【感想・ネタバレ】薔薇戦争のレビュー

あらすじ

「分断」の代名詞として今なお英国民にトラウマを残す混沌。
薔薇戦争とは何だったのか?

15世紀に勃発したランカスター家(赤薔薇)とヨーク家(白薔薇)による王位をめぐる権力闘争――薔薇戦争。
EU離脱に揺れるイギリスでは、国を二分するその亀裂が今なおこの内乱の惨禍になぞらえられている。
かように鮮烈な記憶を英国民に焼き付けた激しい争いは、いかに繰り広げられ、何をもたらしたのか。
のちのテューダー王朝による絶対王政という「正義と秩序」を成立させるに至った、長きにわたる混乱を読み解く。

内乱の引き金は、本当にランカスター家による王位簒奪劇なのだろうか。
ヘンリー・テューダーの即位は、イングランドに真の平和をもたらしたのだろうか。
そして、内乱の前後でイングランドの政体はどのような変化を遂げたのだろうか。
本書ではテューダー王朝百十八年間の下で育まれた史観を念頭に置きながら、
この未曽有の内乱を概説することにしたい。(「はじめに」より)

【目次】
ヨーク家・ランカスター家略系図
関連地図
はじめに


一 薔薇たちの諍い
二 神罰としての薔薇戦争?
三 イングランド王権の「十五世紀の危機」

前史
一 ランカスター朝の成立――血塗られた玉座
二 ヘンリー五世と百年戦争――栄光の幻影
三 内乱へ突き進むイングランド――ヘンリー六世の治世

本史
一 第一次内乱――ランカスター朝の終焉(一四五九年~一四六一年)
二 エドワード四世の治世(前半)――癒えぬ傷跡(一四六一年~一四六九年)
三 第二次内乱――ヨーク派の分裂(一四六九年~一四七一年)
四 エドワード四世の治世(後半)――栄光と平安(一四七一年~一四八三年)
五 第三次内乱――白薔薇の復讐遂げし赤薔薇(一四八三年~一四八七年)


薔薇戦争とは何だったのか

おわりに
関連年表
主要参考文献

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Posted by ブクログ

薔薇戦争とは15世紀イングランドの内乱。ランカスター家ヨーク家の権力争い。
プランタジネット朝のリチャード2世は従兄弟のヘンリー4世により廃位される。ランカスター朝が成立。しかし血統の正当性に問題があった。ヘンリー5世は百年戦争で多くの勝利を収め中世イングランドで最も偉大な王とされた。
しかしその子ヘンリー6世はいまいちであった。百年戦争に敗北しランカスター王家の権威が低下。ヘンリー6世はショックで発狂。ヨーク公が王位を主張し王軍と争う。ランカスター家とヨーク家の争いが始まる。
いろいろ揉めた末にヨーク派のエドワード4世が即位。美男子で人気、派手な女性遍歴を持つ。身分差のある結婚をして、臣下ウォリック伯と弟クラレンスと内輪揉め。ウォリックの裏切りで廃位され、ヘンリー6世が再位するも、結局ウォリックを殺してさらにエドワード4世再位。弟も殺す。
その子エドワード5世が少年王として即位するが、叔父グロスター護国卿がクーデター。リチャード3世として即位。前王をロンドン塔に幽閉。
王の不人気につけこみ亡命していたヘンリーテューダーが侵攻。ボズワースの戦いに勝利しリチャード3世は戦死。テューダー朝を開き、薔薇戦争終わる。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

満点の面白さ!
薔薇戦争といえば百年戦争の後のイギリス国内の権力争い程度の知識しかなかったが、知れば知るほど興味が湧いてきた。プランタジネット家に連なるランカスター家と同じくプランタジネット家の家長にいたヨーク家の権力を賭けた血みどろの闘い。赤薔薇と白薔薇の間を権力が行ったり来たりするシーソーゲーム
日本でも血族を殺してのしあがる話しはあるが、ここまでやるかと言うぐらい殺し合い、血のつながりは婚姻の道具程度の役割だった。
しかし、この非道の戦争を受け、イギリス国民は戦いに倦み次期のテューダー朝では安定した平和がおとずれる。そこからヘンリー8世やエリザベス1世のような絶対君主が生まれた。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

15世紀イングランドで勃発した王位をめぐる内乱である薔薇戦争を、前史にあたるランカスター朝の成立から書き起こした一冊。乱の経緯が分かりやすく、イングランド政体の変遷など背景事情にも目配りされた良書。

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2020年05月07日

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