あらすじ
わたしにとって、価値のあるもの――春告くん、きみの時間が欲しい
窮地に陥った老舗染物店「染谷」に救済話を持ちかけてきたのは、和菓子の老舗「九露澤」の御曹司・黒澤貴寛。しかしそれは春告が担保になるという条件付きで!?
春告の実家「染谷」は江戸小紋の老舗の染元ながら家族経営の零細企業。そんな染谷に大口注文を持ちかけてきたのは室町時代創業の和菓子の名店「九露澤」。だが両者には江戸時代からの因縁が。家業の存続かプライドか――春告は専務の黒澤の提案に従い愛人契約を受けることに。厳格な経営者の反面、私生活では失恋続きのヘタレゲイ・黒澤と、生粋の江戸っ子・春告。黒澤の一目惚れから始まった老舗版ロミジュリはハッピーエンドとなるや否や!?
紙書籍発売時、フェア用に書き下ろされたSSを収録した特別版!
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Posted by ブクログ
江戸時代から因縁のある家でそれぞれ仕事をしている春告と黒澤。
黒澤がゲイでノンケにばかり恋をして振られ、と恋に関しては可哀想なヘタレけれど仕事に関してはドライ。
そんな黒澤が一目惚れしてしまった相手春告。
仕事の為に春告の家とは知らずに追い詰めてしまい、流れでそれを盾に付き合いを強要するような事になってしまったのはなんともいやはや。
春告が勘違いしてしまうのも分かる。
でもそこで紳士な黒澤の態度、仕事の事など会話をしていくうちに惹かれ初めてお金の絡む関係ではいたくないとお互い考えた時に取った行動が黒澤はもう会わない、春告は改めてお付き合を、とそれぞれの性格が現れていて春告の男前がカッコよかった。
ようやく恋人同士になれたと思った矢先に春告の勘違いであわやとなるけどそれも乗り越えられてホッとしました。
長年の因縁をここに来て断ち切ることが出来この先は仕事もプライベートも充実した2人でいて欲しいです。
ヘタレ攻
老舗のロミジュリ。創業記念に完璧な風呂敷が欲しい黒澤。しかし、仕事を依頼に行ったのに塩を撒かれてしまう。理由を調べると、黒澤の何代か前のことだが、依頼先にとんでもない不義理を働いていたことが判明。それなら、依頼先を買収出来ないかな、と雑談交じりに銀行に圧力をかけた。そして窮地に陥った依頼先、染谷の息子と対面。その息子とは、先日一目ぼれをした名も知らぬ青年だった。仕事では悪どい黒澤だが、染谷には紳士で紳士でまどろこしい!江戸っ子で短気な一面もある染谷春告は痺れを切らします。