あらすじ
ひかり公園で生まれた6匹のねこたち。いま、彼らと、その家族との物語が幕を開ける。生きることの哀しみとキラメキに充ちた感動作!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
短編集のようで全て繋がっているお話は結構大好き。
嫁ぎ先に猫がいて、可愛くない…と思ってるけど
やっぱり野良猫を捨てたり、殺したりするのは人間の勝手。可哀想な猫が減りますように。
ニーコが最後生まれ変わったのかな。おばあさんのところに戻れてよかった。
Posted by ブクログ
柳氏による2016年の作品。「ひかり公園」を舞台に、捨て猫とそれを囲む人物とが紡ぐ連篇4編。
・・・
まあこれ、タイトルにある通り、捨て猫がもらわれてゆき、それぞれの家での生活を綴るみたいな雰囲気ですね。
とはいえ、話はもうちょっと深い。
ペットとして扱っていたものを簡単に粗末にするなとか、それはそれで主張としては含意はありましょうが、むしろそれを生み出す人間のドラマをより鮮明に描き切ります。
・・・
例えば「ニーコのおうち」の、ニーコを育てるおばあさん。捨て猫を貰った彼女は残念ながらボケてしまいます。
その後子ども達によって土地建物は売却され、猫は再び人の世話の枠外に放り出されます。そして最後に猫駆除用のエサで毒死します。
猫の最後の悲しいですが、さらにあぶり出されるのは希薄な家族関係。
まあ、日本ではこの程度の親子の距離が通常かもしれません。希薄なコニュニケーションと親への気持ちの軽さ。悲しい限りです。
・・・
あるいは「ゲンゴロウとラテとニーコのおうち」に出てくる「ぼく」の奥さんの言葉の数々。
二匹の保護猫を譲り受けることを決意した2人(多分30代)だが、奥さんに末期がんが見つかり、二匹の保護猫の予防注射が終わるまでになくなってしまう。
その奥さん自身が、ペットより先に死ぬとは自分でも思わなかったと吐露するシーンは胸を熱くさせます。
愛する妻の命の灯が消えたとしても、自分の命、そして猫の命は燃やし続けなくてはならない。奥さんが生前にカレンダーに書き残したメッセージは、悲しみに打ちひしがれずに前に進めという旦那さんへの愛の鞭で、その力強さは感動と感銘を併せ持つものだったと思います。
・・・
ということで、柳美里さんの作品でした。
かわいいだけの猫物語というわけではありません。捨て猫という被写体を通じて命を語り、また人間の汚さも優しさも描き出す佳作であったと思います。
ナレーションの語りが丁寧でどこか童話みたいな易しい雰囲気でした。また解説の武田砂鉄さんの