【感想・ネタバレ】こどもの国のレビュー

あらすじ

捨てたはずの故郷・ハバネ市に舞い戻った新聞記者の佐田は、正体不明の町の守り神〈コクテンさま〉のウワサを聞き、その正体を探り始める。
一方、ヒーローに憧れる中学生の由太は、暇を持て余した放課後、真っ黒な衣装で町に繰り出していた。
〈因果の糸〉を操る不思議なチカラで、悪者に天罰を下すために。

ある日、奇妙な〈黒ずくめの女〉が町に現れる。それが、平凡な地方都市・ハバネの退屈と平和を打ち破る事件の始まりだった。

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Posted by ブクログ

イラストはゲーム「逆転裁判」キャラデザ担当の岩元辰郎氏。イラスト多くてうれしい。

本好きの性だが、紡がれる文章が自分をがっかりさせないか、アラはないかと一文字一文字確認しながら読むのが常だが、杞憂に終わった。
作者はこれがデビュー作とのことだが、文章うまい。編集さんもちゃんとしてるんだろうな。

舞台はハバネ市。”町の守り神「コクテンさま」が、悪者を退治してくれるらしい”という噂が流れている。コクテンさまの正体は物語序盤で明らかになるが、その「天罰」は胸がすくものがあり、その力を使う代償や、前コクテンさまらしい「師匠」の存在も興味を惹く。

久しぶりに故郷に帰ってきた新聞記者、その幼なじみの町の有力者、何者かに狙われるその娘、コクテンさまと関係があるらしいかつての遊園地「こどもの国」。
コクテンさまは「因果の糸」を操るが、ハバネ市とその住民たちも因果の糸に絡められ、操られていく。

うまくて面白いのだが、登場人物が多いことで誰に感情移入していいか見失いがちになってしまったかも。 群像劇の側面もあるから仕方ない気もするが、高校生2人以外の内面は、あえてあまりスポット当てないくらいの方がよかったのかも?

コクテンさまの活躍が爽快で、正直真相解明より楽しいと感じた。もちろんその力ありきで真相に近づいていくのだけど。そして、タイトルになっている「こどもの国」よりも、コクテンさまの「力」の方が印象に残った。

登場人物はそれぞれ魅力的なので、第2作目での活躍や、まだ語られていない彼らの過去の話なども興味を惹かれるところ。

悩んだ末にカテゴリを「ライトノベル」にしたが、書店に並ぶなら文芸のSF棚とか男性作家(だよね?)棚のほうがしっくりくるかも。

あ、あと冒頭の登場人物が載ってるページに、簡単でもいいからキャラ紹介があると親切だったかも。おそらくネタバレを避けるためなのだと思うが、硬派な漢字が並ぶ人物名とか企業名が多い(ぱっと見、四字熟語)ので。

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2019年08月29日

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