あらすじ
「全部 実話です(笑)」(吾妻)
突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働──『アル中病棟』に至るまで。
著者自身が体験した波乱万丈の日々を、著者自身が綴った、
今だから笑える赤裸々なノンフィクション。
・第34回日本漫画家協会賞大賞
・平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
・第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞
・第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門
数々の賞を受賞した名作が待望の電子書籍化!
さらに、電子書籍限定特典として関連作品を収録!
これはもう総てのアズマニア、だけでなく
総ての現代人にとっての福音の書だと思いました。
面白くて面白くて、泣く暇も震える暇もありません。
[足の丸い四頭身で描かれた現代の新約聖書]て事でどうでしょうか。
受難の煉獄とも言える全編を覆う、強烈な生命力が
軽妙ですら有ります。
──菊地成孔(ミュージシャン)
●単行本カバー裏 インタビュー『裏失踪日記』収録●
【電子書籍限定特典】
・『放浪日記』2006年
・『失踪こぼれ話』2001年
【目次】
夜を歩く
街を歩く
アル中病棟
巻末対談 吾妻ひでお×とり・みき
裏失踪日記
失踪日記 電子書籍限定特典
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一部の界隈で大変な人気だった漫画家(ロリコンの始祖とも)の自暴自棄になり文字通り失踪する日記漫画
話自体はものすごく暗いのに絵柄が明るい、且つ描き込みがthe昭和漫画家の非常に細かい
絵自体がアナログの最高クラスと思うし、おそらく大変な労力を注いでいる
SF界では多分知らない人いない漫画家なのですがこの漫画があまりに恥部を晒した内容なので一般方面にも受けベストセラーとなりました
残念ながら作者が亡くなられましたが、一種のサバイバル漫画とも読むことができますし、古さは感じません
コンビニの廃棄ゴミを食べたり
道路に落ちていたタバコを拾って吸ったり
捨ててあった食用油を飲んだり
畑から大根を取り(窃盗である)レジ袋に入れお尻にしき眠り、漬物を作る
挙句の果て、金がないので絵を描いてまんだらけに売りに行く
もう、ずっと次どうなるの状態
でもこれは実話なんですよ、最高じゃないです?
Posted by ブクログ
ギャグマンガ家が、作品の暗黒に接し、とりあへず失踪する。でもあくまで「取材」で、野生のキャベツ食ったり、「取材」中のひとの者かっぱらったり、非合法な罠のアレで食ひつないだり、ビックリマンチョコ食べたり、するが、マンガのネタになってしまふ。
警察官のファンとの会話がアレ。
高千穂遥先生がどっかでやってた「あじましでおまんが」がここにも収録されてた。結構面白い。
ホームレスの方が市井のまともな兄ちゃんよりリテラシーが高いと言ふアレが、お約束じみてるけどあじま先生もやるのね。
Posted by ブクログ
天ぷら油がご馳走のホームレス生活、身分を隠しての家出体験、後半のアル中闘病記、美少女マンガで一斉を風靡した作者が落ちるだけ落ちた体験記ですが、なぜかほのぼのとしています。
Posted by ブクログ
なんだろなあ、この漫画を読むと湧き上がってくる感情を、うまく説明つける自信はまるでない。
ある種の、なんか自分にはないどこか異次元から湧いてくる不思議なパワーを感じる漫画。
いやオカルトとかそんなんじゃないんだが。
吾妻ひでお先生の全盛期の漫画は一つも読んだことがなかったのだが、この漫画には惚れたかな。
今でもたまに取り出して読み返す。
その正体は今もまだ掴めてはいないのだけど。
Posted by ブクログ
ビブリオバトルに出場したときのチャンプ本。アル中、家出、自殺未遂などヘビーな中身なのだが、それすギャグになってる。丸い線がまたそれを引き立たせる。面白いと言っては不謹慎か。
本当に惜しいマンガ家を亡くしてしまった。
Posted by ブクログ
