【感想・ネタバレ】フィンランド語は猫の言葉のレビュー

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Posted by ブクログ

このごろフィンランドのエッセイを立て続けに読んだので、もやもやと一緒くたになっていた北欧の中から、フィンランドがぬっと立ち上がってイメージができました。
家具やインテリアのイメージしかなかったけれど、言葉や生活の話を読むと突然身近な存在に感じます。

稲垣さんの言葉はリズムが良くってとても読みやすかったです。
フィンランドへの愛がひしひしと伝わってきて、ものすごくいいところなのでは、と思えて、とっても渡芬したくなります。
それに、きっと稲垣さん、謙遜されてますが、すごく勉強家だし、頭が良い方なのだろうという、人柄の良さに惹かれる本でした。

いまでは割と留学が普通で、留学していた友達も何人もいるのですが、ここまで一生懸命勉強してきた学生は見たことがありません。
懸命に打ち込んだことで見られる景色を見せてもらえた気がして、妙な達成感を味わえます。

子どもが海外に興味を持ったら勧めたい本になりました。

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2022年11月16日

Posted by ブクログ

フィンランドがマイブームになっているところで目についたこの本。私は猫語が得意だし、フィンランド語に向いてるかも?ということで読んでみた。
そもそもこの著者、どうしてフィンランドなのかというと、フィンランドの美術史に興味があるので留学ということだそうだ。芸大なのに芸術より語学…芸大なのに?というか、芸大ってどういうところ?と違う方向に思うところはあるのだが、日本人には身近ではない言語をとても楽しそうに学んでいるし、留学生活もとても楽しそう。留学は1970年代なのに、今読んでも、違和感がないのもこの本のいいところだ。猫語の話はほとんどなかったけど。今のフィンランドと昔のフィンランドは当然違うんだろうけど、それでも多分フィンランドっていいところなんだろうなあと、また私のフィンランドに対する興味は強くなってしまいました。死ぬまでにフィンランドに行けるかなあ。
そもそも、この本のタイトル、見覚えがあると思ったら、やはり出版社を渡り歩いてずっと出ているロングセラーなのでした。

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2022年04月09日

Posted by ブクログ

面白かった!

フィンランドでの経験を、あれだけクスッと笑えるような、知的でユーモアのある文章で読者を惹きつけれる稲垣さん、素敵すぎる。

今まで読んだエッセイの中で1番好きかも^_^

寒いの苦手な私でも、「マイナスごっこ」してみたいと思ってしまった。

フィンランド語を少しかじった人間なので、フィンランド語がどれだけ難しい言語かは重々承知してますが、その言語を使って新たなことを学んでいた日本人が、50年以上も前のヘルシンキにいたなんて、、

コロナ禍が明けたら、フィンエアーに乗ってヘルシンキへ行き、サウナに入ったり、コーヒーを飲んだり、森の中を何も考えずに歩いたりしたい。
太るだろうけど、どうやらおいしいらしいジャガイモもいただこう。

彼女を取り巻く人たちも素敵、、
類は友を呼ぶのかしら

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2021年11月28日

Posted by ブクログ

表題への?と北欧への興味から読み始めた。
筆者の留学生活について、言語に重きを置いて書かれていた。
外国での生活は、彼女の圧倒的な努力によって色づいたものなのだと感じた。
現地の人との関わりや、寒さに対しての言及があった章が特に印象深かった。
私は、恥ずかしながら留学について抽象的なイメージしか持っていないが、やはり楽しさと共に、些細な所で感じる言語の壁や望郷の念など様々な苦悩があるのだと思う。
フィンランドに関して特に何も知識はなかったが、さほど専門的な内容はなく、楽しく読めた。

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2023年12月04日

Posted by ブクログ

フィンランドはトランジットで一度降り立ったきりだが、外が真っ暗だったにも拘らず何故かほっこりしたのを覚えている。「乗り換えと言わず、いつかこの国でガッツリ過ごしてみたい」と思ったのも。
その後もSNSでフィンランドの幻影を追い続けていた中で、akikobbさんに本書をご紹介いただいた。(有難うございます^ ^♪)

