症となってアルコール依存症専門病棟に入院された吾妻ひでお先生の実体験をわかりやすくまとめた良書です。アルコール依存症とひと言にいっても、アルコール依存症にきっかけやアルコール依存症の重症度は人それぞれ。アルコール依存症の実態を暗い気持ちにならずに明るく楽しく学べる貴重な一冊。
Posted by ブクログ
終始憂鬱感が漂う。お酒で憂鬱を散らしてたのに、そのお酒が飲めなくなってどれほどしんどかったんだろう。読んでいて一緒に憂鬱になってしまった。
Posted by ブクログ
ただただ面白かったです!読みごたえがあって一気に読んでしまいました!アル中の怖さを思い知れました!
吾妻先生!描いてくださりありがとうございました!!(笑)
先生がアル中の末期すぎて、酒を身体が受け付けず、飲んでも吐いて飲んでも吐いてしてるところや
便が(硬くて?)出なくて苦しむところも面白かったですが(←ひどい(笑))
一番大笑いしたのは「吾妻日出夫でわからなきゃ吾妻ひでおも知らんと思う…」という先生のつらいところでした!(笑)
断酒頑張ってください!応援してます!!♪
Posted by ブクログ
「失踪日記」の続編。
作者が生きることに大変苦悩しながら、表現者として、芸術家として、本物であることを証明した本。
本当に大変な経験をしている中、よくぞここまで自分を客観視して、完成度高い漫画にできるなと。
アルコール中毒は、死に至る病気。
これは以前、西原理恵子の本でも、実体験として、心の底からの叫びとして書かれていて、印象に残っている。
アルコール中毒という病気と折り合いをつけながら生きていかなければいけないのは、我々には想像もつかない恐怖であろう。そもそも、アルコール中毒の人は、日常の不安から逃れたいという人が多いと思う、その不安と付き合いながら、アルコールの誘惑からも逃れないといけない。
この漫画は、そんなシリアスな現実も、笑いに昇華してしまう。登場人物たちは、世間とうまくやっていけないアウトサイダーだが、だからこそ人間らしく、活き活きとしているように見える。(実際は、もっと過酷なんだと思うが。)
ある意味、吾妻ひでお自体がそちら側にいたからこそ、一定の共感、仲間意識をもっている。また、批評意識が高く、人をクールに観察していること(客観性をもっていること)の両面がうまい具合に交じっているから、ここまで、エンターテイメントに表現できるのだろう。
つげ義春がギャグ漫画かけたら、こんなだっただろうなという印象。
Posted by ブクログ
一時は人気を誇った漫画家・吾妻ひでお。私も子供の頃に
作品を読んだ記憶がある。
その人気漫画家が仕事を放り出して失踪。自殺未遂、路上生活、
肉体労働、そしてアルコールに溺れ、家族に入院させられるまでを
描いたのが前作『失踪日記』だった。
本書は『失踪日記』の終わりの方で「続きはまた」と書かれていた
アルコール中毒治療の病棟での日々を綴ったものである。あ、
勿論、漫画です。
入院生活を送るなかで体験した治療内容や、他の入院患者を
観察した描写なのだが、禁断症状やら鬱に晒されながらよくぞ
これだけ記憶していたなと思う。
依存症からの脱却って辛いと思うし、その治療の過程でも
しんどいことがたくさんあったと思うんだ。でも、それを作品
として昇華出来てしまうのって凄いわ。
作品として出版される以前の初稿の段階ではもっと暗い話に
なっていたそうだが、決定稿でも十分に辛い部分は伝わって
来る。それを、吾妻氏の作風が緩和しているんじゃないかな。
入院中に外泊許可が出て自宅に帰るシーンもいいのだが、
やっぱりラストの退院して帰宅するシーンは読んでいる方
もなんだかほっとする。
尚、吾妻氏は今でも断酒に取り組んでいる。これは一生、
努力しなきゃいけないんだろうな。
Posted by ブクログ
前作の続きですが、絵の雰囲気や、描写の仕方が正統後継って感じで、歳月の経過を感じました。入院中にイライラするとか、他人の退院期日に嫉妬っぽい感情を抱くとか、そういうところをぼかさずに書いちゃうくらいには、今は俯瞰視されているんだなぁと。
アル中については、ぼんやりと知っている部分がありつつ、わからないことも多く。AAについてとかは、いくつか疑問点があったので、その辺が解消してすっきり。アル中にならずにお酒を我慢するのは自分でもできると思うけど、アル中になってからお酒を我慢するのは段違い。
アル中病棟の様子も、かなりわかりやすかったです。おかげさまで、今後はイメージしやすくなりました。
