あらすじ
「ありません」「できません」は言いません。マニュアルはただの形に過ぎません。――「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、35年間総合1位を獲得している石川県和倉温泉・加賀屋。宿泊客から寄せられた感謝の手紙と、宿で働く人たちの言葉から、本物のおもてなしの心を探る。定員1400人を誇る巨大旅館で、なぜ日本一の接客ができるのか? ベストセラーの単行本に最終章を書き加えた決定版を電子化。●第1章 人生が出会う宿 ●第2章 接客十戒 ●第3章 もてなしの宿の女性軍団 ●第4章 一客入魂の脇役 ●第5章 ホテルは足し算・旅館は引き算 ●第6章 加賀屋の暖簾と人々の人生を背に ●最終章 途切れなかった流儀――それからの加賀屋
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Posted by ブクログ
加賀屋の流儀
極上のおもてなしとは
著:細井 勝
PHP文庫 ほ20 1
日本一の旅館、和倉温泉の加賀屋のもてなしを考える本です。
現在、2024年の能登半島地震のために、再建途上であり、休館のままです。
2026年に再開との報があり、重なる災害に見舞われる能登に明るい話題となりました。
気になったのは、以下です。
・観光には、三物がある。風物、産物、人物である
・福地福人 幸せな土地には、幸せな人が暮らす、と言う意味です
・満足を、超えたところに、感動がある
・ハレの日、の宿として利用されるのが加賀屋の大きな特徴といえる
・マニュアルプラスアルファー
マニュアルはできて当たり前
加賀屋客室係十二訓というのがあるが意外なほど基本的な事柄に終始している
・好きでなければ、いい仕事はできない
・一生懸命には信頼がついてくる
・加賀屋の原点は、引き上げ者に、「お国のために負傷した兵隊さんのため」と損得抜きのサービスに心をつくしたこと。戦後加賀屋がいちはやく経営を立て直せたのは、そのころの兵士たちが、あのころはお世話になった、と相次いで投宿し、能登にいくなら加賀屋という紹介と、口でてに全国から人が訪れ始めたことである
・連合軍将校に、石川県知事の柴田氏が、お酌をしてまわっていたのをみて、あんなえらい人が、というのが始まり。宿の女将が客室を回って、全てのお客様に挨拶をする。加賀屋式サービスが生まれ、全国に広がっていく。
・はたして、どこまで商いで、どこからが自分の心なのか
・指図を受けて動くのは恥
・完璧が当然、という重圧が人を育てる
・加賀屋の料理長は、たった一人のお客様のために。食べるのはたった一人のお客様、ゆめゆめぞんざいには扱うな
あの店はいい、あの料亭はすばらしい、と聞かされれば、いって食べ歩く
・クレーム処理の鉄則は、お客様がお帰りになるまで、玄関をお出になるまでに解決してしまうこと。
・サービス業は、形がないだけに、身につけたものは一人ひとりの財産になっていく。
自分が働く旅館とは異なる場所のサービスを自ら経験することは、すべて自分と、加賀屋のためになると確信していました。
・日常の仕事の延長線上に存在するホテルと、非日常からリセットした空間と時間を味わうために利用していただく、旅館は、存在の根拠から異質だと考えていいのではないですか。
・結局は人とのつながりで私たちは支えられています
・世の中にはすごい奴らがいる。田舎の小天狗では手も足もでない。鼻っ柱をへしおられた。
目次
はじめに
第1章 人生が出会う宿
第2章 接客十戒
第3章 もてなしの宿の女性軍団
第4章 一客入魂の脇役
第5章 ホテルは足し算・旅館は引き算
第6章 加賀屋の暖簾と人々の人生を背に
最終章 途切れていなかった流儀―それからの加賀屋
ISBN:9784569763675
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:332ページ
定価:800円(本体)
2015年10月21日第1版第1刷