【感想・ネタバレ】チャイナ・ウェイ――中国ビジネスリーダーの経営スタイルのレビュー

あらすじ

正しく知ると、向き合い方も見えてくる。

グローバルビジネスにおいて存在感を高める中国。
しかし、GDPなどのマクロなデータや、
アリババやジャック・マーなど、
特定の企業に着目するだけでは見えないものがある。

アリババ、レノボ、ファーウェイ、ハイアール、バンケ……
急成長する中国企業のダイナミズムを、
世界最高峰のビジネススクールの経営学者が徹底解剖。
中国企業の経営について知りたければこの1冊!

早稲田大学の池上重輔教授による監訳・まえがき。
『チャイナ・ウェイ』はアリババの馬雲(ジャック・マー)や、
レノボの柳伝志(リウ・チュワンジー)などの
中国トップ企業のビジネスリーダー72名に対するインタビューと、
著者たちによる綿密な分析と考察を中心に構成されている。
中国のビジネスリーダーに関してこれほど包括的に研究し、
彼らの思考と行動パターン、
そしてリーダーシップの特質について説かれた本はおそらく世界初であろう。
――池上重輔(早稲田大学教授、本書監訳者)
目次
監訳者によるまえがき
第1章 序論 アメリカ流ではなく
・中国の重要性
・チャイナ・ウェイを理解する
・中国の巨富の創造者たち
第2章 自力での進路開拓
・1980年代と1990年代の中国の事業環境
・試行錯誤の果てに
・柳伝志のレノボ創業
・中国を飛び出したレジェンド
・王石のバンケ創業
・商社
・事業転換
・王石の新たな組織構造
・中国のその他の億万長者
・ハナジー創業で中国一の大富豪になった李河君
・欧米の影響
・結論

・巨富の創造者たちが語る「自力での進路開拓」
第3章 学習する企業
・自己管理型学習
・幹部候補向けの学習体験
・企業の学習の源泉
・リーダーシップ・コーチング
・学習への説明責任
・覆盤
・結論
・巨富の創造者たちが語る「学習する企業」
第4章 長期的な勝負を見すえた敏捷な戦略
・アリババの敏捷性
・分権化した組織体制
・はるか先を見すえるバンケ
・25%
・質の高い成長
・パートナーとともに成長する
・清廉さで導く
・リスクと失敗
・結論
・巨富の創造者たちが語る「敏捷な戦略」
第5章 人材管理
・共産党における人材管理の発展
・共産党に起源を持つ人材管理
・実力主義と職の安定性
・職場の教育とトレーニング
・文化的支柱
・会社独自の文化
・人による管理
・イノベーションによる管理
・結論
・巨富の創造者たちが語る「人材管理」
第6章 トップが絶対権力者
・ハイアールグループを変容させる張瑞敏
・ビッグ・ボスの権力
・人格
・謙虚でありつつも大胆に
・階層主義と現場主義
・粘着剤としての文化
・ボスの追放
・結論
・巨富の創造者たちが語る「ビッグ・ボス」
第7章 成長が金科玉条
・成長の要因
・何のための成長か
・成長のための政府
・人間関係は私から公へ
・海外進出
・中国の成長減速はそれほど悪いことか
・結論
・巨富の創造者たちが語る「金科玉条としての成長」
第8章 パートナーシップとしてのガバナンス
・コーポレートガバナンスの歴史が浅い中国
・中国のコーポレートガバナンスの特徴
・中国流のガバナンス
・監視役としての役員会
・企業リーダーシップにとってのコーポレートガバナンス
・結論
・巨富の創造者たちが語る「パートナーシップとしてのガバナンス」
第9章 独自性は何か、持続性があるのは何か
・学習の重要性
・知識の呪い
・政府とビジネス
・ボス
・株主の立場
・創業者の引退問題
・中国人リーダーの教訓から欧米が学べること
・永続的なものは何か
・結論
・巨富の創造者たちが語る独自性は何か、持続性があるのは何か
付録1 チャイナ・ウェイの成長
付録2 インタビューした中国人ビジネスリーダー
謝辞
参考文献
原注

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Posted by ブクログ

監訳者による、孫子の「彼を知り己を知れば百戦危うからず」との言から始まる。

本書の結論は、中国リーダの教訓から欧米が学べることもある かと。

気になった点は以下です。

・欧米は株式は分散されていて、株主のために短期の利益のために左右される。
 中国は、起業家の株の保有率が高いので、長期的利益に主眼を置きやすい。
 一時の赤字であっても、将来のプラスであれば、ためらいもなく投資を行う。

・欧米は、1:株主 2:顧客 だが、中国は、1:顧客、2:従業員

・中国人企業は勉強家、自己管理型学習、経験学習、リーダシップ・コーチングが
3つの柱。中国企業は、学習する組織。

・政府、特に地方政府とは、一定の距離を置く。企業が儲かっている間は、政府は
何もいってこないので、企業としても、一定の距離を保っている。

・政治の不安定、巨大な国内市場から、俊敏に変われた企業のみが生き残ってきた。
 そして、アメリカにでても、その優位が生きた。

・面子を重んじる中国人、不正をしても即時に首はきれないし、従業員だって
 その立場を重んじる。起業家はこのことで悩む。

・欧米のビジネスモデルを模倣してもってくるがそのままで成功しない。
その内容を理解して、中国へカスタマイズして、改善を加え続けていく。

・中国企業は、私企業がなかった時代から、試行錯誤でシステムをつくってきた
欧米のような手本はなかった。です。

目次は次の通りです。

第1章 序論 アメリカ流ではなく
第2章 自力での進路開拓
第3章 学習する企業
第4章 長期的な勝負を見すえた敏捷な戦略
第5章 人材管理
第6章 トップが絶対権力者
第7章 成長が金科玉条
第8章 パートナーシップとしてのガバナンス
第9章 独自性は何か、持続性があるのは何か

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2022年02月10日

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