あらすじ
弱小球団を変革したのは「数学」だった――ビッグデータから選手の真の価値を導き出し、視覚的に提示し現場で活用することで、21年ぶりのプレーオフ進出を成し遂げた、ピッツバーグ・パイレーツ奇跡の実話。
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Posted by ブクログ
マネーボールの次の機軸。
この本から8年経過。いまはどうなってるのだろうか。そして、日本の野球では?
本書最後には、データ活用のソフト面に触れられている。新旧としてはいけないのかもだけど、お互いのリスペクトがデータを実際に活用するに繋がったことがよくわかる。
でも、とにかく長かったなあ、この本。
Posted by ブクログ
貧乏弱小球団がチームに足りない戦力をどのように上積みするか。
マネーボールのアスレチックスが出塁率に注目したように、2013年(正確にはその1,2年前から)のパイレーツは守備に注目しました。
打撃でわかりやすく勝利に貢献できるスター選手には高値が付くため、守備で失点を防げる選手に価値を見出した、というのが画期的で面白かったです。
また、強みを生かせない投手を再生するだけでなく大事に運用したことは、課題に対するアプローチとして本質的でした。
今では強力すぎて規制される(予定の)守備シフトの採用、その戦略を最大限に生かすツーシームの多投、そしてフレーミング。野球ファンとしてワクワクするのはもちろん、数年間で一組織のトップとそのブレーンたちがその組織と業界のパラダイムを変えてしまったところに普遍的な面白みがありました。
セイバーメトリクス、MLBはもちろん、野球にそれほど詳しくなくてもまあまあ楽しめるのではないかと思います。
何より凄いのは、パイレーツの努力が結実した後あっという間に他チームが模倣し、パイレーツの特異性と優位性がみるみる縮小したことだと思います。すぐに裁定が働いてしまったことは、MLBが数学やテクノロジーとそれを扱う人材を受容していることと、選手の流動性が高いことの証左でしょう。それらの土壌として、やはり、アメリカンスポーツが一大産業として成立していることが大きい気がします。
読後感は非常に良かったのですが、原文を直訳したような、とてつもなく読みにくい部分があって疲弊しました。