あらすじ
知ってほしい!
日本に、こんなスゴイ男がいたことを!
日本の「パラリンピックの父」中村裕博士の生涯と、その遺志を受け継ぎ、障がい者自立の道を歩み続ける「太陽の家」(大分県別府市)を、中高生に向けてわかりやすく描いた感動ノンフィクション。
日本にまだ「リハビリ」という言葉さえなかった昭和30年代。大分県に住む1人の医師が、障がい者の社会復帰と自立のために立ち上がった。彼は1964年に開催された「東京パラリンピック」を成功に導き、次いで日本初の障がい者施設「太陽の家」を設立する。井深大、立石一真、本田宗一郎といった日本を代表する企業人でさえ驚いた、その強固な信念とほとばしる情熱。人生を全速力で駆け抜けた “日本のパラリンピックの父”中村裕、感動の物語!
本書の主人公の中村裕博士は、「障がい者雇用」という概念がなかった日本に、「保護より機会を」という理念を掲げ、障がい者自立の企業体を生み出しました。それに先立ち、「パラリンピック」という単語を初めて使用した世界規模の「スポーツ大会」を日本で開催したのも中村博士の業績です。
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Posted by ブクログ
中学生向の本だとは知らなかった。
けれど、大人が読んでも充分な情報量。
読み終えて一番意外だったのが、東京オリンピックで初めてパラリンピックを同時開催した部分が焦点の作品と思いきや(タイトル部分で)
むしろそれは序章に過ぎなかったという事。
章の割合も含め、
中村医師のその後の業績こそ、この本が伝えたいことなのではないだろうか。
障がい者の雇用問題、太陽の家設立、提携会社の創設、コンピューターの導入、また施設出身者の選挙出馬
さらに日本だけではなく海外の福祉にもかかわるなど
先見の明にあふれた氏だからこそ、もっと長生きしてほしかったと思ってしまう。
別所市のバリアフリー化が進んでいることと、その理由も初めて知った。
グッドマン博士の元を訪れた際のイギリスの障がい者の人の暮らし、それに対する周囲の反応に中村医師は驚いていたけれど
『パラリンピックの先に』の章が印象深い。
可哀相、大変そう、と接するのではなく
同じ日本人で人間だから、1割が障がい者の世の中なのだから
例えばオリンピックの出場者にたまたま障がい者がいるような世界。
最近電車で車椅子の人が乗り降りする際に板を用意する駅員さんをみるようになったけれど
長田さんの「誰もいなくても一人でできるという環境を望んでいるんです」という言葉にハッとした。
例えば車椅子が多勢の世の中だったら、電車扉のボタンを押せば収納された板がでる、何だったら停車ごとに出るという設備となっていそう。
ホテルの件もだが、そういった設備やサービスにこそ出資していける世の中は遠いなぁ。。
また、海外の人は出かけるので会話を楽しんだり社交性というより社交経験があるが、日本人は会場の隅で。。というのが。。
グッドマン博士の日本人が大勢視察に来ても、変わらない、というのは耳に痛い。。
江戸川乱歩氏の『芋虫』を思い出した。
『はだしのゲン』にも描写があったが
特に戦争で傷ついた人たちは、戦後特に何の福祉や補償も無いまま生きたのだろうな。。。