留学のため1970年代後半に渡芬(漢字表記にすると「芬蘭土(フィンランド)」)した著者の、フィンランド語奮闘記。…だけでなく、現地での生活模様や文化の違いが赤裸々に明かされている。
それなりに厳しい面もあっただろうなーと感じることもあったが、ますます彼の国への憧れを募らせる運びとなった。

「三年近く住んでいたが、いやなことは何もなかった。ただ、脳ミソの中に少しバターが混ざったかな、という感じだけだ」

こんな感じの程々にユルくて、(自分が冒頭で感じたような)ほっこりする留学生活を目の当たりにすれば、誰だって憧れを募らせるだろう。ついでに自分は著者のどっしり構える精神にも惚れました。
本書の解説を担当された言語学者の黒田龍之介氏は、やはりフィンランドの言語システムに興味津々だった。氏は氏でフィンランド語への憧れが増大しているようだ。
母音音素が8つあって日本人には発音しやすいが、Rの発音は巻き舌が必須。(著者同様、巻き舌が苦手な自分は終始涙目になると思う…) 三人称単数系がたった一つしかないため「彼」か「彼女」か性別が分からないことがある。
あの文体からかそこまでがむしゃらな感じはしなかったけど、翻訳アプリもなかった時代にこうしたハンデを乗り切るには、絶対本には書ききれないほどの勉強量があったはず…。

フィンランドの方言や古代語の学習に取り組むなど、チャレンジの幅も凄い。更には趣味とはいえ、フィンランド語でモダンバレエやピアノを習おうとしてみたりと、外国に住むとここまでアクティブになれるものなのか…と感嘆する。
何もかも熱心に吸収するこの姿勢こそが、真の留学と呼べるのかしらん。

姿勢といえば、厳寒をマスターしていくところも面白かったし勉強になったな。
例えばサウナ。学生寮やアパートにある共同サウナでのエピソードは読んでいるこっちも温まってきた。お隣のおばさんと退室後に食事を共にしたりと、充実したサウナーライフも満喫していたようだ。(アクシデントで退室できなくなった話には冷や汗をかいたが…)
他にも寒暖計を確認せずに零下何度かを当てる「マイナスごっこ」をしてみたりと、寒さをマスターするどころか手懐けているように見えた。

「もし今誰かに、フィンランド語は難しいかときかれたら、『いいえ、ゲームのように楽しいわ。だって文法が十分に複雑なんですもの』と答えるだろう」
ふと思う。フィンランドには刺激が少ないと仰っていたけど、生きていく上で必要な分の刺激は語学学習で摂取されていたんじゃないかと。それも無意識のうちに。

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2023年10月26日

Posted by ブクログ

作者さん、感受性が豊かで想像力が豊かで、何より真面目な人なんだなあという印象。こうやって知らない国に打ち解けてゆけるのはとてもスゴいと思う。
「フィンランド語は猫の言葉」という同タイトルのフィンランド語で書いたという作文、どんな内容なのか読んでみたい。フィンランド語が読めたらなあ。
あ、フィンランド語の会話を聞いてみたら良いのかな?聞いてみようかな。森と湖の国のお話。

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2023年07月13日

Posted by ブクログ

1970年代に単身でフィンランドに留学(渡芬)したエッセー。
フィンランドに行くことを、渡芬って言うらしい。

フィンランド語の学習を通して出会った、現地の文化・風習が詳しく描かれている。冬になると海の上を歩く話や、コーヒーの受け皿の使い方の話、お城のようなホールで一人暮らしをした話など、刺激的だった。なかなかバイタリティーに溢れる人だと思う。

また、筆者が自分だけ授業についていけず泣いた話や、英和辞典と英芬辞典の2冊を駆使しながら日々勉強していた話、フィンランド各地の方言やエストニア語まで同時に学んでいた話を読んで、英語だけで何年も苦労している自分が恥ずかしくなった。