あと、幻覚が出る時の状態も、興味深かったのです。今までは、「幻覚が出るから恐ろしい」っていう精神状態だと思っていたんだけど、「恐ろしいから幻覚が出る」っていう順序なのかなぁと。その発想は今までなかったので。
新しい発見もたくさんありつつの、興味深い本でした。情報量が多くて、わかりやすくて、読みやすかったので、また一から読み直しますー。
Posted by ブクログ
本書の舞台となっている病院に生前父が入院したことがあるので、私自身何度か訪れたことがある。清潔感のある病院で、精神科としてはそこそこ名の通った病院である。
とはいえ、3か月といっても入院は辛いだろうと思う。筆者はさすがプロで面白おかしく描いているが、相当の苦しみだったと推測する。前作にもまして表現がリアルで、勿論アル中にはならぬよう自重を誓った次第である(笑)
Posted by ブクログ
これを普通に笑いながら読めるんだけど(密度は濃いから読み進むのに時間がかかるの)、けれど、実際にアル中病棟に入院したのが作者であると思うと……なんというか、じわじわくる。
自分の内面についてじぃと見つめるでもなく、ただ、淡々と作品としてこの本を仕上げた精神力はさすがギャグ漫画家であると思う。ストーリー漫画家であったら、物語にしてしまい「よい話」になってしまったんじゃなかろうか。
アルコール依存症からの回復は20%程度に留まる。
つまりそれは、何度も何度も再発するということを示している。出てくる人たちは当たり前のように普通なのにどこかおかしい(おかしいというと失礼なのかもしれないし、漫画的な誇張もあるのだろうけれど)。
特別な理由があるから、アルコール依存症になったのではなく、アルコールを飲み続けるうちに依存症になってしまった。アルコールが無い生活を感柄レ無くなったというのが近いんだろうか。
眠れない……というのは本当に恐ろしいことなんだろうな、と感じた。
Posted by ブクログ
漫画家吾妻ひでおさんが、アルコール中毒で強制入院となり、自身の入院治療の様子を、漫画として描きあげたこの話は、本として出来上がるまでに、8年かかったそうです。
ここにはあまり描かれてはいない、その退院後が、本当の闘いだったことと思います。
個性的な入院患者たちの面白いエピソードや、治療や入院の日常、役員の仕事や勉強会の数々など、アルコール中毒という悲惨で壮絶な経験をしたにも関わらず、でも笑えるように、丁寧な描き込みで細かく見せてくれたり、登場人物のそれぞれにも悪口を言いながらも、温かい眼差しを感じるような、吾妻ひでおさんの、ピュアな真摯さがよくわかるようです。
アルコール中毒患者にとって、退院してもスリップ(飲酒してしまう)しないことは大変難しく、退院一年後の断酒継続率はわずか2割だそう。
吾妻さんは、その後は確か亡くなるまでお酒は飲まなかったはずですが、繊細な性格でありながら、やはり努力の人、真面目な人、底力のある人だったのだと思うと、残された漫画やイラストの美少女たちがより愛おしく思えます。
Posted by ブクログ
大勢の強烈な人たちが登場し、その中に主人公もいる。なんというか、『魔の山』に匹敵する傑作かも?
俯瞰の画面がなんか好き。
細かいところまで描き込まれている心地よさ。
病棟はそれ自体が一種のコミュニティとなっているようだ。(もちろんそんなことはないのだろうけど)ある意味楽しそうでもあり刺激的でもある。
知らない世界を知ることができる興味深さもある。
素面って 不思議だ……(p.169)
たとえ地図があっても俺は目的地には辿り着けない…(p.303)
時折の大きなコマに、自分と世界が乖離してる感覚、疎外感のようなものが残っているように見える。
舞台が病院なだけに前の巻ほど押しつぶされるような感じはない。
Posted by ブクログ
「失踪日記」の続編。アルコール依存症を患った漫画家の吾妻ひでおは、アルコール依存症専門の病棟、「アル中病棟」に入院する。その時の経験を漫画で綴ったもの。
アルコール依存症は、本人にとっても家族にとっても悲惨な病気であるが、日本にどれくらいの依存症の人がいるのか、ネットで調べてみると、80万人以上ということであった。80万人というのは、日本全体の人口1.2億人からすれば、0.6-0.7%程度。成人人口の比率からすれば、おそらく1%程度になるのだろう。ただ予備軍を含めると、その5倍以上の440万人になると言われており、成人人口の5%以上になるのだろう。予備軍の440万人という数もすごいし、5%という比率も大きな数字だ。
漫画の中で、吾妻ひでおはアルコール依存症について、下記のように語っている。
