あらすじ
京都の大学で日本古代史を専攻する博士研究員(ポストドクター)の万桜は、友人に騙され、太宰府にある廃館寸前の『天神様博物堂』へと左遷される。
そんな万桜の前に、態度がでかくて口の悪い古風な平安装束を着た“少年”――『菅原道真』が現れた!!
彼は「学者としてあまりに怠惰なおぬしを咎めにきた」と傷心の万桜を叱り飛ばし、ちゃっかり家にまで上がりこんでくる始末。
だが、渋々ながらも付き合ううちに、万桜は忘れていた“学ぶ楽しさ”を思い出し!?
がけっぷち歴女とちびっこ怨霊……もとい天神様の奇妙な師弟関係始まる!
感情タグBEST3
太宰府が舞台
太宰府が舞台なんて、嬉しいです。
4、50年前の展示室って、どこもこんな感じでしたよ。
言葉は佐賀か筑後の西の方みたいです。太宰府の神職や、お茶屋でこんな言葉をしゃべる人はいましたね。
天満宮の社宅は寝殿造りばっかりでしたし、奈良なんかも同じじゃないかと思います。
大阪の文系学者とメールを交わしたことがありますが、ヒロインを彼女とだぶらせて読みました。
Posted by ブクログ
友達に業績を横取りされて太宰府に飛ばされた現代の女性研究者が天神様(菅原道真)に出逢う話。
設定は非常に魅力的。
研究者が学問の神様に出逢えたら、それはもういろんな発見やらなんやらがあるだろうとわくわくしたのだけど、どうもそう言う話にはならなかった。
人に貶められた境遇が似ていることから、天神様とのやり取りで相手への怒りや自分の境遇への悲しさを乗り越えようとするお話だった。
ただ、そのために一冊丸々使われているのはちょっと引っ張りすぎかなと思った。
天神様の良さもあんまりでなかったしね。
逆に将門命の方は魅力的だった。
日本三大怨霊のうち二人まで登場するので、どうせなら三人とも出して欲しかったね^^
Posted by ブクログ
第二話の終わりから面白くなってきた。まさか天神様以外の怨霊が登場するとは思わなかった。私はこちらの平将門のほうが好み。豪快で迫力がある。「馬を引け!」と万桜の自転車の荷台に乗ったりするユニークな面もある。
それにしても友人の玲奈は救いようのない人物だった。怨霊といわれる天神様(菅原道真)や平将門より、玲奈のほうがよっぽど怨霊だった。なぜこんな歪んだ性格になってしまったのか。ちょっと気になる。
表紙の天神様の、雲のようなもくもくは文章では描写されてなかったと思う。ただ宙に浮かぶだけだとしまりがないのかも。
ひさびさに博物館へ行こうかな?と思わせてくれる作品でした(^-^)