母語以外の言語を、現地滞在の経験無しで継続して学習するためは、モチベーションが必要。私の場合、隙間時間を見つけて英語を学習しているが、趣味のレベルにすぎない。残念ながら、海外赴任の希望は叶わなかったし、英語を使う機会も無い。怠けようと思えば怠けられるので、つかず離れずの中途半端な学習を続けてしまい、何年たっても上達しない。時々「どうせ自分は仕事で海外には行けない。語学学習は意味が無い。」と投げ出したくなる。

この本の最後に、筆者は「語学を勉強するために苦しかった経験が、すべて優しさに還元されればそれでいい。生きるってそういうことだと思う。」と述べている。本気で学べば苦しさが伴うもの。私は筆者のような環境に居るわけでもなく、趣味での語学学習にすぎないが、この本を励みに、コツコツ続けていきたいと思う。語学学習を通して、他者を受け容れる、広い心を持てるようになりたい。

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2022年08月13日

Posted by ブクログ

大変軽妙文章で、しかも細かく区切られていることもあって、非常に読みやすかったです。
もっとエッセイ寄りかと思っていたのですが、フィンランド語そのものについてかなり詳しい分析があり、文芸書としての読み応えもあったように思います。

北へ行きたい人は死に対する思いがあるというのはなるほど、と思った点。思えば私も北に惹かれる気がします。笑

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

タイトルの猫という言葉に惹かれて購入。
著者自身のフィンランド留学時の奮闘ぶりを綴ったエッセイ。
フィンランドと聞いて思い出すのはシベリウスとサウナくらいで、フィンランド語は聞いたこともない。猫の言葉とはどういうことか?と思い読み始めた。
彼女はフィンランドの美術を勉強するために留学を決意したようだが、当時の日本にはフィンランド語の指南書的な本は皆無に近くとても大変そうだが、その大変さが楽しく読める。
ヘルシンキ大学での奮闘ぶり、フィンランド語の文法の難解さ、日常生活のこと、おそらくとても大変だっただろうことでも楽しく読める。
そして時折、語学の本質のようなものも書かれている。
そしてタイトルの猫語。フィンランド語では話をしている相手に相槌を打つ時に「ニーン、ニーン」というらしい。コレは聞いてみたい。猫の言葉とはそういうことか。

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2022年01月23日

Posted by ブクログ

「電子書籍がセール価格になっていた」「最近気になってるフィンランド」「表紙がかわいい」と三点セット揃ったので買って読んだ。著者稲垣美晴さんは1952年生まれということで私からするとだいたい親世代。1970年代終盤、東京芸大(芸術学)在籍中にフィンランドへ留学したさいの、語学習得奮闘記。フィンランドに魅せられたきっかけは音楽、芸大生としての研究テーマはフィンランド美術史、と書いてあったはずだが、ヘルシンキ大学では言語学で学位をとることにしたようで(そのあたりの細かい経緯は書いてあったかもしれないけど忘れた)、こんなとっつきやすげな、そして実際ユーモア溢れる楽しいエッセイにしては、格変化やら構文やら母音と子音の種類やら、フィンランド語の説明となると本格的である。
最後の章で「フィンランドへ行こうと思ったきっかけは舘野泉さんの紹介する音楽、特にパルムグレンのピアノ協奏曲『河』」と出てきて、パルムグレン!私が最近フィンフィンしてるのはまさにパルムグレンきっかけなので、あいや~引き寄せるもんだなあと驚いた。

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2021年09月28日

Posted by ブクログ

海外体験、言語学に興味がある人なら、より楽しく読めると思います。
何十年も前に書かれてるのに、古くささを感じないことに感動しました。海外体験エッセイなのに、なんでだろう。。。
たまには、ブラジル以外の国も読んでみるといいもんだなぁと思ったので、コロナで海外いけないのでので、読書で海外旅行したいと思います。

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2020年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先日読んだ津村記久子の『枕元の本棚』でも紹介されていたので、積読棚から順番を繰り上げて読んでみました。
最近の話なのかと思ったら、もう40年も前に出版された本が、何度目かの出版社のお引越しで出版されたものなんですね。
つまり従来から相当読まれている本なんですね。ふむふむ。