「アルコール依存症って、回復はしても完治はしない不治の病なんですよね。何十年断酒していようと一度呑んでしまえば元の木阿弥。いずれ内臓のどこか、あるいは脳を侵され廃人になるか死に至ります。」
不治の病であるから、依存症に陥った人が普通に生活しようとすれば、出来ることは、「お酒を呑まない」ということだけとなる。それを1日1日続けることだけが出来ることだ。そして、それをサポートするのが、アル中病棟である。ただ、治療成績は悪い。統計によれば、アルコール依存症患者は治療病院を退院しても1年後の断酒継続率はわずか20%、ほとんどの人は再入院、もしくは死んだり行方不明になったりしているということだ。それくらい恐ろしい病気なのである。
吾妻ひでおは、なんとか治療を進め、退院にこぎつける。そこで、この漫画は終わっているが、実は勝負はこれからなのだ。アルコール依存症患者の飲酒欲求はなかなか治まらないもので、最低でも2年、長くて10年つきまとうらしい。
この漫画を読んでいると、絶対に酒に吞まれないようにしなければ、アルコール依存症には絶対にならないようにしなければ、という気持ちにさせられる。
Posted by ブクログ
アルコール依存症のケースを複数担当しており、入院生活がどんなもんか気になったので。
漫画でほのぼのとしたイラスト、軽いタッチで描かれているから読み進められたものの、文章で淡々と書きつられていたら読むのが辛いだろう。
それくらい実態は壮絶なことがよく分かった。
アルコール依存症、治療後再飲酒することなく社会復帰出来る確率はわずか20%のようだ。それ以外の人は、肝臓壊して亡くなるか、行方不明か、再入院か。
担当のうち、片方は断酒に成功し、仕事も始め、社会復帰に向けて着々と進んでるケース。もう一方は、過去に入院歴あるものの、再飲酒に走り、かれこれ10年以上依存しているケース。
20%に入れるよう、支援していきたい。
Posted by ブクログ
アル中は死ぬまで治らないらしい。周りがやいのやいの言っても無駄なあがきなのねえ。病棟の患者たちの開き直った明るさが、諦めを促してくれました。
Posted by ブクログ
前作よりも、周囲の人々との関係を丁寧に描写した作品
長年の作者のファンとして熱望の続編。
ただし、読後さすがに既視感があり。
衝撃的だった前作の半分も話題にはならなさそうではある。
まあ、作者はそのような色気は考えていないのであろう。
作者は、前作の失踪、本書のアル中の原因ともなったストレス(ギャグ漫画家としての行き詰まり?)への問題が解消されておらず、本書でも時折それが顔を覗かせる(特にラスト)。
アル中病棟と仲間たち(同情できない輩が多いがw)は、作者を極端な問題行動から日常生活へ戻して、ストレスと向き合うスタートラインに再び立たせてくれる安全装置なのだろう。
しかし、本書はタイトル通り、退院後の出来事までは記されていない。
現在、家族(本書は家族の描写が増えていたのが好感)の支援のもと、断酒会、主治医を連係してストレスと付き合っていると信じたい。
・しかし、アル中の肉体的ダメージは恐ろしいな。
作者が、何度もドライドランクに陥ってしまう描写は前作になく印象的だった。
・イスラム国家(お酒原則禁止)では、おっさんたちがすさまじく甘いものを好むが、それはアルコールと同種の脳内快楽物質分泌によるとは納得だ。
・作者の女の人のタッチは、変化し続けている。
?書き込みがかなり増えた。ナース制服なんかかなり細かい。
?笑ってしまうほど、女の人はすべからく美人に描かれている。
→配慮らしいwナース引率の野川公園レクシーンは、一種のファンタジーである。
?体型が、がっちりグラマーな人が多い(まったく、つるぺた等皆無)
?プロのマンガ家がまんだらけで自分のイラストを売りにいくとは…。
→入院前にも継続的に売りにきていた雰囲気である。まあ、同人作品だな。でも、食い詰めた感があるなあ。
Posted by ブクログ
著者のアルコール中毒治療のための入院中の生活を描いたコミック。
今までアル中というものに対するイメージはステレオタイプしか持っていなかったが、実際にどういうものなのか、ということがわかる。
HONZでの紹介により。
(700)
Posted by ブクログ
随所に吾妻ひでお本人の人柄があらわれていて興味深い。
“酒”という液体に拘泥した葛藤がほとんど理解出来なかった。つくづく自分はアル中とは無縁の下戸で良かったと思う。
Posted by ブクログ
失踪日記から引き続き。
