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Posted by ブクログ 2019年09月01日
学生時代の知識をブラッシュアップするために購読。本書は14章から成り、縄文〜古墳時代までを、通史ではなく、トピックにより概観している。かつて考古学を学んでいても、自分と違う専門分野を読むのは正直しんどい。このため、一部は半ば斜め読みしてしまった。
考古学は基本的に物を扱う学問だけど、最近はそこから認...続きを読む知の世界にまで広がっている。銅鐸から垂直的な世界観なるものが認められるという。なんとドラマチックな!
弥生時代は前3世紀からと習った世代だが、あの歴博の発表以来遡り、今では前8世紀というのが主流らしい。懐かしの騎馬民族論文にも触れられているのは興味深い。
個人的には、海民の章と、最終章の「前方後円墳はなぜ巨大化したのか」が面白かった。前方後円墳を作った理由は通説通りだが、巨大化の理由は逆転の発想だった。
はじめにで語られる旧石器捏造事件のとき、まさに僕は考古学を学んでいた。当時、先生とも議論したことを思い出す。あれからも考古学は進歩し続けていたんだなあ。
Posted by ブクログ 2019年07月04日
<目次>
第1部 旧石器・縄文時代
第1章 旧石器文化からみた現生人類の交流
第2章 縄文時代に農耕はあったのか
第3章 土偶とは何か
第4章 アイヌ文化と縄文文化に関係はあるか
第2部 弥生時代
第5章 弥生文化はいつ始まったのか
第6章 弥生時代の世界観
第7章 青銅器の祭りと...続きを読むは何か
第8章 玉から弥生・古墳時代を考える
第9章 鉄から弥生・古墳時代を考える
第3部 古墳時代
第10章 鏡から古墳時代社会を考える
第11章 海をめぐる世界/船と港
第12章 出雲と日本海交流
第13章 騎馬民族論のゆくえ
第14章 前方後円墳はなぜ巨大化したのか
<内容>
最先端の研究者による、最新の考古時代の論文集。ちくまの歴史シリーズ。なかなか魅力的なラインナップで、授業でも取り上げることが多いものが載っている。特に最終章の前方後円墳の話は斬新。巨大化と富の放出による統治(民を食べさせる)話は面白かった。また第12章の日本海ルートは筋の通る話だった。