のっけから「解体新書」をなぞらえているように、手がかりの少ないフィンランド語の学習はとても大変だったと思います。
が、それを感じさせないユーモアが、とにかく愉快。
「大変だ~」「全然わからん~」と言いながら、着実にフィンランド語をものにしていく姿は、読者に勇気を与えるのではないでしょうか。

実は私、高校生の時に半年ばかりフィンランド語を習っていましたので、ちょっとは音読ができます。
が、意味は全然分かりません。
何とか格とか何とか格とか、とにかく文章構成が日本語と全然違うので、もうちんぷんかんぷんだったのです。

それでも、楽しくかつ意欲的に学習できる人が、何かを為す人なんだなあ。
見習おう。

文章も視点も面白いのですが、一点だけ。
ひとつのパラグラフに複数のトピックが書かれているので、いったいこれは何について書いているんだ?と混乱する部分が何か所かありました。
頭のいい人特有の、話が走りすぎるってやつですね。
これは最初の出版の時に、編集の人が何とかしてほしかったな。

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2020年04月30日

Posted by ブクログ

フィンランド語学留学を題材としたエッセイ。細かい言語の説明は正直ほぼ読み飛ばしたが、エピソードや言い回しが明るくコミカルでとても面白い。また今でこそ遠い国のフィンランドの様子も調べればわかるのだろうが、40年以上も前となると、この本でしか当時のその様子は得られないのではないだろうか。何度も新装版が出るのも納得の一冊。

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2020年04月26日

Posted by ブクログ

 海外旅行はまだ一般的はなく、「北欧」というフレーズもまだメジャーではなかった1970年代、フィンランドへ留学した女子のエッセーです。

 1981年に出版されて以降、今も読み継がれているとても楽しいエッセーです。フィンランドの素敵な留学生活とフィンランド語についていろいろと書いてあります。

海外適応の時間的経過」について、フィンランドで食べるじゃがいもの味の変遷を例におもしろおかしく記載してあります。海外で暮らしていくと、現地の味にどのようにして順応していくのかよくわかりました。

 フィンランドで相槌をうつ時に「ニーン」という言葉を使うそうです。著者の稲垣さんによるとこの「ニーン、ニーン」という言葉が猫の言葉に聞こえるとのこと、カモメ食堂を見直してみましたが・・・わかりませんでした。次回、フィンランドに行った際には、聞いてみようと思います。
 

 もし学生時代にこの本に出合っていれば、フィンランドを旅したかも??とか、留学したらこんなキャンパスライフが待っているのか??などいろいろと妄想が広がってしまいます。

 フィンランドへ留学を考えている方には、ぜひおススメの一冊です。
 

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2020年01月05日

Posted by ブクログ

大相撲では琴風と栃赤城が注目され、友人からはYMOのカセットテープが送られて来る70年代後半にヘルシンキ大学に留学した著者によるエッセイ。

フィンランド語を学習する苦労に混じり、フィンランド人の生活、気質、街の様子、白夜の様子など盛り沢山な内容。

定番エッセイ集として版を重ねている模様。

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2019年12月09日

Posted by ブクログ

語学を学ぶ人のエッセイってあまりない? あるかもしれないけど初めて読んだ。国に興味はあるけど言語を学ぶ程ではない私にちょうど良かった。フィンランドの文化にわくわくした。ちょっと他の文献の引用が多いかなー。

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2019年07月13日

Posted by ブクログ

言語習得には果てがない。ダラダラ続く上り坂を永遠に登るようなものだと思う。ラクになることはないんだろうなと観念しながら進む。

言語学も文学も音声学も、どこかの教科と同じように「一体何の役に立つのか」と問われる機会は多い。ただ、言葉の裏には歴史があり、文化がある。人間として生きている以上、切っても切り離せない複雑な繋がりを、豊かに、残酷にしっとりと含む。

70年代の留学は現在と状況は大きく異なるだろうが、言葉を学ぶ人たちの想いはいつの時代も変わらないのだと感じながら、フィンランドの厳しく愉快な生活を思った。

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2019年05月16日

Posted by ブクログ

渡芬という言葉初めて聞いた、、
フィンランド語はとてもとても難しそう
それを著者は必死に勉強してフィンランド語で論文も書けるようになってすごいなと、、
フィンランド語で相槌をニーンニーンとうつから
猫みたいだということ