キンコンの梶原がしくじり先生で失踪の真実を告白していたのがきっかけで購入。
前から読みたいと思っていたけど、後押しがなかった。
面白かったのは、失踪してからの方が太ったというところ。
キンコンの梶原が一生付き合っていかないといけない病と言っていたように、吾妻先生も失踪を繰り返す。依存症やうつ病は一生、うまく付き合わないといけないのだ。
あとがきのインタビューにもあるように「みなさんに喜んでいただけるように」っていうサービス精神に二人の共通点を感じた。
それにしても、失踪するっていうのは「自殺」とも違うし、「生きたい!!」という渇望からくる行為のように思える。
それって依存行為とほぼ同じだし、現に吾妻先生はアル中だ。
依存症っていうのも、また不思議だけど、「生きたい!!」っていう心の叫びなんだよね。だから、家族や周りの人は分断しちゃいけないし、手を放しちゃいけないんだ。
Posted by ブクログ
凄いマンガだなと思いました。
ここまで、結構、ひっ迫している状況をデフォルメできる能力に、
感服します。かなり際どい状況でも、著者のマンガのフィルターを通して見ると、
まぁ、しょうがない、もう少しやってみよう、と思ってしまうから不思議です。
現実を自分なりに解釈して、どこか滑稽なモノにする、こういう生き方って、
これから、どんどん必要になると思いますね。
いやはや、本当に、目から鱗が落ちるマンガだなと思いました。
閉塞感、生きにくいという不思議な表現がありますが、
それらは、自分への解釈次第では、自分と社会の関係性で、
また違った現実を作れるかもしれませんね。
Posted by ブクログ
先日 亡くなったニュースをみて、改めてこの本を読んだときの衝撃を思い出した。
アルコール依存性の凄まじさがリアルで 深く心にしみいった。おかげで自分の禁酒に役立たと思う。
感謝して、心よりご冥福をお祈りします。
デフォルメがすごい
現実はもっと悲惨な感じだったと思うけど
可愛い絵柄のデフォルメで…
そういうの感じさせずに読ませるって
すごい漫画だと思いました
Posted by ブクログ
以前から気になってはいたのだが春になったからか無性に読みたくなった。
やはり病気なのだろうか、ほとんど考えることなく(と思えた)ある日突然、失踪する。
失踪してしまいたい事は多々あれど常人なら戻る時の事を考えるから失踪に至らないのかもしれない。
ゴミを漁り野宿する。凄い事をやっているのだが、この絵がやわらかく包み隠しているのか。
飲み続けたいとまで思わない事も常人の感覚なのかもしれない。
続けて一連の著作を読みたくなる。
Posted by ブクログ
吾妻ひでおは、古い漫画家であるが、けっこう売れっ子で、また作風が独特だったので、コアなファンが多かった。しかし、メンタルの不調に陥り失踪し、また、アルコール依存症となり治療のために入院することとなる。本書は、そういった体験をありのまま綴った漫画である。2005年の発行なのでかなり古い本であるが、発行当時に話題になったことは覚えている。
失踪しホームレス生活を続けていたり、精神病院のアル中病棟に入院していたりした体験談なのであるが、深刻さを表に出さず、どちらかと言えばコミカルに、淡々と体験を描いている。淡々と描いてはいるが、本来的には、とても悲惨な状態であり、また、ご家族にとっては地獄のような体験だったのではないかと思う。
私自身はメンタルの不調に陥った経験が(幸い)ないし、お酒も強くなく、あまり飲まないので、描かれていることは、なかなか実感・共感を持って読むことは出来ないが、その体験は、異様な迫力を備えていると感じた。悲惨ではあるが、話としては面白い漫画だ。
本書には続編がある。そちらも読んでみるつもり。
Posted by ブクログ
作者としては、辛かったかもしれないが、人間どうにかして、生き延びる事が出来ると思った。発展途上国では、当たり前の生活かもしれない。精神的に病む事と肉体的に病む事。どちらも辛そう。
Posted by ブクログ
突然の失踪推した吾妻ひでおの失踪中の生活を描いた一作。
暗いテーマですが、ポップで淡々描かれ、エンターテイメント作品となっていますが、創作者の厳しさも感じさせる1冊。
名作です!
