あらすじ
老いについて語ることは、幸福について考えることに重なる――。認知症への恐れ、歳を取りそこねるために生じる恥や勘違い、若さへの見苦しい執着。一方、歳を経たがゆえの味わいとは。精神科医が、臨床現場や文学作品のなかに、身につまされる事例や望ましい「年寄り」の姿を探る。哀しくもおかしな老いの見本帳。
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Posted by ブクログ
なんだかこの作者の本に興味が出てきた。
漫然とエッセイというのではなく、一冊を通してテーマがはっきりしているのがよい。
学術ガチガチでもなく、楽な方面に崩れすぎもしない、いい按配。
さもしい感じ、鼻白む体験、月並みで紋切り型でしかないこと、などから目をそらしていないのも、よい。
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第1章 孤独な人
妄想喫茶店 隕石と老人 旅に出る 何の変哲もないじいさん 御徒町にて 死んだ子供
第2章 鼻白む出来事
パン屋での出来事 蝙蝠日記 はあ、ニートですか 鳩と老人
第3章 老いと勘違い
歳を重ねるということ 苦い記憶① 苦い記憶② 愕然と恥辱 不穏な性格 難儀なこと 若くあろうとすることについて 年齢に似合わぬ若さ 精力的な人
第4章 孤島としての老い
無人踏切 ええなあ 蔵の窓の幽霊 陽の当たる島 ちょっと後 病室に暮らす 幻の同居人
第5章 中年と老年の境目
入江の光景 月を見る 人生のエアポケット 魔が差す、ということ どこかがおかしい 人生の総決算
第6章 老いと鬱屈
釘を買う そんなもんじゃないだろ 老いとともに出会う”難儀なこと” 死の床で アメジストのブローチ 面倒なこと
第7章 役割としての「年寄り」
老人と年寄り 葛飾的 老先生 ズボンが落ちる コロナたばこ屋電球 祖母の力 釣りの光景
第8章 老いを受け入れる
浜辺の煙 老いたロックン・ローラー 芸能人的 イケてる親爺 鶏の臓物 同じ歳 ベストドレッサー 老いるということ
あとがき
文庫版あとがき
解説 宮沢章夫