あらすじ
統計上、クラスに1人はいる不登校の生徒。きっかけは様々だが、ほとんどの場合は家にひきこもってしまう。学校や行政機関などのサポートは不足しており、2019年に起きた農水省元事務次官による息子の刺殺事件も、この問題の延長線上にある。適切な支援があれば、防げたであろう事態なのだ。若者のひきこもりに30年以上向き合い続けてきた著者が、独自に開発した「規則」「責任」「自律」の3ステップモデルを公開。
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Posted by ブクログ
「規則正しい生活」が不登校やひきこもりから復帰するための全ての土台
おっしゃる通りやと思います。
ただこれほど難しいことはないです。
働けるのに生活保護を受給している「その他世帯」で一番難しいのは朝起きて仕事に行くことです。
それができるようになるのは早い方が良いです。
大人になってからでは遅いとまでは言わないですがかなり困難になることは実体験上わかります。
「子どもたちが規則正しい生活をし、自信を持ち自律し、社会に貢献する未来を実現する。」
本書を読んでたくさんの子供たちが頑張ってひきこもりから脱却していったんやなあと思います。
規則正しい生活は会社に行ってる大人でも難しいです。
それを一度崩れたところから立て直していくのは至難の業やと思います。
ただ何かのきっかけで自信を持って自律することができたら元に戻ることができるんやなと思います。
最後に社会貢献で自尊心を持つというところはなるほどと思いました。
このステップはさまざまな教育現場で実践する必要があると思います。
Posted by ブクログ
不登校・ひきこもりの9割は治せる 1万人を立ち直らせてきた3つのステップ。杉浦孝宣先生の著書。教育者として不登校問題やひきこもり問題に長年向き合ってきた杉浦孝宣先生だからこその内容がたくさん詰まった良書。不登校・ひきこもりの子供を無理やり登校させるのではなく、どのように不登校・ひきこもりの子どもの心に寄り添うのかについてを具体的に紹介しています。杉浦孝宣先生のような方こそが真の教育者なのでしょうね。
Posted by ブクログ
出てくる事例は自分も聞いたことがあるようなよくある話でしたが、立ち直らせるための3つのステップというのがとてもよかったです。カウンセリングをしている人はついつい自信をつけさせるを優先にしますが、まずは生活習慣を整えるというところにとても共感しました。確かに不登校や引きこもりの入り口は生活リズムの乱れなのでまずはそこから直すというのはとても理にかなっています。9割は治せると言う事は1割は治せないということです。最後の章に載っていた失敗例もとても衝撃的でしたが、そこも含めてとても良い内容だったかと思います。
Posted by ブクログ
身近にいないと分からないが、実はかなりの数がいる。不登校やひきこもりもその一種ではないかと思う。うつ病が「こころの風邪」と言われるように、不登校やひきこもりも、誰もがふとしたきっかけでなるかもしれないもの、特別ではないものとして認知されつつあるように思う。その一方で、そこから立ち直って学校・社会生活を送れるようにする方策も大事で、本書は、その実践により一定の成果を挙げてきた一種のプロが書くものだけに、リアリティとなるほどと思わせる説得力がある。この問題に関する早期発見、早期対応の重要性を痛感した。
Posted by ブクログ
この本を読もうと思った理由は、「本当に9割を治せるなんてことあるのかな?どんなノウハウなのだろう」と言う気持ちから。
著者の関わった若者たちのうち、9割はウソではないのだろう。ただし、対象となっている若者が恵まれている境遇の若者に限られているのだという印象。
両親がそろっていて、親の楽歴が高い、裕福な家庭の若者が多かった。どこかの時点で勉強やら仕事につまずいて、不登校につながるケースが多かった。
貧困、家族機能不全、虐待、親の精神疾患、ヤングケアラーなどの環境に置かれている若者の不登校や引きこもりはほとんど出てこなかった。これが残りの一割なのか。
著者が運営する支援団体にはつながることのできないもっとつらい境遇の若者がいるだろう。そのような若者への支援が知りたくて読んだのだが、この本では触れられていない。
だけど、どのような境遇にある若者も、立ち直りのステップは基本的に同じなのかもしれない。本著でのステップは、
①規則正しい生活をする。
②自律して自信遠付ける。
③社会的貢献をする。
何十年にも渡ってノウハウを蓄積してきた著者に対しては本当に申し訳ないが、本当に王道(他の支援団体と大きく変わらない)と感じるステップである。だからこそ、普遍で代わりのない重要なステップなのだろうと再認識。言うのは簡単だが、実践は難しいので、これを何十年と実践している著者には頭が下がる。
辛い家庭環境にある若者に対しては、これらのステップの他、家族全体への支援アプローチか必要ということだろうか。
ところで、私は一時期流行ってきた(?)、「叱らない子育て」は否定的な立場である。本質の捉え方を間違えている人続出なので。
本書でも父性の重要性を挙げおり、ダメなことはダメどブレない態度が重要で、本気で叱る父性の役割をかいてくれたのは良かった。叱らなければいけないことを叱らないのは、問題を先延ばしにしているだけ。
そして、最近の傾向としては、また父性の重要性が注目されつつあるような気はしている。
「勉強ばかりしても意味がない、勉強よりももっと大事なことが人生にはたくさんある」
このように主張する人たちがいる。確かにそう思う。
でも、小、中、高または大学まで勉強することを主な目的とした教育機関に所属している若者にとって、「勉強がわかる、勉強が楽しい」という気持ちが、どれだけ彼らに自信を持たせ、重要なことであるかを考えてみてほしいと思う。
学力のフォローは誰が担ってもいいのだが、絶対に必要である(過剰な期待は禁物)
子ども4人を東大理IIIに入れた母親(私は特に好きではないが)が「授業が全然わからないのに、学校がすごく楽しいってことはあり得るのでしょうか」的なことを言っていたのを思い出した。
この方の教育には賛否両論あるようだが、この言葉はけっこう重みがあると思っている。