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2023年09月07日

Posted by ブクログ

読んでいるうちにすごく古い本なのかな、と思ったらなんと1981年に最初の版が出たものみたい。
1970年代にフィンランドの大学に留学して孤軍奮闘する著者のエッセイ。
今日本では北欧ブームで、フィンランドなども何となく馴染みのある国となっているけれど、当時はインターネットもなければフィンランド語学習書が日本で一冊しかなかった時代のよう。そのような時代の留学は大変苦労されただろうなと想像できる。
このエッセイでは軽い内容だけでなく、フィンランド語の言語学的なものにも少し触れているので、結構重厚感ある内容。ただ著者のユーモアで楽しく読むことができた。
フィンランド語、少し興味があったけどこの本を読むと物凄く難しそう…

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2023年02月15日

Posted by ブクログ

タイトルがとてもいい。
思わず手に取ってしまう。

しかし、この著者は、いわゆる「自分大好き」な人で、そういう人が書く文章というのは、文章力がある場合はものすごくおもしろいものになるのだけれど、文章力がイマイチだと、読む側には苦痛をもたらす。

残念ながらこの著者は後者のタイプで、文章がやたらはしゃいでいて、常に「私って、ユニークで、とってもおもしろいでしょ!!!」という自己愛が前面に出ていて、読んでいてしんどかった。フィンランドからすぐ話がそれて、自分の厚顔おとぼけエピソードについて延々と語られる。
「もうこのへんでやめてもいいかな・・・いや、頑張ってもう少しだけ読もう・・・」と、最初は忍耐力を試された。

そんなわけで、途中まではこの人のことを完全にあなどっていた私であるが、後半の勉強の話はすごくおもしろかった。著者の頑張りには深い敬意を払わずにはいられなかった。
卒業時、フィンランド人でもなかなか取れない「優秀」を取ったなんて、すごい。
しかも、一度合格したのに再チャレンジして。
方言の授業の話などはめちゃくちゃ興味深く、そういうどう考えても外国人にはハードルの高そうな授業にもいくつかチャレンジしていて、しかもちゃんと習得している。尊敬しかない。

フィンランド語についての非常に興味深い話の途中でも、あいかわらず、自分大好き話にすぐ話が逸れていくので、心の中で「あーもう、キミが素敵だっていう話は十分聞いたから」と舌打ちしたくなったが、、、、

フィンランド語はテキスト中の子音対母音の頻出度が96対100、という事実にはとても驚いた。
笑えるくらいエストニア語に似ている、ということも初めて知った。
単語が長い、というのは薄々気づいていたが、やっぱりそうなんだ。おもしろーい。

フィンランド人は自分たちのことを「今しがた森から出て来たばかりの民族」と呼ぶらしい。
私も、山に囲まれて育ち、夜、家の周囲は真っ暗で、静寂に包まれて眠っていた人間なので、彼らの精神性についての描写にはひどく共感してしまった。
サウナの話もすごく心ひかれた。
フィンランドにはこれまで特に興味はなかったが、いつか旅行してみたい、と強く思った。

この人にはゴーストライターをつけて、自分大好き話をもう少し控えめにする形でもっと書いてほしいと思った。
あ、そういえば「東大さん」の話はおもしろかったから、そこはもっと語ってくれても良かったのに。

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2022年04月03日

Posted by ブクログ

学生時代、英語ですらいまいち理解できずにいた自分からすると、稲垣さんの向学心は凄い、としか言いようがない。
辞書すら無いような言葉を修得するためにその国へ乗り込んでいく行動力も、凡人は「奇人変人」の領域とみる。
フィンランド語の難解さも、軽快な日々の出来事を織り混ぜた巧みな文章でとても興味深いものに思えた。
一番印象に残ったのは、周囲の魅力的な人々と楽しそうに過ごす留学生活。
人が好きだから、言語を学び、人の輪を拡げ、人と繋がっていく。
素敵な人だと思った。

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2019年08月17日

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