あらすじ
19世紀末ニューヨーク。悪辣なエジソンとの法廷戦に新米弁護士が挑む! 「イミテーション・ゲーム」脚本家による歴史サスペンス。
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Posted by ブクログ
テスラとエジソンが、電流の交流vs直流で戦ったことは知っていましたが、そこにウェスティングハウスやJ.P.モルガンも絡んでいたという事までは、勉強不足のため知りませんでした。
本書は、歴史的な事実を下にしながらも、適切に改変され、丁度良い物語小説に作り上げられています。
作者は、元々映画の脚本家であるので、確かに映画やテレビドラマのような、ギリギリのピンチまで追い込まれながらも、大逆転してしまうという物語になっていますが、実はそれって、本当にあったりしているんですよね。
意外だったのが、主人公の弁護士と、それに関連する女性の話。この人物たちについては、完全に作者の創作上のものと思っていたんですが、実はどちらも実在の人物。本書で描かれたようなドラマティックな出来事があったかどうかは知りませんが。
中々面白かったです。
Posted by ブクログ
面白かった。
実在の人物が電球の訴訟に絡んで錯綜する。かのエジソンが敵役。主人公の弁護士ポールは敗戦続き。奇人二コラ・テスラは予測不能。控えめな登場をしたアグネス・ハンティントンの行動は胸がすく。
類似の小説が思い当たらない。
「今の」発明家を描く歴史小説
発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。
一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。
章の合間に偉人の名台詞なるものが乗っているが、乗っている台詞の中で多いと感じるのは現代のカリスマ実業家として名を馳せたスティーブ・ジョブスである。今作の中でいえば、彼もまた発明家の一人である。
儲けられる道筋を作ることが出来る発明家こそ今の発明家であり、故にその道に関わる者全員が発明家なのだろう。後は儲けの配分を争うだけだ。
今作の主人公はウェイスティングハウス側についた弁護士であり、生み出さない側の視点から発明家という特異な存在を浮き彫りにしている。
正直、ヒロインとの流れはまぁまぁうっとうしい所もあり、アメリカンラブシーンは入れんでもと思った。しかし、ラストの些細な、しかし思わぬ展開は今まで凡人として扱われた主人公だからこそ来たものがあり良かった。
翻訳としては意訳を良い意味で多用せず、そこそこ堅く仕上げた点が歴史小説として合っていた。良作と言える。