Posted by ブクログ
アル中病棟を先に読んで、絵柄が好みすぎてこちらも読んだ。失踪した話などはなかなか聞くことができないのでおもしろかった。絵柄とコマ割りの仕方が好みすぎる……
Posted by ブクログ
失踪編、土木編、アルコール編とあるのですが、失踪編が案外楽しそうに見えてくる。それとも作者が特別能力がある方だったのだろうか。
私もアルコール依存症なので、離脱症状の辛さは良くわかります。あれを経験するくらいなら、お酒を絶やしたくないです。
飲んで苦しんで死ぬか、苦しんで飲まなくなるかのどちらかなのですが、前者が多いような気はしています。
私は苦しんで飲まなくなりました。
Posted by ブクログ
正直、ホームレス生活のゴミ漁りの下りはリアルすぎて気持ちが悪くなった。(しかも長いんだよね)アル中の描写には凄みがある。この間お亡くなりになった時に話題になったので手に取りました。
Posted by ブクログ
少し前に吾妻ひでおさんが亡くなったと聞いて読んでみた。
シリアスなというか、切羽詰まったエピソードかほのぼのしたタッチの絵で語られる。
アルコールを楽しみたいからこそ、アルコール依存には気をつけよう。
半分くらい内容を忘れてた
今回、10年ぶりに読んだ。私がこの10年間に、いらん苦労をしたせいか、わかりみが深まっていた。このマンガでは、嫌な登場人物のことも、楽しいギャグで表現してくれているので、10年前はニヤニヤ笑って読んだが、今回は身につまされた。
Posted by ブクログ
お心をやんで全てを投げ出して「放浪のたび」にはいったあずま先生。そのこっけいで痛々しいさまがなぜか笑えます。そして、アルコール病棟に入院したときのことは時々、ものすごく身につまされることがあります。
ぼくがこの初めて本を読んだのは、確か大学時代のことだったと思うんだけれども、作者の吾妻ひでおはここにはあえて書きませんがあるジャンルの漫画の第一人者で僕も詳しいことは知りませんが、彼の描く少女の絵は大好きです。
それはさておいて、ほのぼのとしたタッチで描かれている内容は悲惨そのもので、自身が連載しているマンガが描けなくなったあじま先生はすべての連載をほっぽり出して、ホームレス生活を送ったり、ガス会社の配管工として肉体労働に励んだり、重度のアルコール依存症でにっちもさっちも行かなくなって精神病院のアルコール病棟に入院するなどと、壮絶なことをコメディタッチで描いています。
でも、こういう状況になっても人は生きるんだなぁ、ということを思い知らされました。
知人の家で『逃亡日記』方も読んだのですが、吾妻先生がホームレス生活をしていたと場所の周辺が、何回か仕事で行ったことがあるところだったので、複雑な気持ちになりました。
Posted by ブクログ
これが実体験というのがすごいです。
でも、壮絶な体験をしっかりコメディーに昇華しているのが、本作の素晴らしいところです。
デフォルメされた画風も生々しさが出過ぎず、読みやすくしている気がします。
Posted by ブクログ
とあるハウツー本に「落ち込んだ時に読む」と書いてあったので買った。作者の経験を客観的に追体験できるような本。淡々としていて読みやすい。
山での野宿暮らしなど考えたこともなかったので、読んでいて新鮮な事ばかりだった。心に残ったのは病棟3の1番最後のコマにあるみんなで読み上げている言葉。
Posted by ブクログ
数年ぶりに再読。自分が工事関係の仕事に天色したこともあって、配管工時代が実感を持って読むことができた。ずっと前に読んだ本を読み返すのも面白いものだ。
Posted by ブクログ
はちゃめちゃである。はちゃめちゃな話を読むと落ち着く。しかも悲壮感なしに昇華してるからスゴイ。さすが吾妻ひでお。(だいぶ前に読んでたのだがアル中病棟の前に再読)
視点が冷静だしな。とりみきとの巻末対談もよかった
Posted by ブクログ
逃げたくなること、あるよなあ。
たとえ家がなくても人って生きてはいけるんだよね。生きては。
目の前の事から逃げたとしても、生きてはいけるんだよね。
遠回りしてまた戻ってこれる事だってあるんだよね。
それがその人の人生に、なっていくんだよね。
コミカルな絵で描かれてて読みやすいけど、実際…と思うとしんどい事もたくさんあったろうなあ。