【感想・ネタバレ】満鉄全史 「国策会社」の全貌のレビュー

あらすじ

明治40年(1907)、「10万の生霊と20億の戦費」といわれる犠牲を払って獲得した南満洲の地に誕生した一鉄道会社は、「陽に鉄道経営の仮面を装い、陰に百般の施設を実行する」実質的な国家機関として大陸政策を牽引した。しかし必然的に政官軍の縄張り争いと対中・対ソ事情の変化、そして場当たり的な政策の影響が直撃する位置に置かれた組織は、図らずも近代日本を体現する存在として日本の支配政策のお粗末さを象徴する存在として現代に伝えられている。日露戦争から敗戦まで「日本の生命線」の表舞台に立ち続けた組織の足取りを正確にたどり、「国策」という言葉が包含する曖昧さと無責任さを炙り出す。年表、首脳陣人事一覧、会社組織一覧付き。(原本:講談社選書メチエ、2006年刊)プロローグ――「国策会社」満鉄とは何だったのか第一章 国策会社満鉄の誕生第二章 「国策」をめぐる相克第三章 使命の終わりと新たな「国策」終 章 国策会社満鉄と戦後日本エピローグ――現代日本にとっての満鉄関連年表歴代満鉄首脳陣人事一覧南満洲鉄道株式会社組織一覧

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Posted by ブクログ

「満鉄」

この言葉から受けるイメージは、中国東北部を支配した機関というものがあるが、この本を読んでみると、そう言う通りいっぺんの事柄では語れないほど複雑な組織であったことがよくわかる。

そして、満鉄と言えば“アジア号”であるが、その高速列車と中国東北部を支配したと言うイメージが、どうも一致しなかったが、ま「いろいろあったんだな」と言う事がよくわかった。

驚いたのが、戦後、東海道新幹線を実限させた十河信二が、満鉄の理事経験者であったと言う事。不勉強でした。十河に限らず、あの当時の政財界の重鎮達は、多かれ少なかれ、どこかで交わっているんですね。

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2019年11月07日

Posted by ブクログ

満鉄ってアジア号か満鉄調査部、しかも名前くらいしか知らなかったんやけど、松岡洋右とか十河信二とか出て来てびっくり。いや、松岡洋右は時代的に納得やけど、十河信二って新幹線の人としか知らんかったから。

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2019年09月08日

Posted by ブクログ

植民地経営の主力となる民間の会社、という意味では、オランダ、イギリスにおける東インド会社に当たるような位置付けの満鉄のお話。

有名どころでは、満鉄OBとして、後藤新平、松岡洋右、十河信二(初代国鉄総裁にして新幹線の生みの親)、岸信介、宮崎正義(石原莞爾の”先生”)、などが登場。

外務省、陸軍省、陸軍参謀本部、関東軍、拓務省に翻弄されながらも、大陸最高のシンクタンクとして奮闘した満鉄調査部の活躍は良い。

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2022年09月28日

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