【感想・ネタバレ】戦国時代のレビュー

あらすじ

大名はいかに戦ったか。民衆はいかに生き抜いたか。日本はいかに変容したか。戦後日本史学の巨人が、戦国時代というものの全体像を描き出した決定的論考。戦国大名たちはいかに統治し戦ったか。人々はいかにして戦乱の時代を生きたか。新技術によって木綿や鉄砲が普及し何が変わったか。後北条氏の台頭から豊臣政権まで、時代の全体像と動因を、明晰かつ生き生きと描き出す!―四つの「時代を見る目」で読み解く―第一に、群雄だけでなく全社会層の動きを構造的にとらえる。第二に、動乱のもたらす社会変動を、もっとも深奥から考える。第三に、革新と創造の時代として描く。第四に、世界史的な視野の中で見通す。解説(本郷和人・東京大学史料編纂所教授)より―永原の研究成果は、対峙する人間を選ばない。どんな立場から歴史を研究するにせよ、それが実証的であれば必ず、彼の到達に直面する必要に迫られる性質のものである。研究者は永原の提示した推論に学ぶ。それを学んで、乗り越えるべく努力を重ねていく。ある研究者は、努力の末に、永原論のある部分を乗り越えることに成功するだろう。ある研究者は懸命に挑戦しても、永原論の確かさを追認するだけにとどまるだろう。ともあれ、彼の研究業績は、後からやってくる研究者のチャレンジを静かに待っている。乗り越えられることを待っている。この意味で永原は実にフェアーで、尊敬すべき先達なのだ。中世史の良心というべき偉大な研究者、それが永原である。※2000年刊『戦国時代 16世紀、日本はどう変わったのか』(小学館ライブラリー)上下巻の合本復刊【主な内容】戦国時代の開幕惣・一揆と下克上の社会状況「世界史」の成立と新技術関東・東北の争覇戦中国・四国の戦い軍事力の構成領国経済体制都市と商人九州の情勢とキリシタン大名畿内政権と京・堺大名国家と日本国織田信長の進出一向一揆と本願寺「天下布武」

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Posted by ブクログ

戦国時代
著:永原 慶二
解説:本郷 和人
出版社:講談社
講談社学術文庫 2573

良書、読みでがありました。古代から近世へ、その不連続点である中世の、最後の120年あまりを解説する書でした。

読み始めて、まず、思ったことは、石高や、年貢、兵力等、10万にも及ぶ数字の羅列が並んでいる。
調べてみると、九九や、算木は、飛鳥時代に、そろばんは、実にこの戦国時代に渡来しているようです。
江戸時代に和算という微積分が普及していることをみると、日本人のこの数字好きの文化が築かれたのはこの時代ではないかとおもってしまう。当時の領国は、実に細かく所領を管理していたようです。

年貢も五公五民とか、現代も社会保障を含めるとほぼ同率に落ち着いている。これも現代では、小数であり、分数である。定率の評価と地域や産物ごとに、利率を変えていることでバランスをとっていたことも驚きでした。

農業や、工芸などの生産性が飛躍的に向上し、相対的に豊かになったことで、社会の構造が大きく変わっていくのが、この戦国時代であり、各産業別の人口や所在を把握していたことも、例として示されていました。

また、ボルトガルとの南蛮貿易や、明代の後期の倭寇などが語られているが、驚いたのは、鉄砲とともに、木綿もこの時期に日本にもたらされていることでした。1600年以降に日本でも栽培されることになるのだが、木綿って平安時代から行き渡っていたように誤解していました。

さらに、一向一揆にしても、武士、農民、商人らが、領主を倒して、自治を手に入れること、これってフランス革命のような市民革命だよねとおもってしまう、しかも各地にその考えが飛び火していくのは、革命の輸出であって、ヨーロッパのそれと何ら変わりがない。領国支配と平行して、政治システムの移植も行われていたのです。

戦国時代とは、応仁元年(1467)応仁の乱の開始より、天正元年(1573) 織田信長が、足利将軍義昭を追放するまでの、107年と記しています。
その後、信長が、本能寺の変で倒れるのが1582年、秀吉が北条氏を小田原征伐で倒し、まさに天下統一するのが、1590年になります。

68州を束ねる足利幕府は、各地に探題や公方などの役所を置いたが、奥州探題、蝦夷探題を含めて、北海道までを俯瞰していたことには、感心しました。

戦国前期は、地域紛争に過ぎなかった戦争も、後期は、万という兵を自在に動かす、大規模なものとなっていきます。兵站と機動力、なにより、天下統一には、兵農分離と、各地の経済力を把握するために検地がその背景となっています。

また、三好長慶の時代の天下とは、畿内のことをいったようですが、織豊の時代には、まさに、日本全体を示すようになっていました。

弱小だった織田軍が、天下布武を実現できたのは、優れた武器と圧倒的な物量を背景とした力、そして一向宗を大量殺戮したにも関わらず、新しい秩序を打ち立てるために理想があったからではないでしょうか。

軍事、領国経済、人心掌握と、まさに、大名はさまざまな要素を掌握しなければなりません。まさに、人が戦国時代を作ったことがわかります。

全体として、本書は、おおむね、3つのテーマで時代を見ていると思います。

①社会状況

■惣・一揆
■軍事
■領国経済
■都市、商人
■南蛮貿易
■大名国家と日本

②地域概報

■関東・東北戦
■中国・四国戦
■九州戦
■畿内戦

③織田信長による天下統一

■清州から畿内へ
■一向一揆と本願寺
■天下布武
■まとめ 日本史上の戦国時代

目次

はじめに -動乱と革新の世紀

戦国時代の開幕
惣・一揆と下克上の社会状況
「世界史」の成立と新技術
関東・東北の争覇戦
中国・四国の戦い
軍事力の構成
領国経済体制
都市と商人
九州の情勢とキリシタン大名
畿内政権と京・堺
大名国家と日本国
織田信長の進出
一向一揆と本願寺
「天下布武」

おわりに -日本歴史上の戦国時代

あとがき
参考文献

解説

年表
索引

ISBN:9784065165522
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:504ページ
定価:1690円(本体)
2019年07月10日 第1刷発行

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Posted by ブクログ

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