あらすじ
2010年9月11日、被爆ピアノ、ニューヨークへ! 被爆ピアノの音は、平和を願う声。ピアノと調律師との、奇跡的な出会い。/矢川光則さんは、被爆2世として生まれながらも、原爆や平和についてまったく意識せずに育ちました。しかし、ピアノ調律師となり、ピアノの調律・修理・寄贈という活動をしていくなかで、偶然、「被爆ピアノ」に出会います。「被爆ピアノ」との出会いによって、彼がどのように平和への意識に目覚めていったのか、その足どりをたどります。
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Posted by ブクログ
ピアノの調理師である矢川さんが、被爆ピアノとの出会いによって、様々な人々の人生や思いに触れ、ピアノを通じて平和の芽の育てるお話です。
ピアノを弾く人々にとってのピアノは、己のCPUでもありSSDでもあり入力装置でもあるもの。
被爆ピアノは、原爆の恐ろしさや平和の大切さを音感で伝える、後世にハンドオーバーすべき楽器だなあと、本を読んで感じました。
P90の「平和という言葉は、どこか、つかみどころがありません。自分には何ができるのかと考えはじめると、下手をすると、堂々めぐりになってしまいかねません。自分のできる範囲で、何かをこつこつとつみ重ねていくしかないのです」という一文。
私もできることを励もうと思えました。
しかし、まさかジョージ・ウインストンも被爆ピアノを演奏していたとは。
彼の演奏会に行ったことあるのでつい思ってしまうのですが、被爆ピアノでジョージのトレモロがどんな響きを奏でたんだろう。
想像・・。
ピアノが好きだ。うまくはないけれど、ピアノが好きだ。
そう思い出させてくれたこの本に感謝。