割と重そうなテーマだが、漫画というスタイルのせいかコミカルに感じる。
退院直後の「不安だなー、大丈夫なのか?俺…」って
何かわかるなぁと感じた。
Posted by ブクログ
失踪日記から8年後に出版された本。買ってからパラパラ拾い読みしていたが、ちゃんと最初から腰を据えて読もうと、大阪から東京に向かう新幹線の車中で向かい合う。
成程。アル中って内臓の病気じゃなくて、精神科なんだな。知ってはいたけれど、再度認識を改める。幾つか壮絶な話もあるけれど、吾妻ひでおの丸っこい絵柄に救われる印象。
このマンガに出てくるキャラクターの本人を見たら、ああ、この人かと思うんだろうなあ。ギャグタッチなのに実在感がある。嫌な奴と吾妻さんがいっている杉野もそんなに嫌な奴には見えないんだよね。作者の感想とは別に、マンガに客観性があるってことかな。
野川沿いの散歩道とか、野川公園、深大寺と知っている場所が多く、M鷹、C布、F中と知っている地名が沢山。断酒会とかAAとか知らないことも多かった。まあ、世話になることはないだろうけど。たぶん。
あと、ナースの女性が可愛らしく描かれていて、それも救いになっていると思う。
吾妻さんのマンガは高校生の頃に少年チャンピオンなどで読んでいた。それから、35年位かな。失踪日記も含めて、まさかこういう作品を読むとは思っていなかったな。
Posted by ブクログ
『失踪日記』の続き。病院に入院している間の出来事について書いてある。
巻末にとり・みきとの対談が載っていて、「だから一概にアルコール依存症を責められないだろうっていうのが、どうしてもあるんですよね。自分の中に。」とある。現実は辛くて、救われるよすがが欲しい、それがマンガだったりアルコールだったり、みたいな話なんだけれど、こういうふうに、良い悪いは別として、アルコール依存症っていうのはあるんだ、そういう生き方もあるんだっていうことを認めることって、大事なんじゃないか。
アル中なんてとんでもない、アル中のくせに酒を飲むなんてあり得ない、そんなことが言えるのは、その人がアル中じゃないからで、アル中の人は酒を飲むのにそれなりの必然があるんだろう。その必然を当事者が認めてやらないと、その上で、「飲まない」という生き方を自分の選択として選び取ることができないんじゃないか。
本当に自分で納得して自分の選択として断酒する、そうじゃないと、断酒なんてとても無理なんじゃないかと思う。酒をやめるべきだからやめる、やめろって言われるからやめる、それじゃ、人を呪いながら我慢し続けるしかないじゃん。それじゃ元々つらい現実がさらにつらくなるだけだ。そうじゃなくて、自分は飲むことも選択できる、でも、◯◯のためにそうじゃない人生を選ぶんだ、そういうところがないと、続かないんじゃないか。
だから、逆説的なんだけど、飲酒を肯定することで初めて断酒って可能なのではなかろうか。
Posted by ブクログ
ファーマータナカの本棚。
以前指摘した通り、TOKIO山口達也氏事件では、アルコール依存症の話で持ち切りとなっている感があるが、私と同様同じ穴の貉の諸氏には、現実の入院前に、手軽に壮絶なアル中及び病棟を体験できる漫画本が有用ではと閃いた。
吾妻ひでおは1950年生まれの全く同世代、才能があったが故の依存と鬱、その悲惨な現実を透徹だが重くならないタッチで綴った、300余頁の8年がかりの大作。
太宰治、中島らも、赤塚不二夫、高田渡、小田嶋隆…等々有名人依存者も挙げればきりがない程溢れ返っており、入院体験はどうか本の中だけにできないものかと祈る…。
Posted by ブクログ
失踪日記のその後。
二度目の失踪後、強制入院させられたアル中病棟での日記。
ある意味全くの未知の領域での出来事。
だけど、すべての人が陥る可能性と、鬱の発症は同じかなぁ…
ちょいと前の年代の人達から見れば、鬱もアルも大差ないんだろうな…
そういう系列の病院に入院したという事が『恥ずかしい』って言われちゃう。
いきなり死なれてからよりもマシだと思うのは、私だけではないと思う。
アルも、鬱も寛解しても、完治はしないんだなぁって。
ある意味物凄いもん見せられた感は否めない。
鬱は…結構書けないと思うんだよね。
ほら、そのまま自分責めて絶筆される人が多いから…
だから、吾妻氏のほぼノンフィクションって凄いって脱帽です。
Posted by ブクログ
絵柄の可愛さで救われるが、内容はとてつもなく重い。「実録! あるこーる白書」と併読を推奨。1ページ全部使って風景が描れるときに作者の内面が這い出しているようで、ぞわっとする。