あらすじ
フランス外人部隊の砦に調査潜入した白鎖五十二位の夏草(なつくさ)は、瞳の中に虚無を抱えるルイという中隊長に出逢い……? 金星の残した不思議な力を回収すべく世界を旅する砂鉄(さてつ)とユースタス。 純国普と戦いながら言語の研究を続ける王女達と、それを護衛する月氏達。 そして金星との娘を育てる錆丸(さびまる)。 錆丸と金星の世紀の恋の一方で語られなかったいくつかの物語と、彼らの旅の後日談を描いた、大人気シリーズ珠玉の番外篇集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
最初のエミリーの話ですでにやられた。
殿下はきっとずっと好きだったんだろうなあと思うとともに出さなかった手紙というのがもう、なんというかもだもだする。伝えたいことはたった一言なんだよね。それがなんとも潔くもあり、また珍しく感傷的でもあった。
砂鉄とユースタスはもう仲睦まじくていうことないよ。だけどユースタスが笑顔だと私もうれしくなってしまう。二人とも哀しいことも苦しいこともあったけれど、二人で幸せになってくれればうれしい。
三月と夏草の話は、最初に彼が出てきたときにもしかしてと思ったけれど、やはり出会いの話だった。でもそこからの編纂と家族を得た三月の心にうわーうわーと読みながらもう涙出そうだった。本編読んでいたときにそんな好みではなかったのだけれど、もう飢えるほどに欲していたことがわかってしまった時に彼のことも随分好きになっていたと気づいたよ。
錆丸の一言って本当に偉大だったんだね。そして大人になった錆丸はいい男になったなあ。いいお父さんでもある。桜のために何でもやっちゃうんだろうなあ。錆丸が旅の中で得たものは金星や桜だけじゃなくて、仲間だけでもなくて、一番は知識と知恵と行動力なのかもしれないな。
彼らの話はこれからも続いていくんだろうけれど、願わくばその道がいばらの道でないことを祈るよ。
ところで天使の話は鎖様ですよね。短いながらに鎖様の謎だった過去の一端が見れたことが喜ばしいよ。それは彼女にとってもつらいこともあったけれど嬉しい思い出の一つなんだと思う。